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06.皮膚が「色」をキャッチする!?



目次

  1. ■「赤い部屋と青い部屋」で何が起きた?

  2. ■  時間の流れを操るカラーマジック!

  3. ■ 皮膚が「色」を認識するって本当?

  4. ■ ヘレン・ケラーが語る「色の世界」



■「赤い部屋と青い部屋」で何が起きた?

「赤い部屋と青い部屋で体にどんな変化が起きるの?」そんな面白い実験のお話です。温度も湿度も同じ条件の赤い部屋と青い部屋を用意し、被験者にそれぞれ入ってもらったところ、驚くべき結果が出たのです。体の反応が、色によって全く違っていたのです。赤い部屋では心拍数や体温が上がり、「ちょっと暑いなぁ」と感じた一方で、青い部屋では心拍数や体温が下がって「なんだか涼しいな」と感じたそうです。驚きなのは、目隠しをしていても同じ結果になったこと!つまり、私たちは目で「色」を見るだけじゃなく、体全体で感じ取っているってことなんです。赤は筋肉を興奮させる波長を持ち、青は筋肉を弛緩させる波長を持つため、このような反応が起こるとされています。

このように色が体に影響を与える現象を「トーナス変化」と呼び、1910年にシュタインという人が数値化して実証しました。聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言えば、色や光が筋肉や神経に作用して変化をもたらすということです。しかも、面白いのは、筋肉の緊張度合いは光線の色によって変化することです。科学の力で「色」と体の不思議な関係が明らかになっていくのは、なんだかワクワクしますよね。


■  時間の流れを操るカラーマジック!

「いつの間にか時間が過ぎてた…」と感じること、ありませんか?それ、もしかしたら周りの色の影響かもしれません。色が私たちの「時間感覚」にまで影響を与えるなんて、なんだか不思議ですよね。

たとえば、暖色系(赤、橙、黄など)の空間にいると、時間の流れがゆっくりと感じられます。そのため、短い滞在時間でも「結構長い時間を過ごしたな」と感じることが多いんです。この特性を活かして、回転率を上げたい飲食店では、暖色系の色彩がよく使われています。リビングやキッチンで暖色を取り入れると、忙しい毎日の中で家族と過ごす時間が濃密に感じられるのでおすすめですよ。

一方、寒色系(緑・青、紫など)の空間では、時間が速く過ぎていくように感じます。会議室やオフィスに寒色を使うと、集中力が高めて「早く終わらせよう」と効率的に物事を進めたくなる効果があります。また、寒色系は落ち着きを与えてくれるので、待ち合わせ場所やカフェにもよく使われています。待ち時間が短く感じられれば、イライラも軽減されますよね。

まるで色が時間を操っているみたいに感じませんか?
次にお気に入りの場所に行ったとき、どんな色が使われているか観察してみてください。色が生み出す「時間の魔法」を感じ取れるかもしれませんよ!


■ 皮膚が「色」を認識するって本当?

「色って目で見るものだよね?」と思いがちですが、実は色は目だけではなく、皮膚でも認識できるって知っていますか?「え、皮膚で色を感じるなんて本当に?」って思いますよね。これを裏付ける面白い研究があるんです。最近の研究で、私たちの体が色を受け取る仕組みがどんどん解明されてきています。色の正体は、光の波のようなもの。その色の波長をキャッチするのが「オプシン」というタンパク質です。オプシンは目の奥にある網膜にあって、青、緑、赤など、さまざまな色の光を感じ取る働きをしています。このオプシンがあるおかげで、私たちは色の世界を楽しむことができるんです。


驚きなのは、この「オプシン」が目だけではなく皮膚にも存在していることが分かってきたことです。そして皮膚は、目では認識できない紫外線や赤外線までも感知しているんですよ!例えば、夏に日焼けしたり、遠赤外線ヒーターでぽかぽか温かさを感じたりしますよね。紫外線は目に見えない光ですが、皮膚がこれを感知すると体に「日焼けするよ!」という信号を送ります。同じように、遠赤外線の波長を受け取ると、温かさとして感じられるんです。つまり、皮膚は目では感じられない色や光もキャッチして、私たちの体に情報を伝えているんですね。これを聞くと、「皮膚って目以上に頼もしいセンサーなのかも!」と思えてきませんか?

■ ヘレン・ケラーが語る「色の世界」

「視覚がなくても色を感じることができるの?」と思う方もいるかもしれませんね。ここでご紹介したいのが、「奇跡の人」と呼ばれるヘレン・ケラーです。視覚も聴覚も失い、言葉を話すことも難しい状況の中で、世界中の人々に希望を与えた彼女の姿は、多くの人に知られています。自伝『わたしの生涯』の中で、こんなふうに語っています。「太陽が葉から葉へ照り返す光を見た」と。もちろん、これは実際に見たという意味ではありません。しかし、五感や心の中の連想を使って、色を心で感じ取っていたのです。ヘレン・ケラーは「色には濃淡があり、それがどんなものかもわかる」と語り、白を「高尚で混ざり気がない」、緑を「生命力」、赤を「愛や力」と表現しています。この言葉を聞くと、彼女がどれほど深く色を感じ取っていたかが伝わりますよね。科学が明らかにした皮膚のオプシンの働きや、目ではなく体全体で色を感じる仕組みは、まさに彼女の言葉を裏付けているようです。


「色って目で見るだけじゃないんだ」と思うと、ちょっと感動しませんか? 日常の中で色に触れたとき、「この色が私の体にどんな影響を与えているのかな?」なんて考えてみるのも面白いかもしれませんね。ヘレン・ケラーが語る「色の世界」に耳を傾けつつ、私たち自身も色の持つ力をもっと楽しんでみませんか?きっと少し違う視点で色の魅力を感じられるはずです。



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