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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No.15

阪大核物理研究センターの中野センター長が発見したK値について紹介したところ(note No.14 https://note.com/prof_a_hill/n/n439fbd1267f9 )、大きな反響があった。概ね好意的なものであったが、疑問視するコメントも寄せられた。特に少し数学の知識がある人の中に、うわべだけ読んで誤解したり俄に信じられないと思う人が多少いたようである。

例えば「新規感染者数でも今日の死者数でも、例えばnatural splineでも使えば既存のデータにきれいにフィッティングできるでしょう。しかしそれで得たモデルは過去~現在までを上手に説明しても、未来を予測する力は(ほぼ)ないでしょう。」という上から目線のコメントがあったが、根本的に勘違いしている。K値そのものはモデルではなくパラメーターも含まない。

直線部分が終わってからフィットをしにいったと邪推しているのかもしれないが、中野教授は4月の初めの日本のK値が直線に落ちていく前に予想線を確定していた。K値は直線的に推移するので、最初の4点(4日)くらいで残りの30日くらいの予想がついてしまう。感染拡大初期なら後何日で感染者数がMaxに達するかや、その人数が何人とか予想可能だ。

また、K値とか言っているが結局1週間の累積感染者数増加比率じゃないか、そんなものは発見じゃないし、そこから特別な情報が得られるはずが無いと考える向きもあった。これはその通りで、単なる増加比率なのは間違い無いし、普通はそのような値から特別に有用な情報は得られない。ところがSARS-CoV-2感染については得られたのだ。理由は、中野教授を含め今のところ誰にも判らない。

だから、数理疫学者には見つけられなかったと思う。様々な先入観があるせいで。中野教授はK値から一定減衰仮定と言う方程式(こちらはモデルである)を案出し、それが実際のデータによく当て嵌まることを見出した。そのモデルのパラメーターk とK値の傾きには、k= 1 + 2.88K' というシンプルな関係が成立する。

しかし解析的にk = 1 + 2.88K’を導き出すことはほぼ不可能であろう。ゆえにK値の発見がすばらしいのだ。中野教授が、K値の本質と有用性(=予測可能性)について分かり易く説明したスライドを作られたので、ご本人の許可を得てここに掲載する。これにより、多くの人に理解が拡がることを期待したい。

なお数理と無関係に、日本では検査が「絞られた」結果、そこから得られる累積感染者数が信頼できないのでK値も参考程度にしかならない言う意見も良く聞くが、これも間違っている。K値は真の感染者数に比例していれば良く、検査方法が不変であれば、方法の良し悪しとは無関係である。(だから現状で良いかどうかは別問題。)

減衰定数kが、感染者の快復、隔離、死亡、社会的距離、集団免疫、等全ての効果・影響を反映することにも注意しなければいけない。それらの総和として曲線が現れる。

さてスライドでは、私のように数学に疎い人間にも興味深い見解が幾つも述べられてる。まず4月初旬に1週間に2倍のペースで感染者が暫く増え続けると盛んに喧伝されたが、それは中国からの第1波の感染者に第2波(恐らく欧米からの流入)を上乗せしたために、第2波発生時の鋭い立ち上がりが鈍り、それがその後の感染者数の最大時期の傾きとたまたま一致したため、週に2倍ペースが続くように見えたという点。第1波の影響は計算から取り除かないといけなかったのだ。

次に、K値が予想曲線(一定減衰仮定)から外れ始めると何かが起こったことが判ること。例えば、東京で5月2日から3日間K値が上がっているがこれは中野区の病院でクラスターが発生したためで、対策が講じられたのでその後収束している。

そして大阪の4月のK値の前半の推移と後半の推移を比べ、緊急事態宣言による規制強化による収束スピードの改善率は30%で、規制緩和による収束スピードの劣化率も30%と算定している。クラスター対策班の個別対応による収束スピードの改善率は100%(2倍)なので、1日の新規感染者数をクラスター対策班が対応可能なレベルに落とせば、30%の劣化率は問題にならない。

すなわち、今後は厳しい規制を課さなくてもクラスター対策班により対応できるということだ。このようにK値を活用することで、状況をリアルタイムで捕捉できる。治療法が確立されるまで、SARS-CoV-2との対峙は続く。闘いを継続するためには、そのほうがとにかく安全だからといって極端な自粛を行うのではなく、医療崩壊の阻止を最大の目標にきめ細かな感染状況分析を行い、教育や経済などの社会活動の維持をはかっていくべきだ。

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