Gの世界⑥ ゴキブリのたまご
はじめまして。こんにちは。
『2月は逃げる』という言葉通り、あっという間に流れていきそうな日々に、休日コーヒーやマンガや音楽に励まされながらノンシュガーなマンガを構想中のGプレッソです。
さて、今回のGの世界⑥におきましては
『ゴキブリのたまご』と題しまして、
ゴキブリのタマゴや産卵、ライフサイクルや繁殖についてライトに綴ってみたいと思います。
まずはオープニングマンガGの思い出。『コッキーの行進』を掲載したいと思います。
(あらすじ)
前回までと同様、世紀末の3畳一間の暮らしの中でのGとの出来事を回想したものです。ある夏の日の朝、目覚めたワタシの目に飛び込んできた光景とは?
『コッキーの行進』
はじめに お願い
目次
・オープニングマンガ『コッキーの行進』
・はじめに お願い -Gの世界全記事にわたっての-
・ゴキブリ観察動画『コッキーの散歩』
・Ⅰ ゴキブリの産卵
・Ⅱ ゴキブリのタマゴ-卵鞘(エッグケース)
・Ⅲ ゴキブリのライフサイクル
・Ⅳ ゴキブリの繁殖
※ゴキブリ観察動画が随時挿入してあります。
本記事6本
・連載Gマンガ『ボクはディオゲネス』
第88話 タイムタイム。
・あとがき とにかくも動く。
・次回予告
G観察動画 コッキーの散歩ーボクはへっちゃらー
1分12秒
さんぽに出掛ける直前思わぬハプニングに遭ってしまうも?
あらためまして、こんにちは。
世界も社会も相変わらず不透明な状況ですが、近づく『春』の気配に少しでも勇気をもらい、新しい表現へのモチベーションにつなげたいな、とのんびり歩くGプレッソです。
さて、今回は大枠では『ゴキブリの増え方』に関する記事を綴ってみたいと思います。
果たしてGはどのようにして数億年の種のバトンをつないできたのか?
非常に興味があるところです。
Ⅰ Gの産卵
ディオゲネスのセクシュアリティ
初めに確認しておきますと、およそ3年に渡るGリウム体験において、ワタシは残念ながらGたちが卵から出てくる誕生の瞬間は観ることができませんでした。また、産卵-産み落としの瞬間-に関しても、動画に収めることは叶いませんでした。
その上で、卵をくっつけたディオゲネスを眺め、観察しながら、当時感じ取れたことを絡めつつ綴ってみようと思います。
それは、共に暮らし始めて2か月くらいが経過した時のことでした。
何やらおしりの先にくっついているものを発見しました。
見慣れないものであったので、何かよからぬ事態(体調不良とか)かと思いきや、すぐさまネットで調べてみれば、それは「卵」でありました。
『ということはディオゲネスは雌(メス)だったのだろうか?』
それまで、ディオゲネスがオスであるかメスであるかを気にしていなかったワタシは、この時になってはじめてGのセクシュアリティについて意識して観ることになったのでした。
結論からすると、おそらくディオゲネスは「メス」であったわけです。
が、ワタシはそれ(ディオゲネスがメスであるということ)を理解するまで、ひょっとして
『ケースの中という非日常の生活の中で、3億年超の生命活動の神秘の隠されたシステムとしてオスだった個体がメスに変化した?のかもしれない』
或いは『オスのまま卵を宿したのかもしれない?』或いは・・・というような空想を真剣に膨らませていたのです。
G観察動画 Gの崇高 1分00秒
さて、上記ような空想のうちの一つ『交尾なしで自らの複製を宿した?』という疑問は、どうやら本当のようでした。
『単為生殖』₋たんいせいしょく‐という言葉がキーワードです。
単為生殖(パーセノジェネシス)
いわゆる「生命」が増えるために使用するシステムが『生殖』という行為ですが、生殖には、有性生殖と単為生殖という増え方があります。
オスーメスの性システムの有性生殖に対して、メスのみで子どもを産み増やしてゆくシステムが単為生殖といわれるものですが、
この「単為生殖」は昆虫では珍しくもないようで、Gもまた、『有性生殖と単為生殖を切り替えることが可能な生物』ということなのでした。
逆境の環境に置かれた際の、生命を繋ぐ最終手段として「単為生殖」があるーという考え方があるようです。
ディオゲネスにとって、ケースの中が逆境であったかどうかは、当人に聞けるはずもなく、しかし、やはりヒトのエゴでケースの狭い世界に閉じ込めてしまったことに変わりはなく、それが引き金となって、逆境下でタマゴを宿した、と考えるのが客観的事実だと思(って)います。
もちろん、ワタシが捕獲する直前くらいのタイミングでオスとすでに交尾していたという可能性は無きにしも非ずですが、捕獲後2カ月ほど経過してからの初めてのタマゴを宿していたことからも、どうも、「単為生殖」の方が辻褄が合う気もしますし、納得できます。
