詩:川
雪が積もっていた
濁った色をした雪
積もった雪が溶け始めていた
溶けだした水が足元に溜まっている
濁った自然の貯水池
上を見るとひどくさっぱりした天気で
一面青空であった
その小奇麗さと
目の前に広がる汚さが混ざり合って
神秘的な陰鬱さを醸し出している
よく見ると
それは池ではなく川だった
淀んだ川
僅かながら流れができていた
汚れた水は行き場を決めて動いていた
途端にそれまで纏っていた陰鬱さは消え
川は輝きを帯びだした
春が 来るのだ
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