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In Flamesの好きな曲5選

いよいよ今月末にKREATORIN FLAMESがダブルヘッダーで来日しますね!!!
スラッシュメタルとメロディックデスメタル、80年代と90年代という近くて遠い2バンドではありますが、メロディ派大歓喜な組み合わせではないでしょうか。こういう異種格闘技が観たかった!!

どちらも大好きなバンドなので、あらためて自分なりに語ってみたいと思います。

IN FLAMES

ご存知!メロディックデスメタルの神様です。
日本ではArch Enemyと双璧をなし、世界的に見てもメロディックデスメタルというジャンルで最もメジャーになったバンドではないでしょうか。
初期のデスメタルに民謡メロディをブッ込んだ黎明期から徐々に正統派メタルへの接近をし、4thアルバムでメロデスというジャンルを"完成"させてしまう。その後のモダン化への挑戦も8thアルバムで結実、メインソングライターの脱退を経て"歌"に機軸を置いた方向性を煮詰めていき、最新作となる14thアルバムにてかつてのメロデス要素とモダン性と歌の高次元な融合を果たす……。
30年以上の活動の中で紆余曲折も毀誉褒貶もありながらも常に進化への挑戦を続けてきたと言えます。
初期~中期ファンからは「In Flamesはメロデスを捨てた」とよく言われますが、個人的には「一度もメロデスを捨てなかったし、捨てないための模索であった」と捉えています。

さて、そんな来歴からもわかるように、In Flamesのカタログには一般に「これや!」という決めの作品とそうでない作品があります。よくわからんという人はとりあえず4thと8thと14th聴いとけばOKです。
ただ、そうではない楽曲たちの魅力をここでは紹介します。

December Flower
もし宇宙からメロディックデスメタル星人が攻めてきて「侵略されたくなければお前の星で最強のメロデスを聴かせろ」と言われたら、Dark Tranquillity"Edenspring"か、この曲を聴かせます。
初期In Flamesの良さがギュッと詰まっていて、"Behind Space"の粗削りさや"Stand Ablaze"のある種のあざとさもなく、しかし"Whoracle"収録曲ほどには洗練されていないベストバランス。
狂おしいほどの焦燥感、ヒロイックになりすぎないリードギターのメロディー、メタル史に残る(のに弾いたのは本人ではない)美しいギターソロ、そして繰り返しかと思わせて3:00からの劇的な展開……。
極めつけは歌詞が"We are in flames"ですよ。これはもうどっからどう見ても代表曲です。ライブでやれ。

Square Nothing
よくクリーンの歌い方をウッフンウッフンと形容されるVoのアンダースですが、彼のロマンティシズムに満ちた歌声はニューウェーブ的な感触があり、同郷のDark Tranquillityも(ゴス的な表現を経て)そういった要素を取り入れていることから、振り返るとそこまで違和感はありません。
この曲を聴いてもらえればその表現がいかにマッチしているかは明らかだと思います。
4thアルバムでメロデスを完成させて、さてどうするかとなったバンドが新しい道へ一歩踏み出した5thアルバム"Clayman"の中でもこの曲は"Only for the Weak"と並んで未来を予期させるものでしょう。
このあたりからメジャー・ミュージックの香りが高まることでベースの存在感が増したことも注目に値します。
ファストチューンがなくてもIn Flamesは戦える。そういう曲です。

Deliver Us
ワクワク観覧車&花火MV
が印象に残るバンド代表曲のひとつ。
正直、In Flamesのカタログでアルバムトータルでの完成度でいえばこの10thアルバムか3rdの"Whoracle"のどちらかになるかなと思っています。
メインソングライターであったイェスパー脱退による危機をアンダースの歌重視にすることでよりモダンへと舵を切りつつも、細かいフレーズにメロディを散らばらせることでバンドの持ち味である抒情性に一本筋を通しています。
ぶっちゃけかつてはそんなに良さがわかっていなかったんですが、あるときストリーミングでライブ映像観ててこの曲が流れてきて、なんてデカいステージでライブ映えする曲なんだ……!と180度見方が変わりました。
微動だにせず単音リフを頑張って弾くより、どっしりとアクションしてグルーヴで魅せながらも合間合間に職人的なメロディを織り交ぜるそのクールなやり方。たまらん。

In Plain View
バンドきっての問題作と呼ばれ、おそらく人気度も一番低い11thアルバム。
音作りも丸っこいしジャケもキモいオッサンだし、何よりメタル的な攻撃性よりもゆったりとした沈む空気感のほうが強い印象を受けます。
でも自分はなんだかこの感じ、好きなんですよね。変に肩肘張ってないというか、一番「In Flamesをやろうとしてない」ような。それでいてしっかりと培ったメロディやスケール感は残ってる。そんなバランス。
特にオープニングとなるこの曲は、定番の"ABシャウトサビでテンポ落としてクリーン"とは逆、サビでいきなりシャウト&疾走します。単純なアイデアだけど細部がよく練られていて耳を惹く。
こういう器用さってやはりイェスパーが抜けてメロディゴリ押しできなくなったからこそじゃないかな~と。格が高い1曲。

Stay with Me
メタルコア勢やBMTHあたりの影響を感じさせるコマーシャルな12thアルバムからの揺り戻しか、ちょっと疾走パートも戻してみましたよ、みたいな13thアルバムのラスト曲。
個人的には"I, The Mask"とかはただ速くしただけでしょ~ってな感じでぜんぜん良さが感じられず、むしろ歌を大フィーチャーしたこの曲のほうが断然グッときました。
もうメロデスとかメタルとか置いといて単純にいい歌ですよね。
でもただのバラードではなく、ちゃんとIn Flamesでないと辿り着けなかった境地になってる。
最新作ではさらにレイドバックした抒情性が強化された"Pure Light of Mind"という大名曲が生まれますが、その布石ともなっているかと思います。
なんの冠詞も要らないいい歌を作れるようになった、というのはバンドのクリエイティブ性の充実を伺わせます。


というわけでIn Flamesから5曲ピックアップしてみました。
さて今度の来日はどんなセトリなんでしょうね。December Flower、聴きたいですね。
Kreatorのは気が向いたら書きます。あっちは中期除けば割とストレートなのでそこまで違いが出せないかな~。

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