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データサイエンスチームで、はじめてのインターンシップを受け入れました。

※ ブログ記事の統合作業を実施しているため、2021年11月の記事を今さら公開しております。

はじめに

株式会社PREVENTのデータサイエンス(DS)チームの戸田です。今回はDSチームで受け入れたインターンシップの活動を報告します。

有給のインターンシップという形でしたので、業務タスクをお願いしつつも何か学びをご提供できればと思い、先行文献の追従解析を追加しました。盛りだくさんで課題が多過ぎたかと思いましたが見事にこなしていただきました。

ツイッターのDM経由で連絡をいただいた東京大学 公共健康医学専攻の瀧澤さんは、9月6~24日の実稼働日が13日と非常に短い期間のなかで、以下の課題にチャレンジいただきました。

  1. 弊社解析業務のMyscopeのデータクレンジング

  2. データセット仕様書や業務についての仕様書などのドキュメント整理

  3. 社内匿名加工済みデータを用いた先行文献の追従解析

リモートでのインターン受け入れ

9月30日まで東京では緊急事態宣言が出ていました。そのため、インターン開始の9月6~10日までホテルにてリモートで作業していただき、その後、マスク着用・入室時の手指のアルコール消毒など弊社が定める感染予防対策を徹底した上で、9月13日よりオフィスでインターンを開始しました。柔軟に対応いただき感謝しております。
リモートのみでのインターン受け入れはなかなか難しいなという印象でしたので、今回のように前半リモート、後半は出社で今後のインターンを実施する可能性があります。

課題の成果報告

1. Myscopeのデータクレンジング

健康診断データおよびレセプトデータは、クライアントの保険者様からお預かりし、弊社内のレポート作成コードに合うように整形されます。Myscopeでは、機械的にクレンジング作業を行うためのアルゴリズムを組んでいますが、人によるチェックとコードの変更が必要な箇所があります。お預かりした生データから指定したフォーマットに変換する作業を期間中に2件行なってもらいました。

2. データセット仕様書や業務についての仕様書などのドキュメント整理

弊社内で保有しているデータについては、ER図が存在しているものの定義書やプロファイルがまだ不十分です。そこで、ER図と指定した参考資料を用いて定義書の作成してもらいました。エディタの指定はしませんでしたが、フォーマットはMarkdownに統一しました。(レセプトDBの定義ドキュメントの一部)

3. 先行文献の追従解析

今回参考にさせていただいた論文は2021年に公開されましたPhysician visits and medication prescriptions for major chronic diseases during the COVID-19 pandemic in Japan: retrospective cohort study(I.Osawa, et al, BMI Open, 2021)です。COVID19流行による緊急事態宣言前後での慢性疾患に対する医師の診察と処方行為についての日本の観察研究です。proportion of days covered:PDC(処方日数を対象期間の日数で除した割合)という指標を抜き出すことや時系列でデータを取り扱うことがレセプトの取り扱いを実践してもらう良い題材となると考え、インターン課題として選択しました。

結果のサマリー

弊社内匿名加工済みデータセット(225,237件、2017.01~2020.12)を用いて、論文にある指標を計測しました。 詳細をみるとまだ考察しきれていない部分はありますが、1回目および2回目の緊急事態宣言前後で受診回数が減少していることがわかります(スライド8枚目)。参考にした先行文献と類似した結果が得られました。

引用:https://www.docswell.com/s/PREVENT_DS/5M71WK-2021-11-05-144511

インターンシップを参加した感想

インターンシップに参加した瀧澤さんより感想をいただきました。

今回インターンシップをさせていただいた瀧澤です。
私はデータサイエンスの学習はしておりましたが、レセプトデータなどの生データに触れる機会はなく、「データサイエンス職に興味はあるが、実際の業務は自分に合っているのだろうか?」という不安がありました。今回のインターンシップで 、データ分析の8割を占めるといわれるクレンジング業務や実際のレセプトデータに触れることで、PREVENTのデータサイエンス職の業務内容がイメージしやすくなりました。学習したことが実際のデータではスムーズにいかないことも体験でき、とても充実し学びの多い経験となりました。 これまでレセプトデータとの関わりがなかったのですが、ドキュメント作成と論文追従を経て、受診から請求までのデータの流れをイメージできるようになりました。
PREVENTのインターンシップを経験し、よりデータ分析に関わりたい気持ちが強くなりました。この経験は自分にとって資産だと感じています。受け入れてくださったPREVENTの皆様、本当にありがとうございました!

まとめ

DSチームでのインターンの受け入れは初めてのことでした。非常に優秀な方でしたのでなんとか形にしていただき、さらには今後インターンシップの方針もだいたい定めることができました。この場を借りて瀧澤さんにはお礼を申し上げます。

今回の経験を踏まえて、

  1. 弊社解析業務のMyscopeのデータクレンジング

  2. データセット仕様書や業務についての仕様書などのドキュメント整理

  3. 社内匿名加工済みデータを用いた先行文献の追従解析

をインターン受け入れ時の通常メニューにしたいと考えています。(※ もちろん期間に応じて課題設定は行います)。
ヘルスケアスタートアップが扱う生データに触れていただき、データの活用方法について考え、体験いただく機会をご提供いたします。
ただ、ある程度のドメイン知識が必要ですので、前半はドキュメント作成などのタスクで特有なデータ構造について学んでもらい、後半にはガンガンコードを書いてデータ分析を進めるという流れが良いかなと思います。

  • ヘルスケアベンチャーでDSチームが何しているの?

  • 実際にどんな業務があるの?

  • 今後の展望ってあるの?

など、この分野でDSを目指したい方はお問い合わせいただければと思います。ご興味のある方は是非ご連絡をいただければと思います。