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【えもんちゅ#01】「広報のあり方って、誰かが何かやらない限り絶対変わらないんです」 #PRLT主催 吉田ハルカ

こんにちは!たびちんです。#PRLT 広報LT大会では私は、今でこそ運営メンバーの一員ではありますが、最初はただの参加者でした。その、はじめて参加する時に思っていたのは、「conpassのページには軽く自己紹介が書いてあるけど、どんな人達が運営チームにいるんだろう?」ということ。一人で参加しようと思っていましたが、一方でとても不安だったんです。

イベントに参加する前も後も、どういった思いで運営されているか、どういう人達がいるかがわかるだけで安心すると思うんです。2倍3倍そのイベントが面白くなるし、参加する意味付けもよりできるのではないか、と思っています。ということで、インタビュー企画を始めました!題して「えもんちゅ」、PRLTまわりのエモい人々の話を聞いていこうという企画です。

今回は、#PRLT 主催の吉田ハルカ氏に、馬肉を食べながら、#PRLTのこと、そして広報という仕事についてのエモい話、聞いてみました!

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若旅: 今日はよろしくお願いします!早速過ぎて恐縮なんですけども、吉田さんって最初から職種は広報だったんです?

吉田: そうですそうです。新卒で入った会社の初代広報になりました。新米ながらガムシャラに仕事していたんですけど、母が危篤になったということもあって辞めたんです。そこからフリーランスになって。

若旅:え!フリーランスになるのってドキドキじゃないですか?Webデザイナー周りの話とかでもフリーランスになる人、結構勇気を持ってなってる印象があります。

吉田: そりゃドキドキしましたよ(笑)でも、家族のこともあったのでやるしかなかった。そしたら、週1でいいからおいでよ、とか結構声をかけてもらえて。会社員の時より収入は上がりましたね。

でも、フリーランスとして仕事を受けると極論スキルの切り売りになりがちで。たかが当時24歳のまだ1社しか経験がない自分では貢献できるところがとても小さくて。今はそれでも良いかもしれないけど、今後を考えたらマズいなと。もう一度しっかり会社の中に入って、広報という仕事を極めようと思いました。そんなタイミングで、前職を先に辞めた同期から「今いる会社めちゃめちゃ良いし、広報探してるみたいだよ」と声をかけられて、レバレジーズの選考を受けました。

若旅: わーーーー良い話。

吉田: 一番最初の面接で今の私の上司(現:執行役員)が出てきたんです。当時は新規事業の事業部長で、話しを聞いたら同い年なんですよ。でも驚くほど優秀で。世の中にこんなすごい同い年がいたんだって、良い意味でショックを受けました。その面接で自信を砕かれたんです。それで、彼をはじめ優秀な人たちがいるレバレジーズで自分を鍛えたいと思うようになりました。

若旅: なるほど、素敵な面接だったんですね。

吉田: でも入って「違ったかな」って思ったときもあったんですよね。

若旅: え!

吉田: 理由は色々あって。 ひとつはWebマーケが強い会社だったこと。ある程度規模は大きかったのですが、入社のタイミングで初めてちゃんと「広報」という職業が社内に誕生したので、広報の立ち位置が……(苦笑) 新聞に掲載されると、「で、流入は?」みたいな。

若旅: わああ!

吉田: 数値化できないと何も話しにならなそうで。でも広報の成果を証明できる数字って、出すのとても難しいですよね。社内勉強会等を開催して広報業務について発信したけど、共通言語として数字はある程必要だし。私は何をもって会社や事業に貢献できていると示すんだろう……。ここからお恥ずかしながら「PR・広報って何なんだろう」と自問自答するようになりました。

ふたつめは、エンジニアの理解に苦戦したこと。最初は新規事業部に配属されて、エンジニアをターゲットとした広報活動がメインの業務になりました。でもPythonをパイソンと読めないような人がエンジニア向けのイベントなんて企画できなくて。エンジニアのコミュニティに参加しても、会話も続かなくて。もともと大学時代にプログラミングに苦手意識を持ってしまっていたので「もう嫌ァァ!」みたいな感じになっちゃって。

若旅: うわああ(笑)

吉田: そんな心折れそうな時に、DevRel(Developer Relations)として活動している部署の先輩が、エンジニアの気持ちがわかるように、LT大会も広報でやればいいじゃんって言ってくれて。それで自分で企画色々練って、PRLTが生まれました。そこからおそらさん(山川空さん)とも一緒にやってきて今に至ります。

若旅: わ、そんなきっかけだったんですね!おそらさんとはどこで出会ったんです?

吉田: 「平成広報女子会」というFacebookグループがあって、そこに、当時サイボウズの広報だったおそらさんがいたんです。私自身、IT業界に来たてだったので、これは会わなきゃとランチしたいですと声をかけて。その時すでに広報LT大会の構想があったので伝えたら、初回でLT発表者として出てくれて、その次から運営として心強くサポートしてくれています。

若旅: おそらさん、インプット量もめちゃめちゃ多いし、ほんとすごいですよね。私も、周りの環境でこれだけ勉強してる人って見たことないぐらいで、さらにディスカッションをできる人っていうのはなかなかいなかった。 さらにおそらさんが持ってるアンテナと吉田さんが持ってるアンテナを掛け合わせると凄いなと思っています。

