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漫画家/正木秀尚さん

2022年7月1日&8日放送

今回のお客様は、高知在住の漫画家、正木秀尚さん!

■ 正木秀尚さん
香美市土佐山田町出身。高知大学在学中から自作の漫画を投稿するようになり、出版社からの声掛けで大学を中退して東京へ!1985年『がんばれ郵便屋さん!!』でデビューを飾り、10年にわたって東京で活動します。その後、30歳で高知へUターン!地元で執筆活動を続けるほか、地域に根ざした創作活動や人材育成にも取り組んでいます。 

〔 番組収録風景 〕

▶ 漫画が大好きだった少年時代

子どもの頃、近所に漫画の上手なお兄さんがいたことから自らも漫画を描くようになった正木さん。チラシの裏にタイガーマスクやウルトラマン、仮面ライダーの絵を描いていたそうです。やっぱり男の子!ヒーローへの憧れがあったんでしょうね♪

土佐高校へ進学した後は、漫画好きな友人と共に漫画同好会を設立!学校の先生からの紹介で「交通安全かるた」を製作したこともあったそうです。正木先生がつくった土佐高校漫画同好会は現在も活動していて、2015年に開催された「第24回まんが甲子園」では高知県高等学校文化連盟会長賞を受賞しています。後輩たちも頑張っていますね。

高知大学へ進んだあとはアニメ制作に没頭。サークルの仲間と共に一年がかりで制作したアニメでは12分間の動画のために約2,000枚を描き上げたそうです。出来上がったときは感動だったそうですよ。

そんな中、友人が自作の漫画を出版社に持ち込む姿に刺激を受け、自身も東京の出版社を訪ねた正木さん。最初に持ち込んだ作品を読んだ担当者は、
「いいじゃないか。少年サンデーのコミック大賞に応募してみたら?たぶん最終選考には残るよ」と言ってくれたそうです。その言葉に勇気をもらってコミック大賞に応募したところ、本当に最終選考まで残ったそうで、そこから大学を休学し、上京して本格的に漫画家を目指すことになるのでした。

▶アシスタント時代の生活は?

東京では、少年サンデーで『To-y』という作品を連載していた上條淳士さんのアシスタントを務めた正木さん。基本的には 4泊5日で泊まり込み、最終日には40時間の徹夜作業をしていたそうです。

上條先生は非常に映像感覚の優れた方で、先生の求めに応じて背景を描いているうちに自分でも分かるほどメキメキと絵が上手くなったんだとか。また当時のアシスタント仲間には『帯をギュッとね!』『モンキーターン』の河合克敏さんなど年齢が近い方々がいて、ワイワイ楽しく仕事をしていたそうですよ。そこから人気漫画家への階段が続いて行ったんですね♪

〔 2002年の作品【ガンダルヴァ】 〕

▶高知での執筆活動は?

1985年に『がんばれ郵便屋さん!!』でデビューしたあと、『MAD STONE』『ヴァーダント・ロード』などの作品を発表してきた正木先生。
30歳の頃に地元へUターンしてからは高知を拠点に執筆活動を続けます。
しかし無理がたたって体調を崩してしまい、漫画が描けなくなる経験も!?
そんなとき正木先生を救ったのが「音楽」と「お子さん」だったそうです。

まずは「音楽」。地元の先輩がやっていたバンドに誘われて、オリジナル楽曲を制作しているうちに、曲が完成していく過程の面白さを実感!
歌詞を書いてコードを付けてスタジオに持って行き、ギターで弾いてみると
たちまちドラムとベースのフレーズが付けられ、それを数回繰り返すと曲が出来てしまう…。漫画と同じような “つくる面白さ”を感じたそうです。

またお子さんからの言葉も大きな勇気を与えてくれました。
息子さんからは或る日突然、「お父さん、人生まだまだこれからだよ!」と言われたんだとか。昔は漫画を描いていると白い目で見られることもあったそうですが、子どもは漫画を描くことを良しとしてくれている。そこに力を貰ったんだそうです。また娘さんからは「お父さん、人生は伸び伸びとね」と言われたそうで、そんなお子さんたちの支えもあって再びペンを握ることが出来たそうです。素敵なご家族ですね。

▶ 地域に根ざした創作活動も!

