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働き方と組織の多様性が、クリエイティビティを高める?~クリエイティブエイジェンシー「Y+L Projects」代表に聞いた自由な環境の重要性~

こんにちは!PRのフルタです。

今回の「喫茶プラモ」は初の試みとなるPRMOメンバー以外の方へお話を伺ってきました。

インタビューを受けてくださったのは、
昨年2021年にPRMOが一緒にお仕事をさせていただいたクリエイティブ・エイジェンシー「Y+L Projects」を経営される玉田さんです。
PRMOの共同代表の1人、有村はラーメン仲間/いきなり電話をする仲でもあるとか👀

海外経験やマーケティング、クリエイティブに関してさまざまな経験をお持ちの玉田さん。

そんな玉田さんに、そもそもなぜPRMOと協業することになったのか、ご自身の会社である「Y+L Projects」について、そして働き方や組織に対する価値観についてお話を伺ってきました!

ご興味のある方はぜひ最後までご一読ください^^

【玉田さんプロフィール】
大学時代、アメリカ留学生活の中でみたテレビ広告をきっかけに、広告業界に就職。業界内で転職、そしてフリーランスの経験を経て、2019年6月に「Y+L Projects」という会社をオーストラリア人パートナーと設立。
現在は、国内外問わず、「Y+L Projects」で経営者・プロデューサーとしてインターナショナルに活躍中。

PRMOと仕事するきっかけ ~実は〇〇が似ていた~

フ:PRMOとはどういったきっかけでお仕事するようになったのでしょうか?

タ:最初Wantedlyを使って制作会社さんをいろいろ探していたんですよ。
そこでPRMOさんを見つけてお話してみたら、働き方とかが結構似ていて意気投合しました。(笑)
とあるお酒系のクライアントで、ブランドにマッチしたデザイナーでキャンペーンの数字を上げられてスピーディーに動ける人材を探していて、そういう部分で良い人が紹介できるとPRMOさんからお話いただき、プロジェクトが立ち上がりました。

フ:なるほど。働き方で似ていると感じた部分はどのようなところでしたか?。

タ:みんな国内外問わず、色々な場所で働いています。パフォーマンスさえ担保してもらってちゃんと結果を残せるのであれば、南国の島で働いても全然良いと思うんですよ。

フ:確かに、PRMOと働き方の考え方が似ているかもしれませんね。
玉田さんは、自由度の高い組織において大切にしていることなどありますか??

タ:自由度を担保するためにも、1つだけ「これだけはやっていこう」みたいなものがあって、
それは僕たちにとっての「三方よし」みたいなものです。
※「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という考え方

①クライアント
クライアントのために良い仕事をし、可能な限り最高の結果を出す

②チーム
チームのために良い仕事をし、サポートされていることを実感してもらって、公平に扱われて、クリエイティブが発揮できる環境づくりをする。

③社会
良いビジネスを行い、社会に還元していく

この3つさえ頭に入れて働いてくれるのであれば、どこでどのように仕事しても良いっていうことは言っています。

「Y+L Projects」って?

フ:どのような経緯でクリエイティブエイジェンシーY+L Projectsを始められたのでしょうか?

タ:フリーランスとしてデジタルプロデューサーやデジタルマーケターという立ち位置で仕事をしていた時に、「Y+L Projects」創業のパートナーでもあるオーストラリア人のルーシーと出会いました。
出会った時はお互いフリーランスで、当時彼女と一緒に仕事をしていく中で彼女のネイティブ的な視点にとても共感する部分を感じていました。
そして気づいたら一緒にシェアできる仕事も多くなっていたんですよ。
その結果、会社を作った方が面白い化学反応が生まれるんじゃないかという想いから、「Y&L Project」が始まりました。日本人と外国人のCo founders って中々日本でいないので(笑)

フ:具体的にどのようなことをされている会社なのでしょうか?

タ:具体的には
・コミュニケーション・ストラテジー
・ブランド・デザイン
・プロダクション
・デジタル・マーケティング
・デジタル・デザイン
といった領域を軸に、仕事をしている会社です。
企業やブランドの抱えるさまざまな課題に対して、それぞれにあったアプローチ方法で解決策を提案しています。

フ:海外の方と「Y+L Projects」を始められたとのことですが、そういったインターナショナルな環境の中で、どういった価値観が軸になっているのでしょうか?

