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# 13「産業保健職にとって学会とは(前編)」

産業保健もやもやハレハレ

この番組では、産業保健についてモヤモヤするけれど、身近に語れる人がいない!そんな孤独な産業保健職と一緒に、現場にありがちなモヤモヤを3人のパーソナリティと共に深掘りしてみます。

「産業保健職にとって学会とは(前編)」のもやもや🌥️

よーた 今日のテーマは「産業保健職にとって学会とは」ということで、学会ってなんなの?必要なの?何してるの?お金も払うの?みたいな話をぜひしていきたいの

いが よーたさんのそのアジェンダあげていくのいいね!

よーた そうでしょw

3人はどこの学会に?

よーた ありがとう笑 じゃあまずみずえさんから聴いていきたいんだけど、学会とかって入ってたりするの?

みずえ 私は日本産業衛生学会、日本公衆衛生学会、公衆衛生看護学会に入ってる。あ、それと産業保健法学会も

よーた いろんなジャンルだね笑 それってさ、どういう基準で入ってるの?

みずえ 産業衛生学会と公衆衛生学会は私たちのベースになるものだから当然のように入っていて、看護学会は産業以外の学校とか行政の多領域に広がってて面白いから入っている。法学会は、法に関しては普段あんまり知る機会ないから勉強の意味で入ってるよ 学会でもメインとサブみたいな使い方をしてるかなぁ。よーたさんは?

よーた 俺は産業衛生学会と産業精神保健学会と日本内科学会の3つだね。当然自腹でお金払ってるよ。いがちゃんはどうなの?いっぱい入ってそうだけども笑

いが 日本産業衛生学会、日本公衆衛生学会、産業保健法学会、災害医学会、社会学系専門学会に入ってますかね

よーた でも思ったより入ってないね

いが あとは学会じゃないけど、健康開発研究会にも入ってます

よーた あの伝統あるところね

いが そうそうww

よーた そういや俺もそれ入ってるの思い出した でもあれ学会ではないよね笑

ニッチな人たちはニッチであればあるほど集まらないといけない

よーた では次の議題として、学会ってそもそも何で存在してるの?昔と今と未来とで学会の目的って変わってきている気もするんだけどね。

いが あくまで個人的な見解なんですけど、スタートとして言えば、専門職ってニッチだったじゃない?

よーた 数としてはニッチ、少数だよね。

いが そういう少数の人が集団になって切削琢磨したり、知見を高め合っていくこと、情報発信をしていくことで社会に価値を認めさせていく必要があったんだと思うんですよ。いわゆるギルドですよね

よーた 職能集団だよね

いが そうそう、職能集団としてやることで社会に価値を認めさせていくことですよね。これは、宗教とか天文学や言語学を研究する人たちも同じように集まってやっていく必要性や役割があったんだと思う。集団で学という意味だけではなく、ニッチな人たちはニッチであればあるほど集まらないといけないんですよ笑

みずえ うんうん。確かにそうかもね笑

いが 人数を集めるからこそインパクトがあるしね。ロビー活動も大事ですよね。医師会(学会ではないけど)も、医師の権利を獲得してきましたよね。だから必ずしも学会とは何かを学ぶ場所でなくて、むしろ、学会に参加し盛り上げていくことでその職能集団としての社会的価値を高めていこうぜ、みたいな。学会費10,000円が高いかどうかもあるんだけど、その10,000円を払ってでも職能集団に参画して、産業保健の社会価値を高めていくというもの、それは専門家としての覚悟にもなっていくんじゃないかなー

専門家集団として社会にメッセージ

よーた 今後の学会はどういう方向になって行けばいいの?

いが 今後どうなっていくかは難しいねー。学会の存在価値を示す例としては、コロナの時は産業衛生学会が作った手引きをみんな頼りにして使ってたじゃない?

みずえ 使いました。すっごく助かりました

いが だから、自分たちが専門家集団として社会に発信していくことがこれから求められていくんじゃないかな コロナ前はあんまりそういうのなかったけどね

みずえ 声明って大事だよね。社会に対するメッセージ、日本公衆衛生学会もコロナ対応の時に、病院勤務の人たちが差別につながるかもってことで発信していたり、精神保健学会も毎回著名人の自殺の時にはメッセージ出してるし、やっぱり集団としてメッセージを出せることが大きいかもしれないね

いが 確かにね。そういった発信を日常的に続けていく方向を今後は作っていってほしいですよね。社会に開(ひら)けた学会にしていくという方向性がいいと思う

発信することで自分たちの技能を明確化する

よーた 自分なりにまとめてみたんだけど、意義って三つあると思った。1つ目は、発信することで自分たちの技能を明確化していく。ガイドラインもそうだけどロビイングも大事なんだよ

いが めっちゃ大事

みずえ ロビー活動本当に大事だよね

品質の担保という役割がある

よーた 2つ目は、価値を感じるような品質を担保する意義も学会にはあると思う。資格とかね。そういった社会に対しての価値の担保する機能

いが 確かにそれもすごい大事だわ

専門家の学習機会が提供されている

よーた 最後3つ目は、専門家の学習だね。再現性を持って、ネットワークを作る機会であったりや知識なども含めて、学会は提供しているのかな

よーた でも品質価値の部分が最近かけ離れてきてる気がするんだよねぇ、、、

いが ほうほう?