ただ、それを踏まえつつも、なお、ワタシは、この少しづつ変化していくたまごをくっつけたGを日々眺めながら、先に挙げたような空想も本気で思い巡らせていました。
「性の転換」が可能な一部の魚のように、そのようなシステムがGにもあり得るのかもしれない、『オスからメスへの変容』という線もあり得ないことではない、ーと現在も『謎』な思いは残しています。
※「ケースに閉じ込めてしまう(しまった)こと」への葛藤は、現在でもワタシにとっての宿題でありまして、今回12回にわたる連載「Gの世界」の後半の記事でも少し綴ってみようと思います。
産卵の時
さて、初め白っぽいベージュ色のような膨らんでいた卵は、やがて、徐々に色味を深め変化していきました。
また、日が経つに連れ、ディオゲネスも動きの反応が薄くなってきたような感じも見受けられました。樽の中に籠る頻度が高くなっていたようにも見えたのです。
そのように動きがゆったりになったことから、出産(卵がどのように離脱するのかもわからない状況でしたが)が近いのだろうか?とも思えました。
『果たしてどのように生まれるのか?』―という好奇心もあり、着目して数日見守っていましたが、ある日の夜更け、とうとうその時は訪れました。 撮影には数秒の差で間に合いませんでしたが、タマゴがGの身体から離脱するその瞬間を、ワタシはスローモーションのように観劇していました。
手塚先生(マンガの神様)や竹宮先生(風と木の詩・地球へ)や萩尾先生(ポーの一族・残酷な神が支配する)のような直観像記憶(映像記憶/写真記憶)の能力はワタシにはありませんが、本当に強烈な体験は脳裡に残るのがヒトの脳システムであると言われる通り、どうやらその瞬間も、ワタシの脳裡に残り続けるスペシャルな一コマになったのです。
それは『「ポト―・・・」』と柔らかく落ちたのです。
そして、産み落とされたタマゴはつやつやと飴色に光っていたのでした。
その後、ディオゲネスは、その飴色に輝く艶々したタマゴを隠すような行動に出ました。具体的には木のブロックに埋めようとする行為を繰り返したのですが、産み落ちたタマゴを守ろうとする行動だったのでしょう。
調べて見れば、自然界においてはGの天敵は少なくなく、Gのタマゴに自らの卵を産み付ける種も存在するようです。「タマゴを隠す」とは、それらの天敵からタマゴを護ろうとする本能的な行動なのでしょうか。
G観察動画 エッグを護るG。 1分25秒
また、☟下記動画のようなタマゴをペロペロ舐める行為も確認できました。これは、キレイ好きのGらしい本能なのか、或いは慈しむような愛情表現としての行為なのだろうと思えました。
※他にも何かしら科学的・合理的な意味がもしかするとあるのかもしれな いな、と想像もできます。
G観察動画 タマゴを慈しむG。 0分55秒
↑ピカピカ光っているようなタマゴが不思議な感じです。
Ⅱ Gのタマゴ
卵鞘-エッグケースー
ここでは、卵鞘(クロGの)―エッグケース-に関しての基本情報をまとめて置きたいと思います。
・Gの卵は『卵鞘-らんしょう―』と名付けられていて、
一つの卵鞘に複数の部屋があり多数のベビーGが生まれてくる
という生命システムオブジェ
・卵鞘内―水分で満たされ2列26個ほどの卵が
スポンジ状物質で薄く覆われて収まっている
・クロゴキブリの卵鞘20~30個の卵が入っている 22~28個
※個数は書籍によりまちまちで紹介されている
・卵鞘の固さはプラスチックほどまで丈夫になる
・外気を取り入れるための微小な穴が空いている
👇下記の写真は、ディオゲネスが産み落とした2つ目の卵鞘です。
Ⅲ Gのライフサイクル
さて、ゴキブリのライフサイクルは
一体どのよう巡ってゆくのでしょうか?
以下、大まかにまとめて置きたいと思います。
⓪卵鞘 形や大きさは種により
都度都度によりまちまち
①孵化 2週間~3か月
②幼虫 コッキーのステージ
③脱皮 数度繰り返す
④羽化-最後の脱皮-翅が生えて成虫へ
⑤成虫ステージ
クロGの大まかなライフサイクル
卵期 約30~50日
幼虫期 4~6か月(240日~360日)
脱皮回数 8~10回 成虫寿命 ~200日~
※環境・諸条件による/様々なデータあり
卵・幼虫・成虫の全てのステージで越冬可能
ゴキブリたちも、生まれてから、何度か脱皮しながらサイズが大きくなってゆくこと。喜怒哀楽を引き連れてつつがなく日々暮らしてゆくこと。やがて寿命がやってくること。
毎日の『生活』が大切なことは、ヒトと変わらないのだな、と思えます。
G観察動画 コッキーエッグすりすりと。 1分40秒
Ⅳ Gの繁殖
一般的に『ゴキブリはとてつもない勢いで繁殖してゆく』ーと言われ、恐れられることも多いですが、果たして、Gの繁殖はどのように展開してゆくのでしょうか?
