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#3「保健指導の思い出」

産業保健もやもやハレハレ

この番組では、産業保健についてモヤモヤするけれど、身近に語れる人がいない!そんな孤独な産業保健職と一緒に、現場にありがちなモヤモヤを3人のパーソナリティと共に深掘りしてみます。

「保健指導の思い出」のもやもや🌥️

いが:よろしくお願いします。今日のテーマは「保健指導の思い出」です。まずは少し振り返ってみましょうか。

よーた:よろしくお願いしますぅ〜(わるよーた)

みずえ:どうしたんですか笑 今日はわるよーたスタートですか?笑


よーた:さて、前回は、「あるがままを受け入れる」「相場観を知る」「一年位頑張ろう」がギャップのモヤモヤをハレハレワードだったよね笑
それで今回は「保健指導の思い出」ということなんですけども。今回はみずえさんのお話中心になっちゃうかもだから、まずはいがさんから聞いてみましょうか

いが:そうですね。僕は産業保健の落とし穴専門家なので、、

よーた:すぐ穴に落ちちゃうんでしょ?笑

いが:そうそう、僕は落とし穴専門家なので、まずは自分の失敗体験から話してもいいですか?

よーた:いいよいいよ笑

いが:当初はとても上から目線で、禁煙とかは叱ってなんぼみたいな

よーた:それショートコントで再現してよw

みずえ:やだー笑

いが:前もやったじゃんwまぁいいけども笑 じゃあ、3パターンやりましょうか。シーンは保健指導って感じで

まずはシーン1!上から目線での失敗例

いが:今日は保健指導来ていただいてありがとうございます。よーたさん、タバコ吸いますよね。タバコの害って知ってますか。肺がんになるんですよ。じゃあどうやったら禁煙できるか考えてみましょう。
よーた:害は知ってますよ。でもやめるの嫌ですよ!

いが:だめですよ!

よーた:いや、嫌ですよ!なんでそんなこと言うんですか。嫌ですよ。

いが:でも死んじゃうので。

よーた:嫌ですよ。もう帰りますね

一応、ロールプレイw

いが:ストップストップ笑。そんなに反発しないで笑。今のは、むしろどっちかっていうと聞いてくれるからこっちが図に乗っちゃうってのをやりたかったの笑

よーた:そっちね笑。ごめんごめん笑

みずえ:ショートコント失敗w

シーン2!脅しをつかう失敗例

いが:今日は来てくださってありがとうございます。今回呼び出させてもらったんですけど、血圧やばいです。このまま行くと死にます

よーた:死ぬ?

いが:なので、どうやったら死なないかを考えましょう

一応ロールプレイ2

いが:って言うのが2つ目ね。

よーた:それもすごいやり方だね笑

シーン3!最悪のシナリオで脅す例

いが:血糖値、高いです。僕は病院でそういう人をたくさん見てきました。糖尿病で足切ってる人、透析なる人、脳梗塞なる人、たくさんみてきました

よーた:そうなんですか。でも別にいいんじゃないですか?

いが:僕はたくさんそういう人たちをみてきて、なんとかそういった人を救いたくて産業医やってるんです。だから、血糖値、なんとかしましょう。なんとかしましょう!よーたさん!

ロールプレイ3のつもり

いが:これが3つ目で、僕はこういうものが正解だと思っていた、という話です

よーた:3つとも一緒じゃん笑

いが:上から目線スタイル、脅すスタイル、重症例経験したスタイルとかで分けてつもりなのよ。教える側としては、過去の経験を出せばいいとか、死にますよって脅すこととか、そう言うことをすれば保健指導はうまく行くと思ったって言う失敗談ね笑

保健指導の目的とあり方の再検討

よーた:これさ、理想の保健指導ってなんだろうね

みずえ:一応、行動変容ステージに沿ってやるのとかが基本な気がするかな

よーた:それもあるとは思うんだけど、概念としてって言えばいいかな。保健指導って、何を実現することが理想なんだろうね

いが:本人が自律的に自身の健康状態を把握した上で適切な行動習慣が取れるように考えれるところを目指す、とか

よーた:行動に移さなくても考えればいいってこと?

いが:ううんそれは違うかな。理解と行動はセットだから両方だね。

よーた:じゃあ例えばさぁ、わるよーたに言わせるとさぁ〜、飲酒の保健指導の時にさぁ〜、

みずえ:またわるよーたが出てきてるね笑

よーた:いがちゃんもさぁ、酒飲むじゃん〜。指導する人が、そんな状態なのになんで保健指導できるのぉ?自分できてないのに相手に指導するのってどうなのって思っちゃったぁ

いが:自分たちができないことをなぜ教えるのかってことだよね

よーた:そうそう。禁煙外来の先生も昔タバコ吸ってたのもみたことあるし。でも伝えることのメリットが上回ってるからやってんのかなぁって

いが:個人的には、そこは分けてるかな

みずえ:あなたにとってのベストはこれですよって。だから私にとってのベストとは違うってことじゃない?

保健"指導"という上下関係からの脱却

いが:そうそう。だってそうじゃなかったら、聖人君子しか保健指導できないことになっちゃうじゃん。だから、指導っていう言葉を言い換えた方がいいと思ってて。指導って言っちゃうと、自分ができてわかってて、素晴らしい人間だから教えるみたいな上下関係があると思うんだけど、僕はどっちかっていうと、情報交換だと思ってる

よーた:じゃあ、もう指導じゃないじゃん

いが:そうだよ。だから、相手が何を知りたいか知って、お互いの持ってる情報を交換すればいいんじゃない?

