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2021年4月の記事一覧

政府債務と高度経済成長

反緊縮カルトが流布する「政府債務の増加が高度経済成長の推進力だった」について検証する。 1965年度に不況対策で公債発行されるまでは均衡財政で国債の残高は増えていない。 対GDP比は高度成長期の始まりと終わりでは+1%ポイントにとどまる。財政赤字は高度成長期の後半だけで、その寄与度も大きいとは言えない。 反緊縮カルトは息を吐くように嘘をつくので要注意。 付記一時的な資金繰りのための短期証券の増加は経済成長の「果」であって「因」ではない。対GDP比はむしろ低下している。

「日本は唯一の衰退国」とデマを叫ぶために不適切なグラフを示す人々

反緊縮偽MMTカルト(教祖:藤井聡)の熱烈な信者になってしまった原口一博議員が、USドル換算GDPの1995年→2019年の増加率のグラフを日本が唯一の衰退国である証拠として頻繁に提示している。 同じものをアップデートされたデータから作成。OECD37か国中、トップ3がバルト三国で、唯一のマイナスが日本である。 上のグラフと同じ順に人口増加率を示す。バルト三国は日本以上に人口が減少していることから、原口議員は日本経済が成長しない原因は人口減少ではない、と主張している。

原口議員が「反論できるんだったら反論してほしい」と言うので反論する

原口一博議員が「消費増税でデフレスパイラルになったことに反論できるんだったら反論してほしい」と言っているので反論する。 藤井聡作成のこの一枚👇には四つの誤りがある。 ①デフレは1997年4月の消費増税からではない。 ②景気はバブル崩壊後の低迷から脱して拡大基調にあった。 ③消費は激減していない。 ④物価下落と需要減少が相互作用的に進むデフレスパイラルになっていない。 消費者物価指数が明確に低下トレンド入りしたのは、1997年4月の消費税率引き上げからではなく、その2年半

原口議員の挑発に乗ってみる

原口一博議員が藤井聡作成のグラフについて「この現象を違うという人がおられたら反論をお願いしたい」と挑発しているので乗ってみる。 グラフは厚生労働省「毎月勤労統計調査」から四半期単位のきまって支給する給与(実質)である。2020年Q3の98.1で終わっているが、Q4には99.5に上昇している。 2014年4月の8%引き上げ時に注目すると、急落は引き上げの前から進行している(赤マーカーは消費税率引き上げ直前の四半期)。 藤井と原口の説明では消費税率引き上げによって給与が名目