見出し画像

高尾歳時記 2023年4月19日(水)

:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:
天気:晴れ。ただし、空は薄雲がかかって霞も濃く、遠方は限定的。富士山はうっすらとかろうじてみえるぐらい。
気温:23.5℃(高尾山山頂 12:00)
人出:少なめ
:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:

今年は早春暖かく穏やかな天気が続いたため、春の訪れが早い年でした。高尾では、一部初夏の花が咲き始めています。

暦のうえでは、あと2週間ほどで立夏(5月6日)を迎えます。この、天気予報などでよく聞く「暦のうえでは」の「暦」は、ご存知の通り二十四節気を基準としています。

日本人の季節感は旧暦を参照するほうが違和感がないとして、旧暦に従っているものと誤解して二十四節気に言及する方がおられますが、今我々が従っている二十四節気は太陽暦(旧暦は太陰太陽暦)に基づいており、旧暦とは関係がありません。

もちろん、二十四節気は古来旧暦との関係性で考案されたものでした(旧暦だと必然的に生じる季節のずれを調整するものですが、詳しい話を始めると恐ろしく長くなってしまうので詳細は略します)。しかるに現在は極めて科学的に、太陽が天球上を通る経路、すなわち黄道を等角に分割した座標を基準として国立天文台が計算し、1年を24節にわけ発表しています(注1)。

そもそも旧暦のほうが日本人の季節感に合うと言うのは単なる思い込みで、太陽暦ならびに国立天文台が発表する二十四節気のほうが、毎年の比較可能性の観点からは正確です。

実際、今年のように春が早い年でも、1ヶ月も花の開花や進みが前後するなどということはありません。せいぜい1週間から最大でも2週間程度でしょう。

もちろん、地球温暖化やらなんらやで、今から数百年後の日本人が同じ会話をしている保証はありませんけど。

小仏川の河原にて。
高尾山の麓では、イチリンソウが盛りです。あちこちで見かけました。
高尾山で自生している株を見つけるのは極めて難しくなってしまいました。これはその貴重な個体。ヤマシャクヤク。高尾山の自然の豊かさを象徴する植物の一つです。末長く出会えることを願います。
ミツバウツギは初夏の花ですが、今年は開花が早いです。小仏川遊歩道にて。
高尾の春の花のなかではスミレと同じぐらい大好きな、フデリンドウ。かわいいですね。小仏川の河原にて。
開花前のフデリンドウ。
この、筆先をねじって整えたような、端正な蕾の姿がフデリンドウの名前の由来なんだとか。
オオアマナの花が盛りを迎えています。小仏川の河原にて。
同じく小仏川の河原にて。イモカタバミの花もあちこちで見かけました。
小仏川の河原では、オドリコソウがピークを迎えつつあります。
小仏川の河原では、キジムシロの群生があちこちに。
キジムシロの巨大な群生。陽あたりのいい草地では、このような大群落を作ります。
今日はあちこちでカキドオシの花をみかけました。
シロヤマブキの花がピークを迎えています。ヤマブキに似ているのがその名の由来ですが、別の種です。 シロヤマブキはバラ科シロヤマブキ属の落葉低木で花弁は4枚。 ヤマブキはバラ科ヤマブキ属の落葉低木で、八重咲のものもありますが花弁は5枚。
ヤマブキ Kerria japonica
シロヤマブキ Rhodotypos scandens
なお、花が白いヤマブキをシロバナヤマブキと呼びますが、これは単にヤマブキの白い品種(色違い)。シロヤマブキと混同している方が多いです。花弁の数が違いますので、同定は容易です。
ホウチャクソウの開花が始まっています。
この時期とっても目立ちます。ラショウモンカズラ。あちこちでみかけました。
あっ!これはラッキーです。クワガタソウ。
高尾山で見つけるのはとっても難しい。
マルバスミレは終盤。もうすぐ高尾山のスミレの季節も終わりです。
コバノガマズミの花が開花しています。初夏の花ですが、今年は開花が早いです。高尾山6号路にて。
高尾山山頂近辺の陽が当たる明るい斜面では、センボンヤリをあちこちでみかけました。花に変異が多いのですが、こちらは赤花の品種。
キランソウが開花していますね。陽あたりがよく暖かい草むらでは、びっくりするくらいロゼットが大きく成長します。別名「ジゴクノカマノフタ」。
ヤブヘビイチゴの花。この時期あちこちで見かけます。
一丁平では、ホオノキの花が開花していました。
写真では大きさが伝わらないかと思いますが、大きめのアボカドぐらいあります。
(小仏)城山山頂から都心方面。ちょっと雲多めですが、スカイツリーまでは見渡せました。
高尾山山頂から、富士山方面。今日は都心方面よりも富士山方面のほうの霞が強く遠景は厳しかったのですが、かろうじてうっすらと見えました。


一丁平にて。ミツバツチグリがあちこちで咲いていました。
同じく一丁平にて。イカリソウもピークですね。
高尾山山頂近辺某所にて。立派なジュウニヒトエが咲いていました。
アケボノスミレもそのピークを迎えています。
アケボノスミレ自体は珍しいものではありませんが、高尾山では特定の場所でしか観察できません。
アケボノスミレも、高尾山の植生の豊かさを象徴する植物です。
高尾山全域で、チゴユリがピークを迎えています。
コミヤマスミレ。高尾山では最後に咲くスミレです。高尾山6号路にて。

(注1)
【参考資料】
国立天文台 暦計算室 用語解説


この記事が参加している募集

#散歩日記

9,967件

#この街がすき

43,736件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?