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クリエイター目線でIKEAのゲーミングデスク「UTEPELARE ウーテスペラレ」レビュー

クリエイティブ用途にふさわしいデスクを求めてIKEAのゲーミングデスク「UTESPELARE ウーテスペラレ」を購入したのでレビューします。こちらはゲーミングブランドROGとのコラボ商品。価格の割に機能が充実しており基本的には優れたデスクですが、いくつか明確な弱点もありました。

価格について:発売時は12,990円(税込み)で、どうも2022年春ごろには14,990円に値上げしていたようですが、2022年8月現在で17,990円へ再値上げがあった様子。人気もあり、円安もあり、といったところでしょうか。あるいは初期にROGのマーケティング費が出てたのかもしれません。それでもコスパは悪くないかなと思います。

メッシュ部分がかっこいい

ぱっと見の最大の特徴として、デスクの奥20センチくらいが金属製のメッシュになっています。公式曰く、

デスクの後ろの金属製メッシュが、通気性を確保してパソコンを冷やします。

https://www.ikea.com/jp/ja/p/utespelare-gaming-desk-light-grey-50504060/

とのことで、デスク下に設置したPCの排熱に効果があるということらしいです。(ゲーミングラップトップしかないので未検証)。ただそれよりも、モニターやガジェット、飾り物などを置く場所として区別できるのが便利でした。またビジュアル的にもカッコよく、テンションを上げて作業できることができました。

ケーブルオーガナイザーが付属

メッシュ部分と手前の天板部分の間にスリットがあり、その下に柔らかい、これまたメッシュ素材のケーブルオーガナイザーがあります。ここにテーブルタップを仕込むことでデスクの下がスッキリします。こういったケーブルマネジメントに配慮したデスクはほとんど出回っておらず、価格帯を考えると驚かされます。

ちなみに窪んだ部分を前後逆に取り付けることもでき、そうすると体を当てる部分が少し凹んだ感じの擬似カーブデスクのようになります。(その場合でも細いスリットは残るので、ケーブルを垂らすことはできます)

このメッシュとケーブルマネジメントの2点で非常に優れたデスクに思えますが、実はこの2つが最大の欠点でもあります。詳しくは後述・・・。

高さ調節可能

5段階くらいで高さを設定することができます。大抵の海外性デスクは日本人にとって高すぎるので、変更できるのは嬉しい。これによって僕はフットレストを買わずに済みました。ちなみにネジ固定となり、組み立て後に気軽に変更できる感じではないのでご注意を。

天板のカラー

天板のライトグレーが絶妙な色で、落ち着いて作業に集中できる好みの色でした。こういった色のデスクも市場にほとんどなく、価格を考えると非常にこだわりを感じられる部分でした。ちなみにブラックも選べますが、ライトグレーの方が人気なようで在庫が出るまで結構待ちました。

サイズ

160センチ×80センチはデスクの中でもかなり大きい方です。余白が大きい空間があるとクリエイティビティーが刺激されて作業がはかどりました。また大きなディスプレイをおいても、十分な奥行きが確保できるので、眼精疲労を抑えることができ自然の移動も小さくなるため余計なことを気にせずに集中することができました。

と、ここまでは価格に対して非常に優れたデスクに思えますが、人によっては致命的になりうる弱点がいくつかあります。

悪かった点

モニターアームの設置場所が限られる

個人的に最も致命的だった点。奥のメッシュ部分が強度的に非常に弱いため、テーブルのフレームと重なっている左右2箇所にしかモニターアームが取り付けられません(画像の丸部分)。よってアームを使う場合、モニターを中央に配置できません。

僕が使っているLGの縦長モニターは初めからスタンドが付いておらずアームで利用する前提です。なので中央に設置できず、ちょっと変な配置になってしまっています。ただサブモニター的な位置には設置できるので、メインのモニターをスタンドで使ってサブをアームという方法ならできそうです。

裏技としてクランプ部分を分解できるアームであれば、スリット部分に通して再度組み立てることで天板に設置できないこともないです。ただそうすると奥行き60センチ程度のところにしか取り付けられません。あとは自分はやってないですが、裏側から木材か何かを噛ませればフレームがない箇所にも取り付けられるかもしれません。

いずれにせよ、モニターアームを使おうとすると一気に不自由になってしまうのが残念なところです。奥行きがあるので普通にスタンドを利用するのが無難でしょう。

ケーブルが見えないデスクを実現しづらい

便利なスリットですが奥から20センチ程度のところにあるため、大量のケーブルが流れ落ちる様子が丸見えになってしまいます。スリットを使わず奥からオーガナイザーにケーブルを入れることもできますが、それだと奥がメッシュであるが故にケーブルが透けて見えやすいし、スリットの意味がなくなってしまいます。

ケーブルを目立たせたくない場合は天板を逆向きにつけてスリットを使わないと決めてしまうのが良いでしょう。

実質の天板サイズは奥行き60cm程度で、後から80cmのスタンディングデスクにするのは不可能

奥がメッシュになっているため、普通に天板として使えるのは結局60cm程度です。最近よくある、電動スタンディングデスクの脚だけ購入して天板を差し替えるパターンがこのデスクでは難しいです。メッシュ部分はフレームと一体化しているため、180センチ× 80センチの天板を取り出す事はできません。少しでも電動スタンディングデスクに興味があるならやめておいた方が無難かなと思います。処分も大変ですし。

サイズが大きすぎる場合がある

かなりサイズが大きく、多くの人にとってはややオーバースペックかも知れません。仕事用のデスクでがっつり作業する人に向けては、最近のトレンドとして140センチ× 70センチ程度のものが多いです。それでも大抵は充分な余白が確保できるはずなので、本当にそのサイズが必要なのか、また設置場所に余裕があるのかは要確認。個人的にこのサイズが必要なのは、ウルトラワイドモニターやデュアルモニター横並び以上の人か、DTMerやイラストレーターなど、キーボードとマウスの奥に大きめのものを置きたい人かなと思います。

まとめ

デザインが素晴らしく、高さ調整やケーブルオーガナイザー、メッシュなどこの価格帯では考えられないような機能が充実したデスクです。普通に使うだけなら最高レベルであると言えるでしょう。ただ応用力が低く、デザイナーの想定した使い方を押し付けられるようなデスクとなっています。ルールに従って使うことを許容できるのであればすばらしいデスクになること間違いなしですが、自分で色々工夫したくなった途端に不自由さが目に付くようになります。

デスク環境整備に目覚めた瞬間、あなたはこのデスクを手放すこととなるでしょう。


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