よーた:相手が情報を欲しがってなかったらどうするの

いが:誰しもが必ずしも健康に興味ない人はいないと思うんだよね。わかっちゃいるんですけどね、みたいな。それをどう引き出すかじゃない?

よーた:なんかさぁ〜、食事とか運動とかばっかり言われちゃってさぁ、人の価値観はそれぞれなのに行動変容させちゃうの?

いが:おや、これはよーたさん、色々なこだわりがありそうだね

よーた:ん?俺はないよ笑

みずえ:でもさ、保健指導って1番ジレンマを抱えやすいかもね。法律で決められてるわけじゃないから、ぼんやりしてるところでやらなきゃいけないもんね

よーた:結局、本人の強いニーズがあってそれを満たすための保健指導ってめっちゃ価値があると思ってて、でも現実として、本人たちに大きなニーズが醸成されてないことがあるじゃん。だから、そういう人たちに対してはどうやってやるのがいいんだろうね

みずえ:それと、上から目線じゃなくてもいいんじゃない。今の日本国民は昔と違ってある程度は健康リテラシーがあるから、時間が解決すると思う。だから、ちょっと言葉も変えていいんだろうね

いが:英語だとヘルスガイダンス(health guidance)とかだよね。「導く」とか「共にいく」みたいな意味の。そうすると、保健"指導"という上下の関係性からは変わるから、その"指導"という呪縛から解き放たれて楽になるんじゃないかな

よーた:保健チャンスとか?笑

いが:そうそう笑。もっとシンプルに健康相談とかでもいいんじゃない?

みずえ:確かにそっちの方がいい気がするね。ちょうどいい感じがする

よーた:確かに1960年とかの時代の保健指導とはもう全然違うもんね

対象者の意識やニーズに合わせて接し方を変える

いが:保健指導でエピソードありますか?

よーた:一回ね、糖尿病外来の時に褒めまくったのよ。そしたらすごい上手くいって。ほんのわずかな変化、ファクトを褒めまくったのよ。頑張ったことを専門家がしっかり褒めてあげるのはすごいパワーになるのだと思う

いが:確かにパワーになるね

みずえ:ニーズに応えるのも重要だけど、表立った要求がない場合もあるじゃん。もしかしたら奥底にはあるかもしれなくて、その伝え方とかは技術だと思う

よーた:ニーズないところにアプローチするってコスパ悪くない?

いが:実際、産業保健現場では、意気揚々と行ってもあんまり求められないこともあるよね笑

みずえ:予防がしたいんです!って言ってね笑 保健指導のチャンス!て時に行っても…

いが:引かれるんだよね笑

みずえ:そうそう笑 一回その経験すると、ためらってしまって、悩んで、、 でも、さらっとぽろっと言った言葉が刺さって、行動変容につながることも多いよね。

わるよーた:強いニーズに対応する保健指導はすごいと思うけど、ニーズのないちょっと潜在的なものとかって、ボランティアでやってもらってもいい?

みずえ:そのこころは?

よーた:専門家にやってもらうのってコストがすごいかかるんだよ。それで、なぜ効果が薄いのに会社とか組合とか税金とかのお金を使ってやらなきゃいけないのか。ニーズが高ければどんどんやってあげたいし、やって貰えばいいと思うんだけど、、

対象者を選んでタッチを変える

いが:うん。それは、意識に応じてタッチを変えるって話があると思う。よーたさんに、その中に保健指導をどう位置付けるかを聞いてみたいな笑

よーた:ハイタッチ、テックタッチ、ロータッチって呼ばれるいろんなタッチがあるわけよ。具体的に、実際にお客さんに会ってこうやるんだよっていうのはハイタッチね。で、これ見といてくださいとか、セルフでやってくださいみたいなのがテックタッチ。それで、ロータッチはその中間みたいな。極めて効果の高そうなものは、確実性をとってハイタッチすればって思うんだけど。でも本人の意識が薄い場合とかは、メールとかテックタッチ的な1対多数でやるって手段がよく取られているんだけど、、 それって効果あるかな?笑

いが:保健指導は効果がありそうな人にやればそれは効果があると思うよ

よーた:そうそう!それで、本人たちがやりたくないのにやっちゃいけないと思う


「保健指導の思い出」のはれはれ🌞

いが:じゃあ最後にみんな一言ずつモヤモヤがハレる言葉を言っていきましょうか

みずえ:今回は晴らすの無理じゃない?笑

いが:1つはよーたさんが言ってた、「対象者を選んでタッチを変える」話じゃない?

みずえ:私は「ハレハレを求めない」! このモヤモヤをみんな抱えて行こう。モヤモヤを保留する力をつけて、いつか回収しよう!

よーた:保健指導のもつ力ってすごいんだけど、使い方が間違ってるんじゃないの?って。保健指導に価値はあるのは確かだと思う

保健指導という言葉からの脱却

いが:それはみんな同意ですよ笑 僕のまとめは、「保健指導という言葉からの脱却」かな。指導しなきゃって感じじゃなくて、ヘルスガイダンス、健康相談、みたいな健康について話し合う時間ですってイメージに変えるといいと思ったな

みずえ:では、荒れました第3回目のモヤハレはここまでということで笑

お聞きくださりありがとうございました!

音声ソース

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次回は

# 4 「なんで職場で健康に口出しするの?」


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