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大笑いする巨人

このお話は、私がまだ自分のことをどこから来た何者なのかということの整理がついていなくて、探して、その証を求めていた頃のお話です。

もう随分と前のこと。軽四に荷物を積んで家を出て、ひとり旅をしていた頃のお話です。

突然の流れで、とあるセラピーの分野の神様と呼ばれていた人との出会いがあり、その一番弟子さんも一緒になって少しの間だけ共に活動していた時期がありました。一番弟子さんのパートナーであるアーティストと四人でのユニットを作ったというか、各々が何かしらの得意分野を持ち寄って成り立っていて、ひとつのグループとして活動していたのです。それは全く上下関係など無い、そして自由な場所でした。

その始まりの頃に、急に高野山に行くことになって、車一台に乗り込み3人で一緒に関東から旅に出かけたことがありました。アーティストの方だけを残して。とある珍しい行事があったのです。

山に近寄っていくほどに、段々と何かの気配が濃くなっていきます。山道を進み深くなってきたなぁと思った時、途端に私は大きな大きな声を聞いたのです。それは笑い声。ですがそれを聞いていたのは私だけのようでした。他の二人はそれぞれ感知の仕方が違っていましたが、潜在意識についてや瞑想指導のプロでしたので、その気配を確かに受け取っていました。私たち3人は一台の車でゆっくりと山道をくねくねと登りながら、目を開けたままの状態で少しずつ変性意識へと入っていったのです。

「わぁっはっはっはーっ」

その大声にビックリして車から外を見ると、大きな大きな足のようなものが見えました。山の上に立っている巨大な両足のようなものが見えます。大きいはずの山が、まるで公園の中にあるようなひとつの小山に見えます。それをもっとよく見ようと、窓から顔を出して上の方を高く見上げたと思っていた私は、実際は車の中に座ったまま居て、そのまま外の風景が広く見えていました。そういう状態でした。瞑想に慣れている人はわかると思います。

それは大きな大きな人で、僧侶というよりは、豪快でちょっと枠を外しているようなヤバいと思えるようなおじさん風の存在感でした。その人はその山全体を包み込んでいるような感じで、人のカタチをしているようで、していない、カタチの周囲は薄いのですが、存在が濃くて、一人の人間という感じでは無くてひとつの宇宙とか、ひとつの世界というような感じがするものがそこにあるという感じでした。それ以上のことはその頃の自分にはわかっていませんでした。山の上の私達の目的の場所に近付くにつれ、その大きな存在感の腹の中に私達がどんどん入っていくというような感じがしていました。

周囲一帯を包んでいる霧のようなものに、私達が車ごと包まれていくというか。私達は、この先に何が起ころうと、その旅がすべて万事OKで進んでいくだろうことを予感していました。

それが何だったのかは後々になってわかっていくことになるのですが。このメンバーの劇的な事件のあれこれはまた別の機会にひとつずつお話ししましょう。

この時を機会に、それ以後の私はまるで別人のように変わっていくことになったのです。彼らとの出会いは私にとって、それ以後の人生にとってとても大きなものになりました。これは空にある木星が蠍座に入っていた時期の出来事です。何かと、誰かと、より深く関わることで変容を起こすということがテーマとなっていました。本格的に東京へと向う直前の約一年間の変容期となりました。

それは例えば2006年。これを読んでくださっているあなたにも何かあったかもしれません。よかったら振り返って思い出してみてください。



ほんの少しだけ占星術の話。例えば、2020年の6月現在は木星は山羊座26度前後というところにあります。木星は約一年の間ひとつの星座に滞在します。星座(サイン)は12ありますので、約12年をかけてひとつの円を一週することになります。牡羊座・牡牛座・双子座・蟹座・獅子座・乙女座・天秤座・蠍座・射手座・山羊座・水瓶座・魚座で12の星座になります。2020年の12/19には木星は山羊座から水瓶座という風の星座(サイン)へと移動します。

写真と文 sanae mizuno

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