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今どき百科事典を買った話

世の中お片づけ、断捨離という習慣がもてはやされすっかり根付いた昨今、40代以上でまだ持ってたら真っ先にその標的になるであろうものが百科事典ではないだろうか

やたら重くて場所を取るだけならまだしも発刊された瞬間から1ミリもアップデートされることもなく秒刻みに情報が古くなるが故に絶滅したと思われる昭和の遺産、50年以上前の百科事典をヤフオクでポチったのである

子供の頃の愛読書ってなんですか?
私が暇さえあれば読んでたのはコレ
学研の「原色学習図解百科事典」の最終巻「新しい造形と美術」(1968年初版)

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身近なものから壮大な建築物まで身の回りのデザイン、物作りの全ての理論と実技の基礎、
古今東西の絵画、彫刻等の歴史と重要作品がフルカラーで網羅された図工のバイブル!
これを見ながら毎年夏休みに凝りに凝った図工作品を嬉々として作ってたのが懐かしいし、イメージ通りの物が売ってないなら自分で工夫して作れないだろうか、という発想の源になってるのは間違いない

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30年前に実家を解体した時に処分されてずっと忘れてたのだが、脱サラして本来好きだった物作りの道楽を始めてから時折脳裏をかすめてたこの辞典、
なんとなく探してたけど今や絶滅したと思われる百科事典は古本屋でも扱わないらしくダメ元でヤフオクのアラートに登録したまま忘れてたら突然見つかってしまったので秒で落札(10巻セットならたまにあったけど他は要らないのでバラ売り待ちだった)

開いてみたらもう全ページ覚えてるし、紙の匂いまで懐かしい、、
高度経済成長後期のレトロで華やかな色使いや夢のあるデザインを浴びて育ったのが30年も遠まわりした挙句クラフト作家となった今の自分の物作り・美意識のルーツであり、血肉となって作品に活かされてるんだと再確認できたのである

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子供の頃の自分に再会出来たような、ずっと無意識で探していたパズルのピースを探し当てたかのような、まさに胸熱な巡り合わせであった

数十年もの時を経ても手に取れる本にしか宿らないパワーを、ずっしりとした重みの中に感じている

これは物作りが大好きな私にとっての聖書だったのだ


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