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経済

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2023年1月の記事一覧

ファーストリテイリングの年収アップと10年間

ファーストリテイリングの年収アップが話題になっているが、 10年前には柳井社長の「将来は、年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく」「付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化する」が話題だった。 10年前には賃下げ、あるいは賃上げの永久凍結が懸念されていたものが、今回は「報酬テーブルを大幅にアップ」になったのは「海外に比べて報酬水準が低位に留まっている」からだが、日本がいつの間にか途上国に近づいていたことの反映といえる。バブル期から1

インフレと新年早々印象に残ったこと

これ👇をグラフで見る。 消費税率引き上げと2021年4月の携帯電話通信料大幅引き下げの前後で不連続にしている。 日本銀行に続々と送り込まれたリフレ派は、インフレ予想が定着すれば企業と家計の金遣いが荒くなるので経済の好循環が始まると主張していたが、現時点でそれを信じる国民はほとんどいないだろう。 労働生産性の上昇を伴う経済成長期には財価格の上昇率がサービス価格の上昇率を下回る(→サービス価格/財価格の比が大きくなる)のが通常だが、小泉改革での戦後最長の景気拡大期(2002