よーた 例えば、産業医の価値ってものが本当に日本産業衛生学会だけでハンドリングできてるの?とか、今のどんどん上がっている社会のニーズに合った品質を保証できるの?保証できる仕組みがあるのか。じゃあどうやって社会的な価値を保証されているのか。こういう品質価値の部分で今後議論になっていくんじゃないかな。

いが うんうん

よーた あとさ、学術集会とかシンポジウムって、学習するって意味ではホテルから聞いたほうが参考になる時も多いんだよね笑

みずえ 確かに知識や情報を得るだけだったらオンデマンドでも十分かもね笑 だけど、学会の現場に行くと知識以外の学習があるよねぇ 

よーた うんうん。上手く言えないんだけど、学会の役割とか価値って興味深いよね。倫理的なチェックも

専門学会が国の施策の質や倫理を担保する

いが 産業衛生学会を例に挙げると、ストレスチェックの議論の時に学会として提言を出してるんだけど、その時同時に注意点とか倫理的問題を取り扱っているですよね。

みずえ うんうん

参考:
1.https://www.sanei.or.jp/files/topics/statement/Mesures_for_metnal_health(previous20version).pdf
2.
 https://www.sanei.or.jp/files/about/report/activity/InterimReport_MHWG_stress_check.pdf

いが 実は(こっそり?)出してるのよ。ほとんどみんな読んでないと思うけれども。国の政策の方向性が良くない時に、専門家集団として質や倫理的に意見を出せるかどうかですよね。それを他人事としてみるか産業保健職として自分ごと(当事者)としてみるかどうかは大きな違いだと思うな。(国の施策に関して)質的な担保とか倫理的な担保を専門職の学会がすることは必要だと思う。 

みずえ そうだね

いが 国としても専門家サイドから確認は取ってると思うけど、それも学会の存在価値なんじゃないかな。 そういうことを他人事と思うかどうかは学会に所属してるかどうかで感覚として大きいと思うね

学会に所属することで業界を自分ごととして捉える

みずえ それって、個人個人が専門職として意思を持って学会員として参加してってことだよね。表面的な研修や情報だけが目的じゃなくて、専門職として会員になることの意味を持っていたいよねってことなのかな

いが 今は産業衛生学会は医師4千人、看護職3千人、他の職種が1千人くらいの8千人いるんですけど、産業医の全体数の8万人から見ると、5-10%くらいしか学会には登録していないんですよね。全員が登録すべきとは言わないけど、専門職としてぜひ自分ごととして(社会の問題や国の施策を)捉えて欲しいよね

みずえ 倫理観なのかな。看護協会は、会費払ってもどこに使ってるんだとか、払っても意味ないだろとかみんなぶつくさ文句言ってるけど、専門職としてどうかとか思う。自分たちの働き方とか、ロビー活動もしてくれてるんだよってことをどこまで理解するかじゃないかな

お金を払うことの納得感がないと広がらない

よーた 一方で、参加者の立場で考えた時に、お金を支払うという売買が発生してるわけだから学会側も考えるべきだと思うのよね。学会費を払うことに匹敵する、何らかのメリットだったり満たされるものがなければ支持されないと思っていて 

いが うんうん

よーた 寄付感覚ならまた違うと思うんだけど、寄付なら寄付って言って集めたらいいじゃん?学会からのメリットがないと広がりはないかなと思う。支払いへの納得感というのかな

みずえ そりゃ会員増えないよってことだよね

よーた そうそう。若手中心に、あの学会は参加しずらいとかよく聞くのね。もちろん世代間ギャップなのかもしれないけど、かといって、その参加しずらさをそのままにしているのはどうなのよ。学会の未来のあり方を考えた時に、若手を中心とした価値観で改めて再定義していくことも必要性をすごい感じている、もし無料で提供できるんなら、それをやるならそのスキームをどうやるかみたいなことも含めて問いかけられてるんだよね

みずえ おもしろいねそれ

よーた だから透明性なのか、納得感なのか、お金を支払ってる側の気持ちも考えた方がいいんじゃないかな。若い世代を中心に、お金を払えないような、フリーミアムできている人たちには広がりがないのかもね

みずえ 持続可能性だね

よーた そうそう。20代中心にちょっと考え直さなきゃいけないのかなとは思うけどねぇ

みずえ だったらもっと学会のお金の運用がね、学会の収入源も、ビジネス的に他のところからマネタイズできたら楽しそうだよね。協賛している企業が疲弊しているようなところもなんかない?

後編に続く

よーた どうやら締めの時間らしいけど、いがちゃんどう?

いが 僕はここから長くなりますよ?笑

みずえ えっ?w

よーた おやおや?笑

みずえ では長くなりそうなのでここで一回終わりにしましょう。続きは次回ということで笑 では、今回も聴いてくださりありがとうございました〜!

後編に続く、、、


音声ソース

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