祖母と私の二人旅②+兄追加

イタリアに無事 到着 

日本にいた時の兄の印象 

几帳面でやや神経質ともいえる人格

久しぶりに会った彼はだいぶ変わっていました

タバコをやたらといつでもふかす

そして服装は吉川晃司のような肩パット入りのスーツを

常時着用していましたが 色が問題

ピンク   フラミンゴのようなピンク

おかしな仕事をしているわけではなかったので

知識のない私は”ヨーロッパってこういうもの” それか

 ”今だけ弾けてる”そういうことにしました

祖母と私が兄を訪ねたのは時期が夏休みだったので

一か月以上の休みがあるイタリアの夏休暇

兄は色々計画を立てていました

欧州に興味がないといっても 私も多少わくわくしていました

しかし兄はとんでもない事を言いはじめました

「今回ローマまで皆で行くぞ 

でさ、お前ひとりでローマから一人旅しろ 

お前甘ったれてるから 鍛えてこい」

「!!!!?どうしてだよ!!??」

全く意味が解りません

祖母の付き添いで来ているつもりなのに

何故 私を鍛えるチャンスと捉えたんだ!?

言葉解らないし 文字読めないし そもそもイタリア自体に興味がない・・

しかし言い出したら言うことを聞く兄ではありません

「どこか行きたい所ないのか~?せっかく来てるんだぞ」兄が聞いてきます

”え~っ知らないよ~~あっ?”

「ポンペイの遺跡にいくよ」

「ほ~ポンペイか よく知っているな」

丁度その夏 自分の家の近所の本屋で

科学雑誌 Newton(ニュートン)を立ち読みした時

特集が組まれていました

たまたまその記事を思い出したので 流れで一人旅の

行先はポンペイになりました

一人旅が後で待っている

気楽な旅の筈が緊張感のある旅になってきました


イタリアへのイメージはテレビで観る美しい物しかありませんでした

が、この旅でちょっと違う印象を持ちました

鉄道を使っての旅ですので、夜行列車にも乗りました

兄や祖母が寝ている間 

夜更かししたりしました

夜行列車での旅・・・ロマン系に縁遠い私でも

一人窓から美しい夜空を眺めながら

もの想いにふけってみたりもしました

夜風が気持ち良いのです

星空がきれいです

そして

夜露が顔にパラパラとかかります

イタリアって イタリアって好きになってきたぞ

すると列車進行方向にある

トイレから太った男が用を足して出てきたのに気が付きました

・・・あれ?もしやさっきの夜露は・・・

列車で出た糞尿は線路に排出されていると

兄に聞いたのを思い出しました

あの夜露・・・しぶき?

・・・これが  イタリア・・・


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