オーケストラの楽譜は楽器によって『ド』の位置が違う
アマチュアオーケストラの打楽器奏者として経験的に知ったり、管楽器奏者に聞いたりしたことです。
ト音記号とヘ音記号とハ音記号
ト音記号(G-clef)は下から2番の線(第2線)上が『ソ(G)』言い換えると下第1線が『ド』、ヘ音記号の場合は第4線上が『ファ(F)』、言い換えると第2間が『ド』です。これらの他に、音楽の教科書には出てこないハ音記号というものが使われ第3線上が『ド(C)』です。
音域の高い楽器はト音記号、中間はハ音記号、低い楽器にはヘ音記号が使われます。ハ音記号はトロンボーン、ビオラに使われています。
表記されている音(記譜)と実際の音(実音)が違う楽器がある
オーケストラスコアでは楽器名の後ろに『in B』や『in F』と付記されている場合があります。『in B』なら記譜C(ド)の実音はB(シ♭)※、『in F』なら記譜Cが実音F(ファ)になります。付記があるのはクラリネット、ホルンとトランペットです。
※ドイツ語でBはシ♭、シ♮はHです。
〔クラリネット〕
『in B』だったら、楽譜のC(ド)を演奏すると出る音はB(シ♭)で、B管のクラリネットで演奏します。『in A』なら楽譜のC(ド)を演奏すると出る音はA(ラ)で、A管のクラリネットで演奏します。オーケストラのクラリネット奏者は少なくともB管、A管の2本を必ず持っています。
〔ホルン〕
ホルンは『in C』,『in Es』,『in E』, 『in F』等いろいろ見たことがあります。楽器は一つなのでそれぞれに応じて楽譜を読むとのこと。昔、管の一部をはずして音を変えた名残だそうです。
〔トランペット〕
トランペットはもっとすごいです。記譜はホルンと同様数々あります。また、楽器にもB管、C管、Es管と複数あり、オーケストラのトランペット奏者は通常のB管とC管の楽器を持っているそうです。
記譜と楽器を組み合わせると多くのパターンが生じますが、それに応じて読み替えをしています。オーケストラで演奏する人は読み替えの訓練するとのことですが、補助的に文字を書いたり、楽譜を書き直したりする人もいるそうです。「今日は■管の楽器しかなくて楽譜がin〇。これは、in △の楽譜を◆管で吹くのと同じだから、そのつもりで楽譜読んでいる。」と言うのをきいたことがあります。やっぱりトランペット奏者の読み替え力はすごいなあと思います。
また、トランペットは音階を作る機構にピストン式とロータリー式があり、ピストン式のB管、C管の次はロータリー式のC管、B管に行き、さらにEs管をそろえたりと、トランペット奏者はたくさん楽器を持っています。これらを、演奏する曲の調性、音域、特徴・雰囲気、楽譜がin何で書かれているか、1番奏者と2番奏者のバランスをどうとるか等を考えて選んでいるのだそうです。
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