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なぜいま「クリエイティビティ」が重要なのか

こんにちは。フリーランスクリエイターのprmtvです。これまでWebデザイン・UIUXデザイン・アプリ制作・クリエイティブコーディング・ゲーム制作などデジタルの領域でデザインとプログラミングを軸に幅広くクリエイティブを追求してきました。

これまで主にデザイナーとして活動してきましたが、最近はクリエイティビティ(創造性)に注目しております。この記事ではなぜ自分がクリエイティビティが重要だと考えているのかを整理し、これを持って問題提起することを目的としています。

クリエイティビティとはなんなのか?

いろんな人がいろんな定義をしておりますが、ざっくりまとめると新しく・独自性の高い発想を生み出すことと言えるでしょう。

特に注目すべきポイントは独自性です。私たち生物は一つ一つの個体がコピー不可能な独自の存在です。クリエイティビティの世界観においては他と違うことが価値のひとつになるのですから、独自性を高めるためには個人個人の身体性・精神性に根ざすことが不可欠と言えます。

よってクリエイティブな人とは自らの価値観や美意識を自覚し、それに沿って行動し続ける人と言えるのではないでしょうか。そういったものは唯一無二のオリジナルだと言えます。

子供の頃にカスタマイズ要素があるおもちゃやゲームにハマったことはありませんか。いわゆる「君だけのオリジナル〇〇を作ろう」系であったり、着せ替え人形であったり。あれこそがクリエイティビティです。ああいったものに自分なりのコンセプトを投入することが楽しめた方なら、生来のクリエイティビティを持っているはずです。

発信者のクリエイティビティ

誰もが自分の考えを発信できるようになったため、マスメディアによる統一された正義が存在しない世界となりました。書店には好きなことで生きる系の本が並び、大切なことにフォーカスするミニマリスト的な生き方が支持されています。インフルエンサーの台頭を見ても分かるように、そのような状況では「他者と違う」ことが大きな価値になります。強みを生かしたニッチな分野の専門家になり、ブルーオーシャンを独占する戦略が成立するようになってきたのです。アート思考を始めとして、クリエイティビティが注目される一番の理由はここにあります。

更に、際限なく拡大していく消費・経済への批判が高まっています。異常気象が増えてきたことを実感される方も多いのではないでしょうか。また、倫理的に問題がある活動はすぐにソーシャルメディアで糾弾されてしまいます。このような世界にあって「なぜ自分でなければならないのか、この活動は社会にとってどんな価値があるのか」を説明できなければ生き残ることが難しくなってきています。

受け手のクリエイティビティ

これだけ情報過多だと、受け手側にも自分の価値観を理解することが求められます。とても分かりやすいのが買い物で、好きな発信者に流されて物を買い、製品自体はとてもいい物だったけど、なんとなくしっくりこなくなって手放してしまった…という経験がある方も多いのではないでしょうか?それは、他の誰でもないあなたにとっては必要のない物だったということです。その製品の良し悪しを他者が判断する事はできません。ここでは買い物を例に挙げましたが、常に自分の物差しを持って行動している人は、自分の人生を自分でデザインしているクリエイティブな人と言えるのではないでしょうか。

人生100年時代におけるクリエイティビティ

さらに、寿命が伸びたことがより残酷な世界を作りつつあります。つまり、クリエイティブにならなければ幸福になれないという世界です。仮に65歳で定年だとして、それまでがんばって辛い仕事に耐えたとしても、その後35年も生き続けなければなりません。老後2000万円問題を見るまでもなく、早い段階から趣味ではないやりがいのある何かを獲得していかなければならないのは明らかです。ベストセラーとなった『LIFE SHIFT』では、人生100年時代において自分の価値観を見定めるためのエクスプローラーという人生ステージを定義しています。働く期間が長くなるので、好きなこと、得意なことを仕事にすべきだというわけです。


AI時代におけるクリエイティビティ

20年後までに人類の仕事の約50%が機械に取って代わられると予測した論文『雇用の未来ーコンピューター化によって仕事は失われるのか』の著者は、AI時代の必要スキルとしてクリエイティビティを挙げています。コンピュータに代替されにくいスキルというわけですね。確かにWebデザインや作曲をするAIも現れてきていますが、そこに「これまでにないコンセプト」はありません。

それに、もしAIがクリエイティブな仕事すら完全に奪ってしまったとしても、作りたい物を作るという創作の楽しさは失われません。クリエイティブな活動は生殖本能と結びついているとも言えます(ミーム)。根本的には、作る楽しさこそがクリエイティビティなのではないでしょうか。

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