対談『新エネルギーの創出に挑む』より
町おこしエネルギー会長兼社長 沼田昭二氏と、良知経営社長 濵田総一郎氏は二十年来の知人ということもあってか、文章からも互いに気の置けない仲であることが窺い知れる。
私自身、以前より業務スーパーの元社長が地熱発電などの再生可能エネルギー事業に私財を投じて取り組んでいるということを耳にしていたため、本記事のタイトルを目にしたときから期待に胸を躍らせていたが、それを始める契機となったのが五十歳の時に罹った甲状腺がんであったという事実に愕然とした。
しかし、驚くのはまだ早かった。
何と沼田氏はそこで悲観するどころか、逆に【願掛け】をしたのだという。
それは『私利私欲を捨てて、滅私奉公に生きる』というものだった。
(ここでの『公』とは政府・自治体といったものではなく、社会全体、ひいては宇宙全体の発展と調和を指すことは、言うまでもない)
そして、当時12%しかなかった純国産エネルギーの低自給率を憂い、その改善と町おこし及び地方創生を大義とした会社を起こしたのだ。
大病を患いながらも大きな目標を掲げ邁進していく沼田氏に対し、濵田氏はこう語る。
偶然にも、私が最近読んだ本の中に濵田氏の言葉に類するものがあったので紹介しよう。
これは華厳経(大方広仏華厳経)で謂うところの「初発心時、便成正覚」*1)に通ずるところがあると、私は思うのだ。
つまり、自らの掲げる大義と『世界の調和』との方向性が一致する場合、その実現は約束されたものとみなし得るということであり、それはそのまま、その道を進むうえで降りかかる様々な困難や立ちふさがる壁は、全て乗り越えていけるということを示唆するものである。
安心して良い。 世界は君が好きなのだ。