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努力は本当に裏切らないのだろうか

「パァン!!」

今日も部室という名の弓道場から高らかに的に当てる音がする。

そんな音を響かせている射場はだれ一人しゃべらず沈黙に満ちている。

かく言う私もその部活の一員だ

今日はたまたま勉強の残りで遅くなってしまったので駆け足で部室に行くが、もちろん射場で物音を立てるのは言語道断だ。

なので忍び足でそそくさと自分の道具の準備を行うことを毎回心掛けている。

だがしかし私の高校の弓道場は校内にあるためほかの部活のランニングや筋トレなどが隣で行われることがある。

「 1 ! 2 ! 1 ! 2 ! 」

滝のように汗を流しながら大声で彼らは運動をしている。

そのたびに私は思うのだ、「弓道部は本当に運動部なのか?」

皆さんの学校ではどうだっただろうか。

他校について詳しくはなかったが、多くの方は「弓道は実質文化部」などと言われていたと思う。

だがしかし体育祭になると運動部の枠として種目に参加していたと思う。

別にそこに対して私は特に文句があったわけではない。

なぜなら運動量なんて差があって当然だし弓道部が本気で文化部と言われたら私的には違和感しかないからだ。

そんな私でも 1 つだけ疑問があったのだ。

それは、「弓道は、スポーツなのかどうか」だ。

何を言っているんだと批判が来そうなので説明するが、私の中では運動とは体を動かすことであり、スポーツとはそこに競技性を加えたものだと認識している。

もちろん反論もあるだろう、勝手に私の中で解釈していることなのだから。

だがここではそういう体で話をさせてほしい。

その定義で行くと弓道とは皆さんの中でどちらの分類になるだろうか。


運動なのか、スポーツなのか。


ほかの部活の人や弓道部の人でも考えたことが無ければ、かなり難しい質問になるだろう。

なぜなら現代において弓道は、運動でありスポーツであるのだからだ。

また何かおかしなことを言っていると思うかもしれないがもう一歩踏みとどまって私の話を聞いてほしい。

大前提として弓道とは日本古来か引き継がれている武道の1種であることを思い出してほしい。

そう考えると「武術の弓道」という枠組みの中に競技性は存在しないため、弓道は「運動」であり「スポーツ」ではないという考えに納得いくだろう。

(納得していなくても納得した体で進ましてもらうが…)

しかし高校や大学の弓道はどうだろうか。

大会という名の競い合いがあり各々の射(弓の引き方)をしているではないか。

知らない人に軽く説明すると弓道にはお手本・理想となる射が存在し、それに近づけるために多くの人が日々鍛錬している。

その理想の射とは大きくかけ離れており、当たれば正義という大会で優勝を目指す人も多く存在する。

そこについて特に言及するつもりもさらさらない。

サッカーが好きでやっている人の中には、大会で優勝したい人もいれば、リフティングのような技の競い合いで世界を目指す人もいるからだ。

しかしこの弓道をスポーツと呼ぶには少し何かひっかる点がある。

それは、「他のスポーツに比べて、精神的な面で結果が左右されすぎるのではないのか」という点だ。

もちろん私も他のスポーツはしたことがあるので精神的な負担が他のスポーツには無いということはない点はわかっている。

だが他の競技を本気でしたことがあるからこそ余計そう感じるのだ。

弓道をある程度やったことがある人なら共感できると思うが、当たるときは本当に当たるが当たらないときは本当に何しても当たらないのだ。

それが大会だとより顕著に表れるのだ。

他のスポーツだとまだましだ。

シュートが入らなくてもパスやドリブルでカバーしたり、守備を頑張ればいいのだから。

だがしかし弓道はどうだろうか。

大会では緊張しているのにも関わらず、矢の数は 1 回引くとき 4 本しか持てない。(実際に大会ではそれを何回か繰り返すが間が空くことが殆どである)

それはあまりにも酷ではないのだろうか。

普段は殆ど外すことが無く優勝候補といわれるような人もたちまち最下位付近に転落することもあるのだから。(その逆に関しては稀だが)

弓道をしている高校・大学の人たちはそんな覚悟を持って日々練習に励んでいる。

だからこそ、他の部活に入り精一杯頑張り努力を積み重ね成功した人にこそ言いたい。


本当に努力は報われるのだろうか









っと、長々と語ってきたが別にこの言葉が嫌いなわけではないし、なんならただ努力するだけで報われるとも思っていない。

しっかりと頭を使いながら努力する人こそが成功する、そんなことは分かっている。

ならなぜこんなことを書いているかというと、ただ単に弱い自分に言い訳をして文句を言うだけで努力もせずに逃げてきた自分への戒め的なものだ。

どうか皆様にはこのことは本気に取らずに、いち醜い人間の反省分だと思って受けとって欲しい。


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