アメリカのエリートが安倍首相をべた褒めする理由
アメリカのエリートが安倍首相をべた褒めしている。
韓国や一部国内とは正反対、超高評価の安倍首相 ボーゲル、カーチス氏らが異口同音に絶賛する米新著 《高濱 賛》 #JBpress https://t.co/FltTtHAjKY
— JBpress (@JBpress) August 25, 2020
こちら(⇩)は1~28まである。
1/Shinzo Abe, Japan's longest-serving Prime Minister, is retiring due to ulcerative colitis.
— Noah Smith 🐇 (@Noahpinion) August 28, 2020
Today's @bopinion post is about what he achieved during his tenure in office.https://t.co/UoCZH3cv2T
辞任を発表した日本の安倍晋三首相のレガシーとは何か──米経済メディア「ブルームバーグ」知日派コラムニストのノア・スミスが総括する。https://t.co/AL10hIlTtV
— クーリエ・ジャポン (@CourrierJapon) August 29, 2020
だが、安倍の最大の経済改革は、日本の労働力の拡大だ。しかも、保守派の自民党がこれまでずっと抵抗してきた男女平等と移民によってだ。
男女平等の促進と外国人労働者の受け入れ拡大は、経済的な理由によるものではあれど、日本社会を変えつつある。
すっかり違う日本の未来をいまや垣間見ることができる──リベラルで、躍動的で、開かれた、経済・文化の両面で進歩的な社会だ。
世界の首脳の多くが国家主義、保護主義、人種主義、権威主義に引きこもる時代に、安倍は予想を裏切り、追い詰められたリベラリズム概念の擁護者になった。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/33637239/picture_pc_5771d5d33cb29ceee68b34f0dcaeaf81.png?width=1200)
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/33635957/picture_pc_e619c642f3dfd8bffb740fced594be19.png?width=1200)
べた褒めしている理由は簡単で、安倍首相が国際標準ではリベラルあるいはプログレッシブだからである。
首相「私はリベラル」 分配路線へ軸足、その意図とは https://t.co/5bIC5ZeBlw
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) December 29, 2017
当初はアメリカが押し付けた歴史観や戦後体制を見直して対米従属からの脱却・自主独立(日本を取り戻す!)を目指すナショナリストではないかと危険視されていたが、蓋を開けてみれば軍事面でも経済面でも対米従属を一段と深化させる事大主義者で、リベラリズムの教義の基本の男女平等と移民にも積極的だったので、リベラル・グローバリストの一員として歓迎されるのは当然といえる。
Biden likes Abe. Trump doesn't. That should tell you something. https://t.co/XOpHaZXmmx
— Noah Smith 🐇 (@Noahpinion) August 29, 2020
"A globalist is a person who wants the globe to do well, frankly not caring so much about our country... I'm a nationalist," President Trump said at a rally in Houston pic.twitter.com/QVYIGYyrvt
— TIME (@TIME) October 23, 2018
これら(⇩)は安倍語録だが、この"not caring so much about our country"の内容は革新・グローバリストそのものである(アベノミクス第三の矢はウィンブルドン化)。安倍首相が保守・極右・ナショナリストに見える人の目は節穴である。
もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました。
日本を、能力にあふれる外国人が、もっと活躍しやすい場所にします。
