『組曲 道化師』打楽器合奏編曲譜(全10曲)+オーケストラ楽譜豆知識
カバレフスキー『組曲 道化師』全10曲の打楽器合奏編曲譜です。
(組曲の全曲名)
Ⅰ プロローグ Ⅱ ギャロップ Ⅲ マーチ Ⅳ ワルツ
Ⅴ パントマイム Ⅵ インテルメッツォ Ⅶ リトル リリカル シーン
Ⅷ ガヴォット Ⅸ スケルツォ Ⅹ エピローグ
奏者最大13人の編成で使用楽器は下記のとおりです。
グロッケン シロフォン ビブラフォン
マリンバ1 マリンバ2 マリンバ3 チャイム
ティンパニ×4 バスドラム シンバル スネアドラム
ロートトム※ タンバリン トライアングル 木鐘
※ 使用サイズ、台数は忘れました。楽譜を読んでください。
オーケストラ楽譜豆知識
↓↓でオーケストラスコアについて紹介しまたが、補足したいと思います。
管弦楽曲を打楽器合奏に編曲するときに面倒臭いことが2点あります。
1点目、これはそれほど面倒でないのですが、見慣れたト音記号(G-clef)とヘ音記号(F-clef)だけでないということです。ビオラはハ音記号(C-clef)で表現され、第三線(五線の下から3番目の線上)がド(C)です。
2点目、これが厄介、表記されている音(記譜)と実際の音(実音)が違う管楽器があるということです。スコアでは楽器名の後ろに“in B”とか“in F”とか付記されています。“in B”なら記譜C(ド)の実音はB(シ♭)※、“in F”なら記譜Cが実音F(ファ)になります。管楽器には、複数の調性を持つ楽器(B管とかF管とか)があり、それぞれに指使い等に合わせた記譜がなされていのだと思います(定かではありません。管楽器奏者に確かめておきます。)※ドイツ語でBはシ♭、シ♮はHです。
まず、クラリネットが違います。“in B”だったら、楽譜のC(ド)を演奏すると出る音はB(シ♭)で、B管のクラリネットで演奏し、“in A”なら楽譜のC(ド)を演奏すると出る音はA(ラ)で、A管のクラリネットで演奏します。オーケストラのクラリネット奏者は少なくともB管、A管の2本を必ず持っています。
ホルンは“in C”,“in Es”,“in E”, “in F”等いろいろ見たことがあります。一人が複数の調性の楽器を準備している様子はありません。
あとはトランペット、これがまたクラリネットなんかよりずっと複雑で、記譜は数々あり楽器の調性も複数あるようで、組み合わせはどれだけあるのでしょうか。「今日は■管の楽器持ってき楽譜がin〇。これは、in △の楽譜を◆管の楽器で吹くのと同じだから、そのつもりで楽譜読んでいる。」と言うのをきいたことがあります。トランペット奏者の読み替え力はすごいなあと思います。
記譜と実音が同じ楽器をアレンジするときは穏やかな気持ちだけど、違う楽器をアレンジ譜に落とすときは脳内の処理工程が増えて疲れます。パソコンを使えば何てことないのだろうけど、道化師をアレンジしたのは随分昔で、全部手作業でやりました。
それでは下に楽譜です。なお、『ギャロップ』は公開しております。
https://note.com/primavera_74/n/n8be5ea253363
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