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過労死等防止対策大綱改定案

厚生労働省は2018年4月24日、過労死等防止対策大綱の改定案を公表しました。

<2015年に策定された現行版を改定>

大綱では、過労死や過労自殺を防ぐために国がとるべき対策がまとめられています。

3年ごとに見直すこの大綱を、政府は今夏にも閣議決定する方針です。

今回の改定案では、将来的に過労死をゼロとすることを目指し、労働時間、年次有給休暇の取得、勤務間インターバル制度やメンタルヘルス対策について数値目標を設定することが盛り込まれました。

<労働時間>

2020年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下にするとしています。

また、長時間労働の是正対策として、労働時間をICカードなどの「客観的な記録」で会社側が確認することを原則とすることが新たに明記されています。

さらに、仕事と子育てや介護を無理なく両立させるためには、長時間労働を是正し働く人の健康を確保することによって、ワーク・ライフ・バランスを改善し、女性や高齢者が働きやすい社会に変えていくため、原則として月45時間かつ年間360時間とする時間外労働の限度について周知・啓発を行う方針です。

<年次有給休暇の取得>

年次有給休暇の取得率は5割を切っています。

これを2020年までに70%以上とし、特に年間の取得日数が0日の者の解消に向けた取組みを推進するとしています。

<勤務間インターバル制度>

欧州では1日24時間につき最低連続11時間の休息時間の確保を義務化していることを参考に、日本での導入を促進します。

2016年の調査では、制度の導入割合はわずか1.4%でした。

制度を導入していない企業(92.9%)のうち、制度を知らなかった企業が40.2%で、まずは制度の周知が課題となり、今回新たに数値目標を盛り込むこととしています。

勤務間インターバル制度についてはこちらもご参照ください

<メンタルヘルス対策>

メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合は、長期的には増加しているものの、56.6%と未だ5割台に留まっています。

これを2022年度までに80%以上にするとしています。

また、労働者へのメンタルヘルス不調の原因にもなり得るパワーハラスメントへの対策については、その予防・解決のための周知・啓発を進めることが重要であるとして2017年3月の検討会での報告を踏まえ、必要な対応を検討していくとしています。

パワーハラスメントについてはこちらもご参照ください

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