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【プリズンライターズ】“謝罪”と“償い”とは誰の為か

初投稿で文章足らずになっていたことを二度目と今回で改めて書かさせて頂きたくペンを進めます。受刑生活で犯罪思考と暴力団思考等を改めて、自分の罪過を日々観つめ、その償い方を悩み続けてきました。受刑生活をしていることで、罪過を償っていることも確かですが、それは、社会ルールを無視して事件を起こし、多くの方がたにご迷惑をおかけした事による、社会からの隔離期間であり、自分の犯罪思考暴力団的思考等を改め、社会から来て社会に戻ってゆく以上、たとえ社会で通用する一般常識モラルを身につけられたからといって、受刑生活終了で償いを終了したとは決して考えていません。むしろ、自分で決めた本当の本物の償いは、社会復帰後にやっとスタートラインに立つことができると確信しています。

 そして、初投稿の繰り返しになりますが、自分の勝手でご遺族との接点を願うので、今でもどのようにすればいいのかと、悩んでいます。今のところはその身勝手な行動は、社会復帰後、自分の生活リズムを構築して三年間で一つの区切りとさせて頂くことが、ベストと考えています。その三年間で月命日にお供物とお手紙を送らせて頂き、三年目の命日に一度だけ、ご遺族宅をお訪ねさせて頂く旨をお伝えしますが、その時のことを今、考えても怖ろしいです。そして、自分がお尋ねした際のご遺族の対応は、一、玄関払い、二、玄関での対応、三、家に上げさせていただき、自分で仏壇に香典とお供物をお供えして、線香と手を合わさせて頂ける。今はこの三つしか思いつきませんが、ここで大事なことは、対応が一と二であれば僕の三年間の身勝手な行動で、ご遺族の方を更に辛く、苦しい思いをさせていたことが明白ですので一つの区切りとさせて頂きます。

 そして、三の場合でしたら、その後さらに二年間の謝罪の意志をお伝えさせて頂けるよう願えたらと考えています。又、一、二、三のどちらであっても自分の身勝手な行動は一つの区切りと考え、その後は被害者への償いという僕のこだわりになります。その点は、どの様な社会貢献が僕にできるか、だと思っています。

 その頃になれば生活リズムと構築してメンタル的な余裕もあると思うので、僕のような者でも、底辺でガンバっている子ども達の何かしらのお役に立たさせて頂けることができないものか、と常に観つめています。金銭的な事は無理があるので、今考えているのが、“食品ロス”をうまく利用させて頂く活動を二〇年前からアレコレと観つめています。二〇数年前の新聞記事で、外国の数学者が、日本のすべての浪費を計算したところ、一日で二兆円になったそうです。一日に二兆円ですよ。その統計が、どの様なものなのか知りませんが、その半分の半分でもケタの大きさに現実味が感じません。だけど、TV等にもよく出ていた有名な数学者だったと記憶しています。

 先日の新聞では、“食品ロス”が企業や飲食店、地域の努力で数年前の半分になっている棟の記事が載っていて、それでも約四五〇憶です。食品ロスが半分になった事実にコロナ禍の影響が大だと素人的にも観てとれますが、それでも、とんでもないケタの浪費と食品ロスの数字が事実でしたら、アイデアをもって、そこに入り込めるすき間があると確信しています。なぜなら、将来を担い必ず消費者となる子ども達への活動となるからです。ですが、今は立場上、情報に乏しく、前述のケタ違いの数字がどのように改善されているかさえ知りませんので、その辺の事はやはり、社会復帰後にリアルタイムで自分の眼で確認しない限り、今の思考実験と憶測の域を出ない事にではどうにもなりません。しかし“夢は大きく、根は深く”は大切ですよ、皆さん!

 そして大切なことは、これまで書いてきた事は決して人様の為という、おそれおおい事ではないです。卑しくも自分のために人様のお役に立たさせて頂けたらという純粋な気持ちからの自分の喜びで、その心は、自分の過去の負い目を少しでも和らげさせて頂けたらという償いに繋がるというものです。

 自分のような者の行動でも人様が喜んで頂けている。そこに自分の喜びも存在しています。単純にそれだけのことです。僕の場合は、過去の罪過という負い目ですが、普通一般でいう、親孝行、ボランティア活動が、なぜ生じさせられるのか?という本能的な所まで観つめましたら、又、ちがう世界観も観えてくるのかも知れません。僕は、法治社会において、暴力団的思考による低次行動において尊い命を奪った事実と、多くの方の人生を狂わせてしまった事実、それは、どのようにしても文章表現で謝罪する事など不可能ですし、簡単に償い切れるものではありません。だとしたら、それはもう自分との戦いであり、自分で決めたケジメを一つ一つ達成に近づけるということしかないと考えています。社会復帰後、様々な方々のお力添えをいただきながら、被害者への償いを少しずつでも形にできる様に励む!そこに自分の負い目を和らげる謝罪と償いがあると信じています。今日はこの辺で失礼させていただきます。

A273さんの過去の投稿 :
【刑務所からの手紙】〝ヤクザとカタギ〟の生き方
【刑務所からの手紙】なぜ、立ち直りたいのか?


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