高知を拠点に活動を始めてから今年で27年!
現在は地域に根ざした創作活動にも力を入れています。

例えば、高知競輪のポスター用イラストの制作やキャラクターデザイン。
坂本龍馬や武市半平太など土佐の偉人を競輪選手として描いたり、イメージキャラクターのデザインをしたり。これは目を引きますねー。

〔 高知競輪ミッドナイト キャラクターデザイン 〕


また安芸市出身の偉人・岩崎弥太郎の生涯を紹介する漫画小冊子も制作。
これは三菱創業150年を記念して安芸市が企画したもので、子どもたちに読んでもらいたいと少年漫画仕立てでつくりました。

〔 はばたけ!!彌太郎 -岩崎彌太郎物語- 〕


ほかに香美市の龍河洞をPRする漫画も制作。龍河洞をファンタジーワールドに描いてほしいという依頼を受け、脚本から制作しました。
キャラクター制作には県立山田高校の生徒さんも参加!
全24ページ・フルカラーの作品が完成しました。

〔 リュウガの目醒め 〕

そのほか、大川村の公式マスコットキャラクター「太刀きん君」の漫画動画を製作したり、長宗我部まつりの企画として、戸板漫画を描いたりしてきた正木先生。現在は津野町の依頼で幕末を舞台にした漫画を制作しています!
地元出身の著名な兄弟、片岡直輝・直温を育てた母親・片岡信子さんを主人公に、全120ページを超える大作が進行中だとか。これも楽しみですね。

▶ 声優とのコラボイベントも開催!

また音楽活動でも高知を盛り上げている正木先生。
7月9日(土)に高知市桟橋通「BAY5 SQUARE」で開催されるイベント
【 こまんさい アニソンライブ&トーク 】に出演します!

こうちまんがフェスティバルの関連企画として開催されるこのイベントは、
人気声優の谷山紀章さんと、林勇さんをゲストに迎えたトークショーと、
音楽ライブで構成されています。正木先生は、漫画家仲間の森田将文先生と組んだバンド「まん・ソンズ」として出演。ほかに「復讐のジェイソンズ」も出演します。ぜひチェックしてみてください!!

〔 漫画・アニメファン必見のイベントです 〕

▶まんが王国の明日を担う人材育成

毎年3月には「全国漫画家大会議 in まんが王国・土佐」、
11月には「こうちまんがフェスティバル」が開催されている高知県。
全国から漫画家の先生が大勢集まり、まんが王国・土佐をPRしています。

そんな中、正木先生は、森田将文先生や、ひのもとめぐる先生らと「まんがラボ」を開催して、漫画家を目指す方などに指導を行っています。プロの技を前にした若者たちの真剣な眼差しには圧倒されるそうで、指導する立場の正木先生たちも大きな刺激を受けているそうです。

また「まんさい」では、ライブドローイングにも挑んだ正木先生。
先生のYouTubeチャンネル【 カピバラ先生の絵心チャンネル 】ではその模様も公開されています。

そのほか、ペン入れ作業や、トーンワークの映像も公開されています。
匠の技を是非ご覧ください!!

▶ 今後の目標は?

 最後に、正木先生の今後の夢や目標を伺いました。

■ 高知の酒蔵を題材にした漫画を準備しているのですが
  発表の機会に恵まれないので何とか実現したい!
■ 人材育成にも力を入れたい!

正木先生からは、漫画家を目指す若い世代の方々に対してアドバイスもいただきました。

漫画家は絵描きと思われがちですが、話をつくる作家でもあります。
昔から「作家はどんな経験しても無駄にならない」と言われるように、好奇心を持っていろんなことに触れてみることが大切です。

また「人に興味を持つこと」も大事だと思います。
無理に人を好きになる必要はないけれど興味だけは持っておく。興味を持てばいろんなことを想像できます。その想像力こそが大事だそうです。

漫画をとおして地元・高知の活性化に取り組み、土佐のまんが文化継承のために人材育成にも尽力している正木先生。高知の酒蔵を題材にして漫画が多くの人の目に触れることを期待していまーす♪

【 放送プレイバック 】📻✨
★ 2022年7月1日(金)放送 ⇒ コチラ から!
★ 2022年7月8日(金)放送 ⇒ 
コチラ から!

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