吉田: 私が思ってることをおそらさんは引き出してくれるんですよ。なのですごいバランスがいい。ゴールキーパーみたいなところもある。いまPRLTは"経営"に課題意識を持っているんですが、財務周りも興味あるからやるよ、と言ってくれて。辿る経路は違うけど目指している方向が一緒というか。私おそらさんがいないと多分今こういう風に活動してないです。

若旅: 本当に素敵。お二人とも見識も広いし色々掘り下げてもいるし本当に凄いなって。それだけじゃなく、PRLTで同じ広報担当の人達に会えて、現場の生の情報聞けるってなかなかないと思うんですよ。 

実は前に他社の大企業にいた広報の先輩から、すごく広報できる人たちは情報公開しないっていうのを聞いたことがあって。それだともったいないなって個人的には思うんです。社会に求められて会社があって、広報の力ってその社会の中にある意味を強められる職業だと思っています。それをみんなで考えられる場所ってあったらいいなって思っていて。散発的でもいいからナレッジを共有することで議論を巻き起こすPRLTってとっても良いと思ってるんです。

吉田: そう。LTに正解を求めてるわけじゃないんですよね。

若旅: 別に間違ってても良くて。でも広報って会社特有のものだから、それぞれのケースだからって、内にこもっておこう、リスク取らないでおこうっていうのは、もったいないって感じます。

吉田: そうそう。広報って例えば"広報ブログ"は書いてるけど会社のことだけなんですよね。そういう身内話とか自慢話じゃなくて、大事なのは社長が、サービスが、社員が目指すものを実現するために何をしてどう動いたかで、それに「いいね」がつくんだよって。

若旅: 読者としては、心の底からどう思ってるか知りたいし、もっと共感したいって思いますもんね。

吉田: 広報業務は最悪株価等にも影響する可能性があるから「失敗できない」って思いが強いとは思います。でもそこで立ち止まってしまったり、「人脈!」みたいな上辺の付き合いしかしないのはとても嫌なんです。サクッと記者さんを紹介しただけで終わっちゃった人もいて、悲しい。あなたの意思はどこにいっちゃったの?みたいな。

若旅:うわー。それはつらい。

吉田:広報の方から悩みを聞いていると、会社の中でのミッションを尋ねても出てこなかったりするんですよ。でもそれは社長と広報が互いに歩み寄りきれていないのが元凶なんじゃないかなって。上から言われないと目標が立てれないって、学生じゃないんだから、みたいな。じゃあなんで給料もらってるのか、って話になるじゃないですか。社長が自分を広報担当として任命した何かしらの意図がある。対話して一緒にそれを言語化していく作業をすっ飛ばして、いきなりメディア掲載だとかブログとかになっちゃってるから辛いんですよね。

若旅:確かに……!

吉田:元々フリーランスだったからこそ、会社員ってお金もらいながら失敗できるのが最大のメリットだと思っています。なのに、社長や事業部長と話すしかり、新しいことやってみるしかり、なんで挑戦すらしないんだろうって。社外の広報に相談して、聞いて満足しちゃって何もやらないのってどうなんでしょう。だからPRLTでは、聞いたことをメモするんじゃなくて、聞いたことの中で、明日できることをメモしてくださいって言ってるんです。

若旅: なるほど。すごい腑に落ちました今。

吉田: 同じように、広報がんばりたいって相談をベンチャーやスタートアップの社長からもいただきます。経営者という超多忙な人が声をかけてきて時間を捻出されて。にも関わらず、そこでこうしましょうって言ったことをやらない方もいらっしゃいます。あれ?広報に問題意識あったんですよね?って。

若旅: 話聞いてるのに何もやらないって、あなたの時間も私の時間も無駄にしてませんか?ってことですよね。

吉田: そもそも広報≒無料の広告媒体になっっていて、結論お金払うからやって、みたいになることがあります。

若旅: えー!そうなんですか。無料の広告媒体って言うんだったら経営者の方にビジョン語り尽くしていただくのも一つですよね。広報担当立てるまでもなく。

吉田: そう、PR活動ってやろうと思えば誰でもできるじゃないですか。興味はあるのにやろうとしない(できない)。ここに広報業界として問題がありそうですよね。先程の経営者からの目線もそうですし、「キラキラ広報」「モンスター広報」みたいな悪目立ちもそうですけど、広報のあり方って、誰かが何かやらない限り絶対変わらないんです。だからこそ、誰もやらないんだったら私がやらねば、と思ってます。広報業界どうにかしたいっていうのは、結局自分のためなんです。米国くらい広報・PRへの理解が進んだらもっと仕事しやすくなって、もっと面白い挑戦ができるから。

若旅: そうですね…かっこいい!今後のPRLTも、ぜひ盛り上げていきましょう。今日は、ありがとうございました!

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実はこんな感じで、PRLTのメンバーってエモい方=えもんちゅが多いんです。今後も運営メンバーを中心に、LTしていただいた方、よくお越しいただいている方など、色々な方のエモをご紹介できたらと思っています。

吉田ハルカと直接会ってお話してみたくなったそこのアナタ!2018年4月24日に13回目のPRLTがfreeeさんにて開催されます。『本から学んだ広報ナレッジをシェアする広報LT大会#13@freee』 アツいLTとおいしいごはんとお酒、そして吉田ハルカをご用意しています。よかったらぜひぜひ来てくださいね。5月以降の開催情報などは、こちらで順次公開していきます。 

またお会いしましょう、たびちんでした!


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