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# 15「ストレスチェックのもやもや」

産業保健もやもやハレハレ

この番組では、産業保健についてモヤモヤするけれど、身近に語れる人がいない!そんな孤独な産業保健職と一緒に、現場にありがちなモヤモヤを3人のパーソナリティと共に深掘りしてみます。

「ストレスチェック」のもやもや🌥️

よーた 今回のテーマは、「ストレスチェックのもやもや」ですね。メンタルについて産業医は比較的関わりやすいですし、様々な関わり方もあるとは思うんですが、まずは産業医のいがちゃんから関わり方について聞いていきましょうか

ストレスチェックとの関わり方

いが 最近だと僕は高ストレス者の面談とか、集団分析の結果について人事担当者に説明して、同時に「この結果について一緒に考えませんか」みたいなディスカッションをする形でストレスチェックとは関わってますかね

よーた 私もいがちゃんと同じだね。確かに、どちらかというとサーベイの結果からどうするかって議論が多いね 他にはいがちゃんはストレスチェック関係で昔やってたこととかある?

いが 昔だったら高ストレス者の面接勧奨もやってたね。もし高ストレス者が自殺したらどうするんだ、って何回も勧奨して、何とかして受けてもらおうと頑張ってたんだけど、、

よーた 途中からやらなくてもよくね?ってなったんだよね笑

いが そうそう笑

よーた トライアンドエラーがあったんだね笑 ちなみに確認なんだけど、受検勧奨ではなく、医師面接の勧奨だよね?

いが そうそう、医師面接の勧奨の方。産業医を含めた面談をしましょうって勧奨だね でも最近は2回も3回もやらず1回くらいかな。何回もやっても特定保健指導と同じでめんどくさがられて終わるっていう、、笑

よーた なぜ労働者が産業医の面談を受けたがらないのかっていう論文も出てたくらいだもんね笑 みずえさんはどうよ?

みずえ 私前職で、ストレスチェックが始まる前に職業性ストレス調査票を使ったサービスをやってたんですよ。

よーた へぇ〜

みずえ その時は、熱意をもってサービス提供してましたね。経営者とか役員が集まってる環境改善のための会議の時のファシリテーションもしてたからね。初期は熱意もあって楽しかった。

よーた へぇ〜

みずえ でも、今は独立して中小企業のサポートをわずかな時間でやってるので、あんまりストレスチェックに関われてないってのは実状かな

ストレスチェックは本人のためにあるんじゃなく組織のためにやってんのよ

よーた てか、話変わるけど、元も子もない話してもいい?笑

みずえ なんでしょうか笑

よーた そもそもの話、ストレスチェックがセルフケアの促進とか気付きにつながるわけないでしょ!と思うんだよね。絶対繋がらない、断言してあげる笑 自分が高ストレスだって言われて頑張りますってなる人いないよ ストレスチェックはセルフケアの促進のためじゃなくて、組織の課題を浮き彫りにしたいからやろうぜってことなのよ。つまり、ストレスチェックみたいなサーベイは本人のためにあるんじゃなく組織のためにやってんのよ

みずえ 確かに

よーた そうでしょ?モチベーションサーベイみたいないろんなサーベイが開発されてるけど、そもそも目的が違うから絶対(セルフケアには)繋がらないの

みずえ ぶっ込んでくるねぇ笑

いが 今よーたさんを泳がせて悪者にしようとしてる笑

よーた でもそこを議論したいのよね。僕はストレスチェックを否定してるわけじゃないのよ。ただ、本人のためということが違うんじゃないかと思ってるのよ。組織のためでしょ

いが 賛成🙌

よーた え?笑

みずえ 多分みんな思ってるよ笑 でも建前としてみんな受け入れてるんじゃない?

よーた じゃあ今日もう言いたいこと終わっちゃったよ笑 てことは2人は賛成でいいのね?

