ファーストリテイリングの年収アップと10年間

ファーストリテイリングの年収アップが話題になっているが、

10年前には柳井社長の「将来は、年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく」「付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化する」が話題だった。

「社員は、どこの国で働こうが同じ収益を上げていれば同じ賃金というのが基本的な考え方だ。海外に出店するようになって以来、ずっと考えていた。新興国や途上国にも優秀な社員がいるのに、同じ会社にいても、国が違うから賃金が低いというのは、グローバルに事業を展開しようとする企業ではありえない」

「日本の店長やパートより欧米の店長のほうがよほど高い。日本で賃下げをするのは考えていない。一方で途上国の賃金をいきなり欧米並みにはできない。それをどう平準化し、実質的に同じにするか、具体的な仕組みを検討している」

朝日新聞2013年4月23日朝刊

10年前には賃下げ、あるいは賃上げの永久凍結が懸念されていたものが、今回は「報酬テーブルを大幅にアップ」になったのは「海外に比べて報酬水準が低位に留まっている」からだが、日本がいつの間にか途上国に近づいていたことの反映といえる。バブル期から1990年代までは海外に比べて割高を意味した「内外価格差」が、第二次安倍政権からは「安い日本」に180度変わったことと同じである。

バブル期には「年収アップに~」という歌が流行っていたような。

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