ロシアの入国審査官は本当に恐ろしいのか?
S7航空のウィキペディアのページをみてみると、
「エスセブンこうくう」という読み方である、
と出てくる。
ロシア連邦の航空会社で、「シベリア航空」の愛称だそうだ。
ロシアの国内線では最大のシェアを占めるというこの航空会社。
コーポレートアイディンティティー(CI)が美しい。
緑色の機体に、白い書体。
奇しくも、ボーディングブリッジに三井住友銀行の広告が施されていて、
「S7航空は三井住友フィナンシャルグループだったのか」
と思わせるほど、違和感がなかった。
機内の備品も色味が統一されていて、洗練されている印象。
キャビンアテンダント(CA)さんもロシア人女性なのか、
目鼻立ちのはっきりとした美人が多く、
目を合わせるのを躊躇するようなオーラを感じた。
(男性のCAさんは、軍人上がりかな?と思えるガタイの良さ。)
出発から2時間強で、ウラジオストク国際空港に到着。
イミグレーションのカウンターは、
かつての社会主義体制を思わせる機質な造り。
日本人が行き慣れた国のイミグレーションは、
列に対してカウンターが垂直の場合が多いように思うが、
ここでは、列に対してカウンターが平行にあり、
カウンター部分には屋内にも関わらず屋根があり、
「ブース」という表現がしっくりくるような造りだった。
事前情報で聞いていた、
「ロシアの入国審査官は恐ろしい」
との話について私はあまり恐怖を感じず、
すんなりと入国できたイメージを持った。
空港から出たところで、
最初の2日間のガイドをお願いしているアムロさん(仮名)と合流。
雰囲気の良い気さくな人だが、
ちょろっと話を振ると、ずっと話が続く方。
旅には、「空気を作る側」の人間が必要で、
そういった属性に人がひとり増えて良かったな、と感じた。
空港の外観を望むと、まさに「大きな四角」が
ドンと横たわっているような印象。
看板や、空港名を表すサインなどがロシア語のみで、
(もともとは国内線専用だったのかな?)と思ったりもした。
サインがロシア語のみであることについては、
個人的な考察を後述する。
空港出口から、ガイドのアムロさんの車に向かう途中、
「え?」と思うことを聞いた。
日本人が海外に行くと、かなり高い確率で
現地の人に向けて質問するであろうことを、
我々も懲りずにしたあとの話だ。
「この辺、治安はどうなんですか?」
これに対して、アムロさんは割と予想通りの応えをしてくれた。
「悪くないですよ。」
なので、我々も順当に次のセリフを返した。
「あ、そうなんですね。スリに気をつければ良い感じですかね??」
このあとのアムロさんの言葉が、予想外だった。
「いや、スリも大丈夫です。近しい人でそういう被害、聞いたことないので。」
海外には30カ国前後行っているが、
「スリに気をつけなくて良い」
なんて言葉をガイドの人から聞いたのは初めてのことだった。
昨年などは、イタリアに赴いた際に
ガイドさん「だけ」が財布を掏られるという事態に直面したばかり。
「ここから私の“ロシアに対する見方”が変化したのだろう」
ということは、当時の私は知る由もない。
(と、自伝モノにありそうな言葉で、この号を終える。)
_03■ 1st Day「S7航空というエアライン」
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