タ:私「Yoichiro」と「Lucy」のプロジェクトがかけ合わさった会社というコア・アイデンティティが軸になっているのですが、
そのプロジェクトごとに色んな人と色んな関わり方で遂行しているので、
チームのメンバーを先方のニーズに合わせてアサインするという体制が整っていると思います。
こういった、メンバーとの関わり方もPRMOさんと似ている部分だと感じています。

フ:確かに、メンバーとの関わり方も似ているかもしれません。

タ:以前、とあるクリエイティブエイジェンシーで働いた時に、チームの関わり方について思うことがありました。それは、正社員として人を雇うとどうしても、そのプロジェクトのためというより、チームにプロジェクトを振ることが目的となってしまうということです。世の中には、化粧品のブランド、お酒のブランド、不動産の会社、ファイナンスの会社など多くあるわけで、本来ならそのプロジェクトに合わせたチームを選ぶ必要があると思います。それによって、アウトプットの質も変わってくると思うんです。
なので「Y+L Projects」では、プロジェクトごとに柔軟にメンバーをアサインして、プロジェクトにあったチームビルディングができるようにと考えています。
今後も、多様性を尊重する組織として、国籍や文化を超えて様々な人々と仕事をしていきたいと考えています。

フ:海外の方がメンバーにいらっしゃるということは、海外の案件なども受注することがあるのでしょうか?

タ:そうですね。海外ブランドを日本へローカライズする際のブランディングやお手伝いなどもしています。最近では、Backbone One というアメリカに拠点を置く、 iPhone用のゲーミングデバイスを販売している企業のクリエイティブ開発とマーケティングを担当しました。

Backbone One

日本のブランドをどんどん海外に羽ばたかせていきたいっていうのと、海外のブランドが日本に来る際の手伝いができればと思っています。
そしてそのために、色んな人の知見を入れる必要があると考えています。

フ:「Y+L Projects」は様々な人の知見や価値観を尊重しているからこそ、国内外問わず、様々なお仕事が可能になるのですね。

“クリエイティブ”との出会い

フ:クリエイティブエイジェンシーである「Y+L Project」を経営されていますが、まずはどういった経緯で広告・クリエイティブ系の会社をやろうと思ったのでしょうか?

タ:まず、僕のバックグラウンド的な話をすると…
アメリカのポートランドという都市がある、オレゴン州のオレゴン大学というところに大学の奨学金で留学させてもらっていたんです。2013年ですね。その時に日本のテレビCMとアメリカのテレビCMの違いに驚きました。日本はタレント起用に重点を置く傾向がある一方で、アメリカや海外はもっとアイデアで印象に与えるということに重点を置いていると感じました。
例えば某ファストフードチェーンが強豪をうまくディスるみたいな。(笑)
この体験を受けて、広告業界に興味を持ちました。
帰国してからも、やはり広告業界に興味があったので、就職先は広告業界を選んだんですよー。

フ:新卒で就職された会社はどのような会社だったのでしょうか?

タ:新卒の時は、デジタル系のネット広告が注目されていたこともあり、Web系の広告代理店に入りました。そこは、アメリカで体験したクリエイティブな広告とは異なって、パフォーマンス重視の広告代理店でした。
要は、クライアント側の予算に対してどれくらい数字的な結果を残せるのかという部分にフォーカスする仕事でした。
その会社では、デジタルマーケティングの「SP(セールス・プロモーション)」を中心に学んで2年間勤めた後に、もう少し右脳を使ったクリエイティブなことができる広告会社に入りたいと思い、転職しました。

フ:そうだったのですね。2つ目の会社はどのようなところでしたか?

タ:2つ目の会社は、原宿にあるUltra Super New というクリエイティブエージェンシーで、考え方とかブレストの仕方が1つ目の会社とは全く異なりました。
その会社は「どうしたら最終的にそのプロダクトやサービスを受け取る人が喜んでくれるか、ファンになってくれるか」という部分や、「どうしたらブランドの価値を中長期的に上げていけるか」といった部分にフォーカスを置いていて、そういった部分を軸にブレストしたりアイデアを出したりしていました。

フ:そうなんですね。その転職先の会社さんには心持ち海外志向な印象をもちました。

タ:実際、めちゃくちゃインターナショナルな環境でした。6割ぐらい海外の方という感じだったんですよ。クライアントも様々で、幅広い企業やブランドとの仕事もあり、刺激的な会社だったと思います。
クリエイティブディレクターがフランス人だったんですよ。
そういった国際的で面白い環境が今の価値観にも影響していると感じています。

フ:2つの違った考え方の会社に勤めてみて、玉田さん的な気づきなどありましたか?

