マガジンのカバー画像

ファクトチェック

115
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

悪夢の民主党政権?

民主党政権期(2009年9月~2012年12月)に失業や自殺が増えたと思い込んでいる人がいるようだが、事実はその逆。 リーマンショックで急増した失業者は減少に向かい、 1998年から年間3万人で高止まりしていた自殺者も減り始めた。 (2011年5月の突出は放射能汚染の恐怖と上原美優の自殺の影響) 安倍政権になっても減少ペースに変化はない。 データリテラシーがある人は少数派で、多くの人は現実の数字よりもイメージで信念を形成しているということである。

ブルガリアの独身税と出生率

ネットの情報を鵜呑みにしてはいけない例。 ブルガリア労働・社会政策省の"National Demographic Strategy of the Republic of Bulgaria (2006 - 2020)"の出生促進策の解説。 The active pronatal policy was started in 1967 and was developed step by step in the following years. Direct measures f

反緊縮派のデマ二つ

反緊縮派はデマが大好きだが、最近見かけたものを二つ。 こんな明明白白な出鱈目を拡散するようではどうしようもない。 38分~の辺りで安藤議員が「消費税率は3%が限界で、5%に上げた時から(日本経済が)大失速」との趣旨の発言をしているが、失速の原因は別にある。 3%が限界なら、付加価値税を採用している世界中の国々の大半はとっくの昔に経済崩壊していたはずである。 インフレ率は低く、国債の利払費も抑制されている現状において、反緊縮・拡張的財政政策を訴えることには理があるが、だ

日本経済を世界最悪に見せるワザ

土木工学者の藤井聡といえば、「1997年4月の消費税増税のために日本経済の成長率は世界最低に低下した」というデマを広めるために知恵を絞っている人物だが、その最高傑作の「1995年から2015年の20年間でGDPはマイナス20%」のグラフを2021年になっても使い続けている。 「名目GDP成長率」とあるが、正確には「実勢為替レートでUSドル換算したGDPの成長率」である。 日本が世界最低になるのは対ドル為替レート変動のためで、為替レートと人口の変化を除いて比較するとこの👇よ

韓国の雇用情勢

韓国では文在寅の愚策のために失業者が増えて経済はガタガタになったという記事をよく見かけるが、 最低賃金を大幅に引き上げた文在寅政権だが、その結果として雇用は増えず、自動化と生産性向上が進むのであれば労働者にとっては皮肉な話である。 韓国政府が統計を捏造していなければ、コロナ禍が始まるまで就業者は順調に増え続けてきた(グラフのマーカーは文在寅大統領就任の2017年5月)。 全体ではプラスだから韓国経済は日本よりも高成長を続けているのではないか。賃金が上がらなければ企業の生

民主党政権と自殺

理系の学者はデータの確認を怠らないはずだが、この人はそうではないらしい。 これは民主党政権期(2009年9月~2012年12月)にデフレ・円高放置のために自殺者が増えたという意味だと思われるが、事実はその逆で、1998年から高止まりしていたものが減少を始めている(特に男)。 為替レートも名目の対ドルでは戦後最高値をつけたが、実質実効ではほぼ適正水準だった。前後の期間が著しい過小評価(円が割安→安いニッポン)なので、それと比較すると「超円高」に見えるだけである。 民主党政