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社会

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2020年10月の記事一覧

公務員はpublic enemy

小泉政権の頃から、改革派を自称する政治家が、公務員(public servant)はpublic enemyだとして、国民を公務員から守るための「我が闘争」をアピールするようになった。 「シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす、そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。徹底して無駄遣いをなくしていく、それが民主党の考え方です」 小泉首相の目指す構造改革は、一般に「痛みを伴う」ものであると言われているが、ほんとうにそうなのか? いや、断じ

大塚家具と日本経済

この件についての感想。 外野からは無能呼ばわりされてきた久美子社長だが、父娘の争いの際には「時代遅れの経営に固執する老害の父親」との対比で好意的に評価する人が多かった。その構図は郵政ガリレオ解散・総選挙と似ていて、老いた守旧派は悪、若い改革派は正義とされていた。 「環境変化に適応するための構造転換が必要」という総論は一致 ↓ 漸進的改革の主流派と米系コンサル的な急進的改革の革命派が対立 ↓ 外野を味方につけた革命派が勝利して主流派を追放 ↓ 改革によってガタガタに とい

韓国とフィンランドの出生数

韓国の出生数は8月で57か月連続の前年同月比マイナス、1~8月計は前年同期比-9.5%となった。このペースが続けば28万人割れが確実で、わずか5年間で4割近い減少となる異常事態が進行している。 このタイミングはフェミニズム・ムーブメントの興隆と一致しており、フェミニストが焚きつける男女対立が非婚化→少子化による社会の崩壊を招いていることを示している。韓国女のミサンドリーは韓国人の反日感情と同根(恨)なので解消は難しい。 韓国でミソジニーが大きな争点として浮上しはじめたのは

大阪市廃止と郵政民営化

11月1日に迫った大阪市廃止・特別区設置の住民投票は、2005年の郵政選挙を想起させる。 大阪市廃止は政令指定都市の大阪市を四つの特別区に分割して大阪府の下に置くものだが、これは郵政事業を四つの事業会社に分割して持株会社の下に置いた郵政民営化と似ている。分割再編によって既得権益者の排除とコスト削減・効率化が進み、サービスの受益者の住民・国民に還元されるという触れ込みも同じである。 そして何よりも、賛成派の面子である。 国民の熱狂的支持によって、100年以上続いた郵政事業

アベ・スガはlesser evil

この記事に考察を付け加えてみる。 ポイントは、 ①小選挙区制と野党の過激化(西洋のradical leftの模倣) ②社会のリベラル化(特に若い世代) の二点である。 ①だが、小選挙区制では二大政党の政策は似通ってくるという理論が、米英でも成り立たなくなっている。 二大政党システムの下では二党の政策は近接していく。これは経済地理学の古典的な定理であるホテリングモデルから導かれる教訓である。 米英に共通するのは、左派政党(米民主党と英労働党)が労働者重視から経済の自

大阪市廃止⇔Brexit

大阪市廃止とは、大阪市の自主財源が府にむしり取られることだが、 これはBrexitしたイギリスの逆になる。 これまでイギリスは、自国に割り当てられる額以上の拠出金をEUに支払ってきた。2016年の数字を見ると、英政府はEUに131億ポンド(163億ドル)を拠出したのに、EUから受け取ったのはわずか45億ポンド(56億ドル)程度だった。 EUに入っていることには様々なメリットがある反面、拠出金負担や主権の制限といったデメリットもある。イギリスは僅差ながら、そのデメリットを

ノルウェーの真の所得格差

ノルウェーのトップ1%の「真の所得税率」はわずか10~20%という分析結果を政府統計局の研究者が発表した。 The study behind the report makes it clear to researchers that Norway’s richest 1 per cent pay the least tax. The richest in Norway only pay somewhere between 10 and 20 per cent tax on

マリン首相とメルケル首相のファッション

この件で思い出されるのが、 ドイツのメルケル首相。 当時の報道で「気でも狂ったのか」のかと激怒する男の有権者が紹介されていた記憶がある。 他の文化圏の人間がとやかくいうことでないので特にコメントはしない。

『キム・ジヨン』のアホらしさ

「韓国の20代男性がフェミニズムを毛嫌いする理由」は、日本人の嫌韓と似ていて、フェミニストの要求が度を越しているからである。現代社会が男尊女卑が酷かった昔よりも女が生きにくいかのように不満を喚き散らして男に謝罪と譲歩を要求している。 『82年生まれ、キム・ジヨン』は主人公の愚痴らしきものが客観性を装った文体でだらだらと続くだけの退屈な三流小説だが、社会現象になっている。 主人公のキム・ジヨンは、2歳児を育てる34歳の専業主婦である。娘より息子の価値が高く、女児の堕胎が最も

大阪都構想とクウェート併合

11月1日に住民投票が迫ったいわゆる大阪都構想(大阪市廃止・特別区設置)だが、1990年のイラクのクウェート侵攻・併合と似ているように思われる。 大阪市→クウェート 大阪府→イラク 都構想→イラクによるクウェート併合 特別区→クウェート県 維新 →サダム・フセイン大統領 個人でも企業でも国家でも同じだが、自立できるだけの経済力と自信・気概があれば、上部機構の傘下から脱して自主独立を目指そうとする。逆に、力が乏しければ、傘下に入って安定を得ようとする。EUから脱退したイギリ

過激フェミと少数決原理

この首切り事件の犯人と同じ行動原理で動いているのが先進国のリベラルである。 日本ではその代表がフェミニストで、「女を冒涜した罪」への私刑を繰り返している。最近ではこの広告への苦情や、 杉田水脈議員への言い掛かりなどがある。 フェミニズムが危険なのは、過激フェミの少数決によって支配された社会は停滞から死に向かうからである。タレブが言うように、過激フェミに対しては徹底的に不寛容でなければならない。(少数決原理は日本の意思決定の伝統ではなく、異国から侵入した邪教のようなもの。

排除された男が「行動する傍観者」になるメリットはあるか

フェミニズムが互酬性に基づく男女対等ではなく、女の男への一方的要求であることを示す事例を二つ取り上げる。 一つ目。 赤の他人の一般人の男にとって、被害に遭っている女を助けることにはリスクや危険はあるが(男に攻撃されたり、女に共犯者扱いされるなど)、直接的なメリットはない。 それでもフェミ女が見ず知らずの男に「体を張る」ことを求めるのであれば、日頃から男全般に対してそれなりの態度で接するべきだが、実際はその逆で、アルテイシアのように「意識をアップデートせよ」と非難するばか

中国の千人計画と日本の6000万人計画

中国の千人計画に協力したとして、学術会議が売国奴の集まりであるかのように非難されていたが、高度人材が「国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」と言っていたのは安倍前首相である。 安倍首相(当時)は2013年9月25日と2017年9月20日にニューヨーク証券取引所でそれぞれ下のようなスピーチをしていた。 私が、日本を出発する前に、ある野球記録が塗り替えられました。1964年に、王貞治という選手が作ったシーズン55本のホームラン記録が、カリブ海出身のバレンティン選手によって

男が自殺してもニュースにならないが、女が自殺するとニュースになる

「犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛むとニュースになる」と言うが、男が自殺してもニュースにならないが、女が自殺するとニュースになるのは先進国共通のようである。 イギリスでも女の自殺を大げさに騒ぎ立てている。 コロナショックの前では、イングランドとウェールズの自殺率は男が女の3倍強で、男/女比は1980年代に上昇してから高止まりしている。 これら(⇩)も、言葉は悪いが「死ぬ死ぬ詐欺」をする女が男よりも多いことを示している。 女性の自殺念慮は深刻に受け止めら