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【プリズンライターズ】悪徳刑務官の存在と実態

 私は大分刑務所に無期懲役刑で20年近く服役する者で、これまで雑多な刑務官と接してきたが、悪徳刑務官の不当な公権力の行使によって、私を含めた受刑者が虐げられている実態を公表すべきと判断し、ペンを取った次第である。
 
 その悪徳刑務官が第一志望で刑務官になったのかは不明だが、公務員試験に合格し刑務官となり、受刑者の人生(一生)を左右し得る絶大な公権力(裁量)を与えられ、自由に行使できるものと勘違いしているのか個人的に気に食わない受刑者を懲らしめるためだけに公私混同し、不当な処遇を行う悪徳刑務官が癌細胞のように紛れ込み実在している。

 
 20年程前に名古屋刑務所で受刑者が刑務官に殺された事件が起きて明るみに出たことで、旧監獄法が見直されるきっかけになったのではなかったかと思うが、現行法(刑事収容施設法)に改正されて悪徳刑務官の勘違いが改められたのかというと何も変わっていない。
 
 先日(令和4年12月10日)の全国紙に、名古屋刑務所の22名の刑務官によって3名の受刑者に暴行を繰り返していたという記事が出ていたことからも、悪徳刑務官の意識(勘違い)が何も変わっていない証左と言えよう。
 
 私達受刑者が刑法に触れる行為をしてしまい、刑事罰として刑務所に収容されていることは確かで、自由が制限され強制労働が科されるのは自業自得で甘んじるほかないが、悪徳刑務官から個人的に気に食わないからと差別的な処遇(私的制裁)で懲らしめられることは、刑事罰(懲役刑)とはまったくの別問題であって罷り通されて良いものではなく、勘違いも甚だしいというほかない。
 
 刑務所という場所は、懲役刑に服させると同時に受刑者を更生させ、社会復帰させるための施設だと多くの者が思い込んでいるかも知れないが、高い再犯率が続いていることを見れば明らかなように、刑務所は勿論、法務省ですら、本気で受刑者を更生させるつもりが有るとは思えない。
 近年、各犯罪別の教育に多少力を入れてきたように見えるが、それは世間体を気にしての建て前に過ぎず、取り組んでますよというポーズでしかない。教育を受けている受刑者が皆「意味がない。」と声を揃えるのだから間違いない。結果として、再犯率低下や更生という観点からは法務省側の思惑からは掛け離れているというのが実状なのである。

 本来、受刑者が更生したいと前向きになれるように、手助けをすべき立場の刑務官が個人的な私情を公務に混同して、受刑者の足元をすくう行為が、許される訳がなく、受刑者が長い年月を掛けて、こつこつと積み重ねてきた多くのものを何の考慮もなしに軽々しく台無しにされてしまえば、心が折れ気力を失なうのは当然で、もう一度最初からやり直そうという意欲を持つには膨大なエネルギーが必要で、簡単に立ち直れるものではない。刑務所で真面目に努力することが無駄になるなら、とても前向きな考えは持てず、もう悪い方向にしか進めず、気持ちの弱い者は自殺して楽になることしか見出せないというのが、悪徳刑務官によって引き起こされる実状なのである。
 
 一般社会であれば常識的な行為も刑務所では反則行為として懲罰が科され、多大な不利益を受ける厳しい遵守事項が規定されており、受刑者はかなり行動が制限されているのに対し、悪徳刑務官が明らかに公務員法、倫理法、服務規定に反する不当な処遇を行っていても、公に立証することが非常に困難であるため、幹部職員は黙認しているというのが実状なのだが、このまま放置していて良い訳がなく、受刑者が自ら更生したいと思える刑務所を実現させるためには、全国の刑務所の受刑者と一般社会で生活する人たちの力が不可欠であり、是非、協力をお願いしたい。
 
 世間体を気にした建て前の教育ではなく、刑務所処遇の改善及び、悪徳刑務官の不当な処遇に対する適切な対処こそ、受刑者の更生と再犯率の低下に直結する本命であり、延いては一般社会の治安を守ることにも直結する事実を重く受けとめて頂きたい。
景気が改善されなければ治安が悪化するであろうことは、考えるまでもないことだが、不安定な現在であるからこそ、犯罪者(受刑者)を処遇する刑務所の改善が最重要の課題ではないだろうか。


 20年近い受刑生活で、全国の刑務所には大きな勘違いをした悪徳刑務官が少なからず存在し、受刑者を不当に虐げている事実を身を以って知り、多くの受刑者のためにも是正しようと、法で定められた不服の申立て「刑事施設の長に対する苦情の申し出」「強制管区長に対する審査の申請」「法務大臣に対する再審査の申請」「監督官に対する苦情の申し出」と、刑事施設視察委員会の面接などを嫌になる程繰り返し行ってきたが、受刑者のために機能していない形式的なもので無意味だと悟り、司法の場で解決させようと令和元年9月23日の提訴を初回とする国家賠償請求および処分の取り消し請求を合わせて、一審だけで計9回の提訴をし、悪徳刑務官の不当な処遇の存在を公に知らしめ改善させる切っかけになればと、凄まじいエネルギーと時間、そして刑務作業で溜まっていた作業報奨金の数十万円ほぼ全てを掛けて争ってきたが、弁護士費用を捻出できない独学の個人訴訟のため、不本意ながら、思わしい成果は上がっていない。
 
 1日でも早い出所を目指す多くの受刑者は理不尽で不当な処遇を受けても、泣き寝入りするのが通常となってしまっており、国(刑務所)を敵に回したくないと考えるのは当然で仕方ないことだと理解できるが、そんな受刑者の弱みに付け込み不当な処遇を繰り返す悪徳刑務官をのさばらせたまま放置していては、全国の刑務所の受刑者は勿論、結果的に一般社会や国にとっても悪影響が及ぶのは前記した通りで、現在も一審と二審の2件で闘争中であり、是正されるまで闘い続ける覚悟でいるが、元手となる資金が十分ではないのでたくさんの人たちからの寄付をお願いしたい。弁護士費用が捻出できれば、状況も大きく変化すると思えるので、お願いする。
そして、より多くの意見をお願いする。


【PRISON WRITERS】投稿へのサポートに関して/ 心が動いた投稿にサポートして頂けると有り難いです。お預かりしたお金は受刑者本人に届けます。受刑者は、工場作業で受け取る僅かな報奨金の1/2を日用品の購入に充てています。衣食住が保障されているとはいえ、大変励みになります。