やるべきことはやりつつ機会を最大限に活かす

いが 高ストレス者面談は、個人の気づき(セルフケア)はそんなになかったり、効率がいいやり方とは言えなかったとしても、それは法令で決まっているものだから、それはそれとして粛々とやるっていう大人な対応をしなきゃいけないとも思っているよ

よーた 大人の対応か笑

いが でも、やるならできる限り活用していく方がいいと思うんだよね。効率は良くないかもしれないけど、小さいながらにメリットはあるし面談はそれなりに意義はあると思うしね

みずえ やるべきこととして決まってるからそこを議論してもしょうがなくて、受け入れる。じゃあその機会をどうやって、最大限活かすためには面談する機会にするとか、そこから違うお話もしていいしね 私は希望相談を広く作って広げてるんだけど、産業医面談のまえに何でも相談していいですよって言う事前面談を設けて、相談の機会を増やしてもいいかもね

いが うんうん、過重労働面談もそうだけど、一義的な面談の目的はあるけど一旦そこは置いておいて、面談をすることでいろんな従業員さんと話す機会とか現場の情報収集にもつながるし、産業保健職のプレゼンス向上にもつながるね

セルフケアの定義でどつぼるヨータ

よーた 今話を聞いていて気づいたんだけど、セルフケアって何なんだろうね。実は、狭義と広義のセルフケアがありそうと思って、、

いが ほう???

よーた 個人的に狭義のセルフケアは意味ないと思ってるの。狭義のは、本人の行動変容を促すものだってもの。広義は、それを知った時に誰かが介入するのか。みたいな。あれ、それセルフケアじゃないかも笑

いが 笑笑

よーた 何だろう、介入対象者が認知として知ってるかどうかだと思っていて、自分として分かった上で他者の力を借りて行動変容を促すか?かな? それもセルフケアなの?

みずえ セルフケアのサポートを産業保健スタッフがケアするってことかな

いが いわゆる産業保健の4つのケアの話かな?笑

よーた じゃあセルフケアじゃないじゃんw

みずえ セルフケアを促すサポートを私たちはできるのよ

よーた それはどういうこと?

みずえ 私はセルフケアの広義の意味で使ってる

よーた てことは結局包含してるじゃん

よーた 4つのケアって<1. セルフケア>、<2.ラインケア<、<3.産業保健スタッフケア>、<4.事業場外ケア>みたいになってるじゃん これって別々に聞こえるんだけど、そうじゃなくてセルフケアを中心に、サークルのようになっていくんじゃないの?セルフケアが真ん中で、その周りをラインケア、産業保健スタッフケア、事業場外ケアがあって、4つの円が包含していくみたいな・・・

いが その理解で合ってると思う。

よーた でもあの書き方だと別々だってみんな勘違いしちゃうじゃん。もっとわかりやすい説明の仕方してくれたらいいのにね 4つのサークルでなりなってるんだよって

いが 説明しやすいように4つに分けてるだけじゃない?笑 セルフケアとか自律的な健康管理を促すためにストレスチェックがある、みたいな僕らの手数が増えたと思えばいいんじゃない?

4つのケア

みずえ うんうん

よーた セルフケアって促せるものなの?促すだけなら広義のセルフケアじゃん。本人に結果だけ渡して、はい頑張りましょうね〜みたいにするのってどうなのよ

いが でも健康診断もそうだよね

みずえ 理想としては、結果を渡す➕産業保健スタッフからのフィードバックを渡すってことでしょ?気づきを促すとか自分で考えるサービスを昔はしてたんだけど、思いっきりコストをかかっていい時はフィードバックをしつつセルフケアのサポートすることはできると思う

よーた ストレスチェックの制度上の素晴らしいところは、個人の対応については本人の希望性になってるじゃん

みずえ そうだね、希望するかどうか選択できるよね

よーた 結果としてめちゃくちゃ少なくなったんだけど、理にかなっていると思っていて、、、本人が希望して、その結果を通してなのか、なんらかの接点を持ちたいだけなのか、本人の意思を尊重できているからいい制度だと思う

iCareの考えるCate Circle

マネージャー自体が数字を理解するとうまくいく

よーた 活用ってみんなどうやってるの?うちのiCAREは毎月80問のストレスチェックやってるんだけど

みずえ へー、その目的は?

よーた マネージャー、部長クラスに自分の施策がうまくいってるかみたいなチェックと指摘かな。ストレスチェックだけじゃなくパルスサーベイみたいな他のサーベイも組み合わせて組織のチェックをやってる。でもこれは100人くらいの会社だからできてるのかもしれないけど笑

みずえ パルスサーベイはいいと思うのよ。変化が見えるからね。しかもその目的を各マネージメントの人たちがわかってるってことだよね

よーた そうそう。年1回だとストレスチェックの中身ってマネージャー達もよくわかんないのよね。だから結局自分ごとになりにくい。でも、マネージャーたちは元々数字には強いはずなのよ。であれば、ストレスチェックとかサーベイ自体を理解できたり興味持てるようにできるとマネージャー達も参加しやすくなってくるんじゃないかなとは思ってる

