マガジンのカバー画像

経済

472
運営しているクリエイター

#アベプラ

日本が貧乏国に転落したのは日本人がエコノミック・アニマルだから

日本が貧乏になっているという言説が増えている。 実のところ、1人当たり実質GDP成長率は他の主要先進国と比べて低くなかったのだが、賃金が上がらない+円安のために、国民の購買力が相対的に著しく低下している。プラザ合意後によく聞かれるようになった「内外価格差」という言葉も、いつの間にか「高い日本」から「安い日本」の意味に逆転している。 その急速な貧乏化の原因だが、日本を敗戦からわずか23年後(1968年)に世界第二位の経済大国へと成長させ、1979年にはアメリカ人に"Japa

「日本の家計が値上げを受け容れている」理由

日本銀行の黒田総裁の「日本の家計が値上げを受け容れている」は、 東京大学の渡辺努教授のサーベイ👇を基にしている。 だが、おそらくこの仮説は外れている。家計は「コロナ禍のために消費が減った→結果的に貯蓄が増えた→値上げに寛容になった」よりも、値上げの主な理由が原材料の国際価格の高騰&円安だと知ったために、「値上げ圧力は全国に行き渡っている→他店も値上がりしている可能性大→他店に移っても骨折り損のくたびれ儲けになる→その店でそのまま買う」となったと考えられる。 仮説の妥当性

国の借金1200兆円は(現時点では)ヤバくない

「国の借金」について森永卓郎と藤巻健史が討論していたが、どちらも極論で聞くに堪えない内容である。 藤巻の「日銀が債務超過に→ハイパーインフレーション」は論外だが、森永も(おそらく情弱ビジネスのセールストークとして)いい加減な話を連発している。 一点指摘すると、24:40~で「円が暴落して1ドル=300円や500円になれば、世界最強の輸出競争力をもって雪崩のように輸出する」と言っているが、日本経済は既にそのような構造ではなくなっている。むしろ、為替レートの暴落が貧困化を促進