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乙女ゲーの2次創作エロ小説を生まれて初めて書いてみた話

3月9日、唐突にエロ小説を書きたいと思い立った。
題材は、最近ハマった乙女ゲーム「恋と深空」というゲーム。

これがヤバいのだ。
何がヤバいって?
2月22日にプレイ開始した自分が語っていた。

一人称視点で物語が進むのだが「彼」が目の前にいるんだ…そこに居るのだよ……
めちゃくちゃ綺麗なグラフィックと、仕草の細かなところまで、本物が「そこに居る」状態なのだ…

彼から電話が掛かってくるし、メッセージ通知もくる。出れない時は不在着信が残る。メイン画面では、画面で彼が動き回り、交流のひとつとして、彼の心臓の音とかも聴ける。スマホのバイブレーションを活用しており、これがまた「本物」なのだ……必ず心拍数が一定では無く、早い時も遅い時もある。彼を覗き込むと、その時々でセリフが変わる。

2/28頃のオタクの感想(早口)

3人の男性と交流が出来るのだが、まぁどの男も沼が深い。その中で、私は最もヤバそうな怪しい男にひっかかったのだ。名前を「ホムラ」と言う。ちなみに、声優は立花慎之介さんだ。

このゲーム。ダミーヘッド音声がある。
乙女ゲーム、ダミーヘッド…推し声優…
混ぜたら絶対危険である。
完全に情緒がぐちゃぐちゃにされた。

ソシャゲのガチャとは沼が深いというが、例に漏れず、このゲームもそうである。カードの所持によって聴ける音声が異なるのだ。限定ガチャもある。因みに限定ガチャは3人いるのに天井はリセット、尚且つランダム排出だ。限定カードは、動画でフルボイスで彼とのストーリーが楽しめる仕様だ。

今までソシャゲ課金をした事が基本的になかったのだが、これはヤバい。手が勝手にガチャを!ガチャを回す!!!ガチャを!!うわああああ!!!

合計527回分ガチャをぶん回した。後悔はない。
(イベントがまた来るのでまた増えるだろう)


…ところで、だ。これは乙女ゲームなので、セリフが際どかったりするのだ。イケメンがとても親しく接してくるし、デートをしたり、触れ合ったり、「そういうこと」を連想させるボイスがあるのだ。
そうしたら、目覚める欲は決まっている。

エロを描きたいという欲求

3月8日の夜、いつものように脳内がホムラという男でいっぱいだった。キュンキュンさせてくる!!胸が!胸が苦しい!!!つらい!!!!イケメンで顔が!!眩しい!!!イケメンが迫ってくる!!!!

…よし、自分が好きなシチュでエロ妄想をしよう。
そんな思い付きでメモ帳に書き出した。

(実際に書いていたメモ)

これを片手に、とりあえず書き始めた。

その思い付きから30分後、なんとなくの構想がまとまって、とりあえず投稿してみることにした。
創作活動は全く初めてで、タグ付けも次話の続け方も分からなかったので、最初のプロローグだけ。たったの755文字。

投稿して、次話をどう続けようか考えていた。

どれだけエロを書きたがっていたのか…
そんな下心で無心で綴った。

とても嬉しそうである。
だが、なかなか直接的なエロに辿り着かない。
描きたいものがあるのに、産めない苦しみ。
調教をメインに据えたので、ゆっくり進行なのだ。

描きたかったのはこの辺り。これをどうしたら作品の中で描いて、人が成長する姿の表現が出来るのだろう。そんなことを思いながら、無心で書いた。

2次創作、といった形をとっている為、歪な過去には直接触れず、「その過去からどうやって前に進ませるか」にフォーカスした。人間だから、過去は引き摺るものだし、ふとした拍子に思い出して悩むものだと個人的には考えている。それをどうやって2人の関係性の中から引き出していくか。考えるのがとても楽しかった。

独り善がり?

1番最初は自己満足のための妄想だった。
どの程度の文章で話数を変えれば良いか分からず、とりあえず書き進めていった。しかし、書き始めた3月9日の夜に、閲覧数が1,000回を超えていたのを見て「伝わっているのか?」という疑問が浮かんだ。ブックマークが50件あり、興味は持って貰えたのかもしれない。でも、原作に忠実ではない、中途半端な2次創作になってしまった。これを続けて良いのだろうか?という思いが胸をよぎった。

…と、言うことで友人に小説ブン投げて聞いた。
(今冷静に考えるとドエラいことした感ある)
その中で得られた感想を挙げてみる。

◯肯定的な感想
エロい。普通にエロい。
えっちだった。文才あるな…?

素直に嬉しい。

◯技術的な部分への感想
①主人公視点のみだと読みにくい
主人公目線で物語が進むのはわかる。でも主人公の心の中ばかりで地の文が無いから、相手がどんな反応してるか分からない時がある。(主人公の視界に入っていないのもある)
②パズルのピースが細かすぎて拾いにくい
読者に繋ぎ合わせて貰いたいのは分かるが、細かくし過ぎて見落としてしまう。
③2次創作が故の情報不足
前提情報ありきだから、知らないと置いていかれる。通常の小説なら、だんだんとキャラが見えてくるもの。

なるほど…と言われて初めて自覚する部分が多く、
とても勉強になった。

地の文を入れなかったのは、あくまで「主人公からみた世界を描きたかった」からなのだが、描写が足りないというのは、自分の中で驚きポイントで。
パズルのピースの話は、伝わらない選手権だったかー!と1人笑うことになった。

もともとは一次創作を数年前にやりたいと思っていたのだが、キャラ同士の人間関係や設定作りで、一度投げてしまったのだ。書きたいテーマに行くまでが長過ぎて。
なんだか、そこが透けて見えた気がした。後学のためにも、戒めておこうと思った。と同時に、至らなさにちょっと落ち込んだのも事実だった。

エロ動画観てても入りやすいように、茶番のドラマパートから絡み〜みたいな流れが好きな人もあるし、絡みだけでええならドラマパート飛ばすやろ。作り手がどうやっても受け手は結局食べたい部分しか食わんから、それぞれが繋がりつつ、それぞれが独立しても成り立つようにせにゃならんのやろな。

ああ、でもそうか。
「自分が楽しい」が1番はじめだ。
この感想を受けて、なんだか自分なりに納得した。
とりあえず、今回の処女作については自己満足で始めたのだ。他人がどう思おうと、今は好きに書いてみよう。そう思うと不安が薄れた。悩んでいた自分にとって、新しい視点を貰えるのはとても有り難かった。

完成に向けて

3月9日からスタートして、今日が3月15日。
本当は2/14→3/14の1か月を描く為、昨日には完成したかったのだけど、悩んだ期間もあったのだし致し方ない。今週中には結末まで書いていきたいなぁと思う。この1週間はとても楽しかった。
描いてく中で、自分の中での変化も多々あった。

私は、他人の人生を知りたいという欲求が強いのだが、それは他人の人生が書かれた本を読みたいだけであった。中から人間が出てくるのはNGなのだ。ましてや、その人間が自分に興味を向けてくる等、到底受け入れれるものではなかった。

昨年、「iroha部」を始めとした対話、
主従関係やSMを通し、ひたすら自己と向き合って
「リスロマンティック」という言葉に出会った。

他人と向き合う怖さが強かったのだが、小説を紡ぐことによって、他者との「未来」に目を向けるというのも悪くないな、と思った。

いつだって人生は、何がキッカケで、
どんな風に変わるか全く分からない。
唐突で複雑で…
そして、だからとても楽しいのだ。

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