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2020年12月の記事一覧

大阪市は成長していたのか

「大阪の成長を止めるな」は大阪市廃止派のスローガンだったが、そもそも大阪市は経済成長していたのかを内閣府「県民経済計算」の1人当たり県民所得で確認する。 大阪市の1人当たり市民所得は1993SNAから2008SNAへの変更によって大幅に変わっているので、ピークの2007年度=100とした指数で比較する。 大阪市は全県計を大きくアンダーパフォームしている。 橋下徹市長就任(2011年12月19日)後のパフォーマンスも他の主要都市に比べて見劣りがする。これを「成長している」

日銀批判の漫画の歴史修正

漫画家がいい加減な知識に基づいて歴史修正しているので検証する(「国債を出さない→円高」のメカニズムはさておく)。 「リーマンショックにおいて日本は財政政策を誤り」「この時は日銀の所為でしたが」も意味不明だが、リーマンショック(2008年9月)の翌年度に政府は大幅に財政を拡大している。 リーマンショック後に米欧の中央銀行が金融機関の連鎖破綻を防ぐために流動性を大量供給して超過準備を激増させたのに対し、日本銀行は増やさなかったことを批判しているようだが、それは当時の日本の金融

リフレと自殺

リフレ派はコロナショックの前までの自殺者の減少はアベノミクス第一の矢の金融緩和の成果だと主張している。 しかし、男の自殺者数は2010年から減少を続けていた。 女は2011年3月の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故後に急増したが、2012年には1997年以来の7000人台に減少していたので、やはりアベノミクス第一の矢の成果とするには無理がある。 リフレ派の教祖たちを妄信してはいけない。