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京都市東山区の合計出生率が低いのは大学生が多いから?

京都市東山区の合計出生率が全国最低なのは「産まない属性」の大学生の人口割合が大きいから、という説が多く唱えられている。 しかし、合計出生率は各年齢の女の出生率(=出生数÷人口)を合計したものなので、各年齢のウェイトは等しく、年齢構成の偏りには影響されない。従って、この説は正しくない。 これに対して、この👇ような修正説が唱えられている。 だが、東山区と全国の有配偶率の差が大きいのは、大学生が多い20~24歳ではなく、それより上の年齢階層である(←20代前半は全国的に有配偶

「東京の出生率が高い」の欺瞞

少子化関連記事には不正確なものが多いがこれ👇もその一つで、無理やり理屈を捻り出しているだけである。 以下、記事がフェアでもナイスでもないことを見ていく。 全く役に立たないわけではない。市町村レベルではあまり意味が無いが、奥沖縄県や北海道といった十分な人口とまとまりがある地域の比較であれば参考になる。 当たり前で「ポイント」にはならない。 有益性は何を論じるかによって違ってくる。夫婦の出生率を論じるのであれば有配偶出生率が有用なのは当然だが、日本の少子化の主因は晩婚化・