みずえ さすがだねー。でもちょっと思ったのは、同時にそれくらい活用できてる企業ってどれくらいあるんだろうって。はたから見てると、ストレスチェックに詳しい人を呼んで結果をフィードバックしたとしても、「どうやったらいいかマネージャーさん考えてください」って10分くらいその場で考えさせるだけになっちゃうこと多いのよ

いが 多いね

みずえ だから表層的な結論だけ出しても、会議終わったら「そうは言っても実際はできないよな〜」ってなって結局意味ないみたいな笑

よーた そこの難しさってあるよね。もっとサーベイ自体に慣れて、現場が現場による改善というかディスカッションとか対話がない限り、活かされるわけないよね

みずえ 形だけのサーベイになっちゃうことあるよね

よーた うんうん、サーベイやりすぎてサーベイ疲弊になってるところも多いもんね、、

数字の背景がわかるのは現場を知る産業保健職だけ

いが 現場の産業保健職はストレスチェックの取り扱いでみんな奮闘してるじゃん?何かその解決のヒントになることってないかな。このストレスチェックはみんなモヤモヤしてると思う笑 よーたさんの言ってることはわかるんだけど、そうは言ってもうちでは難しいよねみたいなことが多いもん

よーた:そうだね。じゃあ、数字とかサーベイの中身を熟知した上で、毎回自分はどう思うのかってのを伝えることかな。具体的には、「前回こうでしたよね、この数字いいですね、この部署数字悪くなってるので気になってるんですけど何か情報知ってます?」みたいな対話というか、組織の問題解決のために積極的に現場とか人事と関わっていくのが大事なんじゃない? そしたら信頼にもつながるし、自分のやりがいとかにもつながると思う。やっぱりこういう活用がいいんじゃないかな。活用できてる人は少ないとは思うけどね

いが 僕も今の話を聞いて思ったのは、ストレスチェックの数字を見た時に数字が何を表しているかという質的な部分(ナラティブな部分)というか。職場の人たちの顔が浮かぶとか、現場を知っている我々がストレスチェックに関して詳しくなれれば、「その結果の本当の意味がわかるのは産業保健職だけ」という強みになると思う。そうなれば人事担当者や経営者と話す機会にもつながるし、プレゼンスも上がるしいいなと思った。

みずえ そうよだね

いが だからストレスチェックにいつまでもモヤモヤするよりは、もう少し踏み込んで産業保健職が数値の背景をもっと理解できるようにすると、すごい良いツールになるんじゃないかなと思いましたね

よーた 今日もストレスチェックについて産業医の先生と対話しましょうってことで1時間話して来たんだけど、出席してた人は人事から代表取り締まりみたいな役員ばっかりだったのよ。こういう機会を作りやすいもストレスチェックいいところかな

いが 実際、外部のストレスチェックの業者さんに頼むとデータだけは出るんだけど、内部までわかるのは僕たちだけだもんね。そこに僕らの強みがあると思う

よーた それはある!明らかにあるね!!

みずえ 産業保健職が自分たちでデータを見て、自分の職場への考えとか現場の肌感覚と照らし合わせていければもっと楽しくなるよね 

よーた そうそう。活用できてる人はその価値がわかると思う。でも業者に任せっきりとかになってるならそれは勿体無いと思う。その数字がどういうことを表しているのか、そういった形でストレスチェックを活用していきたいね

「ストレスチェック」のはれはれ🌞

みずえ:じゃあ最後にモヤモヤがハレる言葉を言っていきましょうか

積極的に有効活用していこう!

よーた 僕は、専門家として、ストレスチェックは働く人や組織集団の健康課題に触れられるいい機会なので、積極的にその機会に触れて、意見を言って、提案して、PDCAを回していける専門家になればめちゃくちゃ楽しいんじゃないの?と思います

みずえ ありがとうございます〜

よーた 笑

平時のストレスチェックは、有事の時にも使える

みずえ いがさんは何か言い残したことありますか?

いが コロナ禍では、ストレスチェックを平時と有事の比較に使えたんですよね。これって普段からやってるからこそ、有事の時はどうなんだみたいなことが言えたわけ。平時にときにやっておくことで、災害時にも活用できるわけですので、そこにもストレスチェックの意義があると思います!なので、普段からみなさん活用していきましょう!

みずえ では今回はこの辺りで締めましょうか。今回も聞いてくださってありがとうございました〜!

3人 またね〜!

音声ソース

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