見慣れたロゴデザインに隠された秘密〜デザインが与える心理効果編〜
前回に引き続き、ロゴデザインについてご紹介していきます。
カラー編では、色は表情をつけてくれたり、伝えるべきメッセージを効果的に伝えたりする媒介の役割をしてくれるということに触れました。
ロゴデザインにおいてもそうです。
使用される色だけでなく、形や文字がブランドのイメージを強化することになるのです。
そのためにも、個々の意味合いを知っておくことはためになりますね。
以下で、詳しく見ていきましょう。
■ 色の心理効果
前回取り上げたデータですが、
食品業界全体のうち、約41%の企業やブランドがロゴへ赤色やピンク色をブランドカラーとして採用しているそうです。
また、輝かしい成功をおさめた企業のうち、
31%の企業ではロゴに青色を使用しています。
そして、最も不人気だったのは紫色で、成功した企業のうち紫を使用している企業はわずか2%のみということです。
このデータが教えてくれる通り、
成功を遂げるためにも、イメージの刷り込みにも色は大きな役割を持っていることがわかります。
では、色の個々の印象を詳しく見ていきましょう。
・赤:
活力、緊急性や情熱などを象徴しています。注意を引きたいときなども使われることが多いです。よくみなさんもセールなどの告知に使われていることを見たことがあるのではないでしょうか?
・青:
信頼性、安定感、平和を表しています。革新のイメージもあるため、信頼感を与えたいイノベーションの企業や、安定の銀行や医療関連のブランドにもよく使われています。
・緑:
自然、健康、平和。環境や健康食品関連のブランドに適しています。オーガニックなイメージも多いため、オーガニック食品を扱うストアのロゴにも使われていますよね。
・黄:
幸福、エネルギーを感じさせ、注意を喚起するため、子供向けの商品エンターテインメントに使われることが多いです。大人気のポケモンは、ピカチュウの色でもある黄色をメインカラーに使い、多くの子供たちに認知されています。
・オレンジ:
創造性、冒険や楽しさを喚起すると言われていて、アートやエンターテインメント関連でよく見られます。
・黒:
力、洗練、正式さを表現するとされています。高級ブランドのロゴや公式な文書で使用されることが多いです。
・白:
純粋さやシンプルさ、清潔感を感じさせ、ナイキ、ウィキペディアなど、モダンなブランドやテクノロジー関連で使用されます。
■ 形の効果
デザインの要素は色だけではありません。色だけでなく図形も、様々な感情を喚起するのです。
・円形:
無限、統一、保護、循環などのイメージがあります。
円には角がないため、穏やかで優しさや可愛らしさなどの印象を与えますが、中心から線分までの距離がすべて同じであることもあって完全や無限、循環や保護などのイメージも与えます。
家族向けの製品やサービス、コミュニティを重視するブランドに適していると言えるでしょう。
・四角:
安定、信頼、均衡などのイメージがあります。
特に正方形は4つの直角によって作られる均等な形状であるため安定感や均衡感があり、バランスがとれている印象を与えます。
シンプルな四角形は、ミニマルやシンプルといった無駄のない印象も与えます。
そんなことから、公式なカタログやパンフレット、公的な企業ロゴにも適していると言えるでしょう。
・三角:
動き、方向、衝突などを喚起し、スポーツ関連のブランドやその革新的なイメージから、技術的なブランドに適しています。
どう置かれるか、また二等辺三角形か正三角形か、形状によって印象が変ります。
三角形は斜めの線が集中する形状から、視線や力が集中する効果があるため方向性や集中を意味します。
また、三角形の頂点が上を向いている場合には成長、上昇、向上などを象徴します。
■ 文字の効果
もちろん、最終的に情報を伝えるのは文字です。文字のフォントの選び方でまた与える印象が変わってきます。
・太字:
強さ、重要性、革新。重要な情報や見出しに使われます。
・斜体:
動き、斬新さ、アクセント。特定の部分を強調したい時や、動的なイメージを持つブランドに適しています。
・手書き:
個性、創造性、人間らしさ。カジュアルなブランドやクリエイティブなブランドに使われることが多いです。
■ まとめ
今回はデザイン要素が心理に与える効果をご紹介しました。
色、形、文字の個々の意味や印象は様々ですので、訴求したいイメージを作るためにも、一つ一つの意味を組み合わせてコンセプトをまとめていきましょう。
・個々の要素の心理的効果は様々
・各要素の個々の意味合いをおさえておく
・コンセプトは効果を組み合わせてつくる
お客様に選ばれるデザインを作るためにも、見る人にどんな効果を与えるのかをきちんと意図しておきましょう。
では、また!