タ:1つ目の会社のような「パフォーマンス重視/左脳派」という考え方も、2つ目の会社のような「クリエイティブ重視/右脳派」という考え方もどちらも重要で、2つの考え方がそれぞれで補える部分があるのではないかと考えるようになりました。
現在では、数字的な話とクリエイティブな話両方できるという点が強みになっています。

“プロジェクトディレクター/デザイナー”として、アイデアを形に

フ:今はどのような立ち位置でお仕事をされているのしょうか?

タ:僕の立ち位置は、少し定義が難しくて...
もともとマーケティングをしていたので、「マーケター」と呼ばれることもあれば、プロジェクト全体の進行を担う「プロデューサー」的な立ち位置で仕事する時もあります。
または、クライアントとなる企業のコア・アイデンティティを考えるコンサル的な立ち位置もあったりします。時に、「自分はこのプロジェクトで何をやっているのか」という定義が難しくなることもあるんですよ。
でも最近は、プロジェクトディレクション/デザインの方が自分に合っている気がしています。
プロジェクトの進行役である立ち位置で誰をどこに置くかを考える立ち位置の方が、色んな人の意見を聞いたりまとめたりすることができる、つまり会社のDNAでもある多様性を尊重するみたいな部分にも繋がると思っています。
素晴らしいチームメイトを揃えてたまに少し助言をするみたいな。

フ:そういったプロジェクトディレクション/デザインをする立ち位置は、今までの経験が影響していたり...?

タ:それもありますし、「なりたい」という願望の部分もあると思います。
この歳で「CD: クリエイティブディレクター」と名乗りたくないというのは自分の中であって…(笑)
業界的にとても優秀なクリエイティブディレクターの方もいます。その人たちを自分たちのチームに入れて、そういった人の意見を聞いたり活用できるチームをもっと作っていきたいというのが、30代になってからのキャリアで大事にしたい部分です。
多様化している社会の中で「マーケティング」というフレームワークだけに囚われていると、結構どの戦略も似たり寄ったりな提案になってしまうと思うんです。
現在は会社や組織の形態や顧客となる人々の生活もかなり変わってきています。だからマーケティングだけじゃなくて、クリエイティブも取り入れていかないと、「愛されるブランド」になることは難しいと感じています。
クリエイティブはワークフレームがあるわけではなく、色んな人の意見を取り入れてそれをうまくプロデュースできる能力が必要になると考えています。
無限に出てくるアイディアの点と点をつなげて形にするということは重要だと感じます。

今後について

フ:今後の目標や野望などございますか?

タ:日本にとどまらず、海外にブランチとか持ちたいです。
今後は海外のクリエイティブエイジェンシーや、グラフィックデザイナー、面白いテクノロジストとどんどん繋がって、どんどんコミュニティを拡大していきたいと考えています。
そのための取り組みの一環として、YLのジャーナルの投稿があります。
今もいくつか温めている記事があるのでお楽しみに…!

フ:本日はありがとうございました!
日本国内にとどまらない、「Y+L Projects」の今後のご活躍を楽しみにしております!


~おまけ~

ターニングポイント

フ:会社経営を通して、何かターニングポイントなどはありましたか?

タ:今3期目で、今年の6月に4期目に入ります。
会社を始めたのが2019年の6月とかだったかな。もともと僕もルーシーもそれぞれのクライアントを持っていて、ありがたいことに仕事探しに困ることはなかったんですが、小さめの仕事が多かったんです。ただ、しっかりそれをこなして、YLクオリティだ!って言われるように頑張ろうって2年ぐらいやってきたんです。そうしてある程度ポートフォリオが溜まってきた段階で、去年、Webサイトを大きくリブランディングしたんです。

それまで、SquareSpace / WIX のようなツールで作ったサイトを使っていた頃は、小さめの単発の案件などを多く受注していました。ですがWebサイトをリブランディング後は、ナショナルクライアントからお声をかけていただくことが増えて、パフォーマンス的な部分だけではなく、事業戦略を絡めたクリエイティブ開発も一緒にしてもらえないかとか、中長期で一緒にお取り組みさせていただける継続案件とか大きめの案件が増えました。

Webサイトを変えた時、CSSデザインアワードやAwwwardsの賞なども受賞しました。それがきっかけで海外のクリエイターなどから問い合わせが来たりもするようになりましたね。


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