残念ながら、総理大臣は、外国人というわけにはいきませんから、私自身が、足で稼ぐほかに、道はありません。
日本はこれから、グローバルな知の流れ、貿易のフロー、投資の流れに、もっとはるかに、深く組み込まれた経済になります。外国の企業・人が、最も仕事をしやすい国に、日本は変わっていきます。
もし、皆さんの投資意欲を削ぐ何かが見つかれば、すぐに私に教えてください。いかなる岩盤も、私の「ドリル」の前には無傷ではいられません。
そのとき社会はあたかもリセット・ボタンを押したようになって、日本の景色は一変するでしょう。
日本においてよく機能していた伝統的な自由主義・理性的な自由主義をアンインストール&常軌を逸したウルトラ・リベラリズムをインストールして日本を一変させることが安倍首相の当初からの目標だった(下は2009年12月の記事)。
最近の自由主義はウルトラ・リベラリズムと呼べるもので、常軌を逸した自由主義。これが問題です。個人が一番で、国家は存在しない。そこには市場しかない、といった自由主義なのです。
伝統的な自由主義は、特に日本においてよく機能した。日本では資本家による自由主義経済が有効に機能し、それはウルトラ・リベラリズムの対極に位置する理性的な自由主義です。
「リベラルで、躍動的で、開かれた、経済・文化の両面で進歩的な社会」とは、格差が拡大して下層が増える社会でもあり、フェミニストの予言通りになっている。
エリート女性労働者と、多数派の周辺的な女子労働者、そしてそのどちらにも属さない無業の主婦(「働かなくてすむ」ことで特権的な立場に立った専業主婦)に、女性は三極分解するだろう。そしてその女性の多様化を、「選択の自由」「個性化」イデオロギーが、あたかもそれが女性自身の選択であったかのように、おおいかくすだろう。
マミートラックにのって二流労働者になってしまうと、一流に戻れない。更に恐ろしいのは、塩漬けになった女性も「評価は下がるけど子供との時間を持てるなら、これでいい」と納得してしまうこと。https://t.co/YR2mVTSNti pic.twitter.com/QzfGAO39Y1
— type転職エージェント (@type_shoukai) February 24, 2016
賃金が上がらないといっても、外食せずに家で鍋をつついて、100円レンタルのDVDを見て、ユニクロを着ていれば、十分に生きて行けるし、幸せでしょう?
稼げない女は、結婚相手としても選ばれなくなる可能性が高い。
「貧しくなる自由」をエンジョイする女も増えているが、
トッドが警告していたように、これがウルトラ・リベラリズムである
現在の民主主義の危機は自由貿易の危機です。エリートは人々の生活水準に関心を持とうとしません。現在の民主主義は、ウルトラ・リベラルな民主主義であり、エリートが人々の生活水準の低下をもたらしているように見えます。
フランスは英米と並び、民主主義発祥の国です。しかし今や、支配者階級は自由貿易以外の体制を検討することを拒んでいます。不平等が広がるにつれて、多くの人々の生活水準は下がり始めています。もし、支配者階級が生活水準の低下を促し続けるなら、民主主義は政治的にも経済的にも生き残れない。独裁国家になるのは避けられないでしょう。
西洋諸国でリベラリズムが「追い詰められた概念」になったのは、共産主義と同じで、多くの人を豊かにしない「市場原理による抑圧」の思想だからである。その危険思想の擁護者が長期政権を続けたのだから、日本社会には十二分に毒が回ってしまったと見るべきだろう。
リーダーシップ論で見る安倍晋三の成績表……政治的立場が色濃く反映される指導者への評価を3つの基準から判断すると......#安倍晋三 #アベノミクス #ドナルド・トランプ #習近平https://t.co/nWo7cGjfNj
— ニューズウィーク日本版 (@Newsweek_JAPAN) September 9, 2020
最も重要な基準は、100年後の世界史の本でどう評価されるかだ。安倍は日本の憲政史上最も長く首相を務めた。首相就任前、日本経済は4年連続で物価が下落し、危機的状態にあったが、首相就任後は1年を除く全ての年で物価が上昇し、71カ月連続プラス成長という過去最高に迫る記録を達成した。外国人労働者は5年間で2倍になり、優秀な人材の流入が飛躍的に増えたことで、日本は「イノベーション経済」で他国と競争する態勢を整えた。
今から100年後、私のひ孫たちが大きな影響を与えた日本のリーダーたちの解説文に目を通したとき、そこにはきっと安倍の名前があるはずだ。90点。
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