「既婚女性の出産数は減っていない」はデータの誤用~実は減っている

「既婚女性の出産数は減っていない」という分析がデータの誤用によるものであることを示す。

『国勢調査』に、既婚女性が同居している児童数(20歳未満)の分布が分かる統計表がある。25~44歳の既婚女性を取り出し、同居している児童数(子ども数)の分布を、1985年と2015年で比べると<表1>のようになる。
既婚女性の子ども数(結婚した女性が産む子ども数)はほとんど変わっていないようだ。

2015年は同居児は20歳以下だが、1985年は15歳未満なので、そのまま比較できない。「15歳未満」では20代前半に産んだ子が30代後半になると同居児としてカウントされなくなるので、実際に産んだ子の数との乖離が大きくなる。

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産んだ子が同居児としてカウントされなくなる影響が表れる直前の年齢同士で比較すると、自称独身研究家の「世代を超えて、ぴったり子どもの数の比率は同じなんです」が誤りであることは明白である。

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この二つのグラフ(↕)は同じ元データから作成している。

世代を超えて、ぴったり子どもの数の比率は同じなんです。

有配偶出生率が低下していることは下の記事でも検証している。

少子化問題については、人口学の基本知識を欠いた出鱈目な記事が多いので注意してもらいたい。

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