以下、Gの誕生までをダイジェストで記して置きたいと思います。
求愛行動-夏が来るとメスがフェロモンを出し、
触角を触れ合い、
オスは求愛ダンスを始める
(翅を垂直付近まで持ち上げ背中を見せる)
交接スタート
交尾(生殖行為)
-メスの生殖器官(卵子)&オスの生殖器官(精子)→受精
卵鞘(エッグケース)形成
単為生殖(幾つかの種でポテンシャルがあり)
メスの産卵行動-種によってさまざまに異なるパターンがある
・孵化直前まで持ち歩くタイプ
・その場に落としていくタイプ
・もう一度体の中にしまっておくタイプ
※体内孵化で産む~直前にエッグケースを落とす
・ケースそのものを作らず一個ずつ卵を産むタイプ
※古代Gの種で可能性があるらしい
・ケースを作らず体内の保育袋で幼虫を育てるタイプ
※ヒメゴキブリのみ
卵がかえるまでの日数-温度など諸条件によってさまざま
エッグケースからの誕生-ある日ケースが膨らみパックリ開く
※うまく開かない場合もあり、開いて閉じてしまうパターンもある
クロゴキブリのエッグケース産卵回数は~15~20回~程と言われているので、一つのカプセルに20~30のタマゴが収納されていると考えれば、
一匹のGにつきおおよそ500匹程の子孫を残すことになるようです。
繁殖サイクルがうまくまわる環境が整っていれば、あっというまに数万~数十万~というGたちが出現することになりそうです・・。
さて、この記事の最後に「Gの首すじがよく観察できる動画」を掲載しておきたいと思います。マニアックで、かつ、あえて6分の長い動画です(同じような絵が続くので適当なところで切り上げて頂ければと思います)がゼリー状の何とも言えない味わいの動画になっています。
G観察動画 Gの首すじゼリーマニアック動画ー
6分00秒
☟以下は連載Gマンガの『ボクはディオゲネス』です。
Gマンガ『ボクはディオゲネス』
第88話 タイムタイム。
。
-以上で、
今回のGの世界⑥『ゴキブリのたまご』の記事を終えたいと思います。
本日は訪れていただき誠にありがとうございました!
あとがき とにかくも動く。
少しずつ冬の寒さが緩んできそうなこの頃、相変わらず終わらない値上げとか争いとか、世の中は果てが無いような分断状況が着々と続いています。 ますます先の見えない〈世界〉の中で、果たしてどのようなモチベーションを保って暮らしていけるのか、マンガや音楽や芸術やコーヒーに助けられながら、探り探りですが、ともかく止まらずに歩いていきたいと思っている2月の終わりの昼下がりです。
「休憩を挟みながらでも、ともかくも具体的に動くこと」
を自身に問い掛けていきたいと思います。
次回予告
次回『Gの世界Ⅶ』では、『ゴキブリの赤ちゃん』(仮題)と題しまして、いわゆる『コッキー』に関しての記事を中心に綴りたいと思います。
タマゴが孵化して生まれてくるコッキーたちですが、それは、いよいよ
Gリウムの新たな展開にも触れざるを得ないことになります。
果たして「タマゴ」が孵化してしまったら「Gリウム」はどうなってしまうのか?
コミカルで癒される(?)動画もいろいろと揃えてありますので、また
お時間のある時にでもぜひお立ち寄り頂ければと思います。
よろしくお願いします。
※『Gの世界』の記事における参考図書・サイト等は
Gの世界Ⅲ『ゴキブリ入門』の記事にまとめて掲載してあります。
著者紹介
note記事のおしらせ
2023年2月時点で、以下のラインナップをnote記事に綴っております。
○『デイドリームビリーバー-マンガを作ってみませんか?-』
32ページ読み切りマンガ作品
&マンガメイキング書籍の紹介・宣伝記事
○『Gの世界~ゴキブリの魅力について~』
※クロゴキブリ飼育体験記事「Gリウムの冒険」を
現在進行形で、リブート中。
○『マンガワールド-Gプレッソの。①~⑫』私的マンガ論記事
○『ワンダフルワールド-Gプレッソの。001~012』
ワンダフルを模索してゆくための試論的記事
エクストラ三部作-二次元表現へのトライ-
○『デイドリームビリーバーEXTRA マンガを作ってみませんか?』
○『マンガワールドEXTRA 絵の始まりから現代マンガ誕生まで』
○『絵画ワールド EXTRA 世界の全ては「絵」でできている!?』
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最新更新日 2023年2月
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