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2020年11月の記事一覧

国の財政の推移をグラフ化

2019年度の決算が財務省から国会に提出されたので、主な項目をグラフ化してみる。 1980年代末からの税制改革が、法人税と消費税を入れ替えるものだったことが見て取れる。 この流れ(⇩)を加速させたのが橋本龍太郎の金融ビッグバンと消費税率引き上げで、民主党政権と安倍政権がそれに続いた(どちらも金融資本主義のネオリベラル)。 国家は課税政策のバランスをとる能力を失っているのだ(これも国家の政策能力不足の証左)。国家は自分が誘致していると思っている資金の動きに振り回されること

政府支出とGDPの相関関係の再検証[補足]

先日のこの記事に補足する。 反緊縮派は各国の政府支出とGDPの名目値の伸び率の相関係数が1に近いことを「政府支出の伸び率が名目GDP成長率を決定している」と解釈したいようだがそうではない。 政府支出の対GDP比は景気変動によって上下するものの、政府はいわゆる「政府の大きさ」が過大にも過小にもならないように財政運営するので、長期的には水準は大きくは変化しない。このことは、GDPと政府支出の伸び率が長期ではほぼ等しくなることを意味する。 この関係はほとんどの国に共通するので

政府支出とGDPの相関関係の再検証

反緊縮派の「名目ベースで政府支出をa%増やすとGDPもa%増える」との主張を再検証する。過去記事のアップデートになる。 GDP=民間需要+公的需要+純輸出なので、この主張は「公的需要をa%増やすと民間需要+純輸出もa%増える」と言い換えられる。 注意が必要なのが、インフレの取り扱いである。公的需要と民間需要+純輸出の実質ゼロ成長が続いても、各年のインフレ率が異なれば、散布図にプロットした各点は直線上に並んで相関係数=1になる(両項目のインフレ率が等しい場合)。この相関関係

アメリカ連邦政府の財政収支

アメリカの財政収支について確認。 歳出が急増したのは4月からで、年間約2兆ドルの増加になっている。 名目GDPは約21兆ドルなので、財政赤字が対GDP比で5%から15%に約10%増えたことになる。 対GDP比30%超の歳出と10%超の赤字は第二次世界大戦時に匹敵する。 もっとも、利払費の対歳入比は十分に低く、巨額の財政赤字も0~1%台の低利でファイナンスできているので、現段階では財政の持続可能性に大きな影響はない。 参考日本の一般会計も4月から歳出が急増して30兆円