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マネー・MMT

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MMTのルーツは新左翼思想
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#増税

MMTは財政金融政策ではなく雇用政策の理論

現代貨幣理論(MMT)がわかりにくい/紛らわしいのは、その本質が労使の勢力均衡と「インフレなき完全雇用」を実現する雇用政策の理論であるにもかかわらず、財政金融政策の理論のように見せかけていることが一因ではないかと思われる。 MMTでは、企業は労働者を安く雇いたいので、売り手市場にならないように常に失業者のプールが存在する状態を保とうとするとされる(→恒常的なデフレギャップの存在を含意)。 しかし、失業は本人にとっても経済社会にとっても損失なので、公的セクターが社会的に有益

財政マネタリストが使い続ける相関グラフ

「税は財源ではない」カルトの教祖の一人・中野剛志が、近著の『どうする財源』で例の散布図を引用している。 財政支出でGDPをコントロールできるという「財政マネタリズム」とでも呼ぶべき論である。 このグラフは起点(t=0)とn年後の名目GDP(Y)と一般政府支出(G)の関係が $$ \frac {Y_n}{Y_0}≒\frac {G_n}{G_0} $$ となっていることを示している。これを変形すると $$ Y_n≒\frac {Y_0}{G_0}G_n $$ となる