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マネー・MMT

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MMTのルーツは新左翼思想
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2021年3月の記事一覧

反緊縮派与党議員の不正確な認識を検証

反緊縮・積極財政派の自由民主党の安藤裕衆議院議員の認識が不正確なので二点を取り上げる。 一点目が7:05~に登場するUSドル換算のグラフで、1995年以降、日米の差が拡大する一方であることを「我々が認識すべき/閉じるべきワニの口」と呼んでいる。 1980年まで遡ると下のグラフになる。 米/日比率は1995年は1.4倍だが2019年は4.2倍と3倍になっている。 ドル換算GDPを①1人当たり実質GDP、②総人口、③実質為替レートの3要素に分解すると、①1.20倍、②1.

元民主党国会議員の人格批判に答える

当noteからアイデアを盗用して書籍を出版したシェイブテイル&朴と親しいらしい元民主党国会議員から「不誠実です」と人格批判をされていたので、遅くなったが回答する。 結論を先に書くと、中村元議員の理解力と通貨制度に関する知識の不足による言い掛かりである。 こちらが当該記事。 それに対する中村哲治となかまたちの批判。 こちら(⇩)は朴のブログでの反論。 「国債を個人向け国債に限定されています」との批判だが、限定などしていない。中村が誤解したのは図に「人々」とあるからだと

MMTの教祖の日本経済分析は落第点

MMTの教祖の一人Randall Wrayが先月のワーキングペーパーで日本経済を分析しているが、知識不足と分析力の低さを示すことになっている。 MMTerがMMTの正しさを論証する方法として多用するのが、主流派経済学では想定外の現象がMMTでは説明できるというもので、このWPでは日本の国債残高が激増する一方で国債金利とインフレ率がゼロ近辺に低下したことが挙げられている。 We also argue that Japan is the perfect case for de

ビル・ミッチェルによるMMTにJGPが不可欠な理由

先日の記事👇で考察した件について、 本家本元のBill Mitchellが解説しているのでポイントを取り上げる。 就業保証プログラム(JGP)の第一の目的は物価安定である。最低賃金で働く人々を労働力の「緩衝在庫」にすることで、1970年代のような物価と賃金が相互作用して暴騰する事態を防ぐ(もっとも、その有効性は未実証)。インフレを暴走させてしまうと、その鎮静化のために失業者を増やす政策が採られることをMMTerは警戒している。 Neither of us saw the