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星がきれい

2016/03/20

『星がきれい』:The Little Monsters Family
(ゆずと寺岡呼人さんのユニット)

今月は大事に思っている
思い出の一曲をカバーしました。


…もっと言えば母が好きな曲で、
それで私にとっても大事な曲になったというものです。

私の高校は家からとても遠くて
田舎で夜道が暗かったので、
部活で帰りが遅い時はいつも母が
途中まで車で迎えに来てくれていました。

その頃の私はひどく反抗期で、
家ではいつも不貞腐れていて、、、
母とはいつもバトルしていて、、、

自転車を車に積んで助手席に座り
ドアを閉めた途端、
私はいつもムスっとソッポを向いてました。

そして会話が投げられても
私は黙ったまま何も答えず、

代わりに(…ではないけれど(^^;;)
自分の好きなCDを入れて曲を流すのです…。

そしてある冬によくかけていた曲が
この曲だったそうです。
(悪態ついてる割にはいい曲流すよね笑)

田舎なので夜空は広く、
星がいつも良く見えていて、
10分くらいの道を2人無言で険悪なムードの中
この曲を聴いて過ごすのでした。

ある日私がなかなか助手席に入ってこなくて、
とても寒い日だったので母は早く家に帰りたくて、

「何してんの!? 早く乗りなさい!」と言ったら、
暫しの沈黙の後、
私はムスっとボソッとただ一言、
「空、星がきれいだけど。」
と言ってずっと空を見上げていたそうです
(私はよく星を見てました)。

何も言えなくなって空を見てみたら、
確かに星がきれいだったと。笑

それからこの曲は母にとって、
その頃の日々を思い出す一曲になり、
私が実家を出て、
ちっとも帰省も連絡もしなかった間、
冬になると夜空の星を見ながら
よくこの曲を聴いていたそうです。

私自身元々この曲は好きだったのですが、
ある日母からその話を聞いて、
何というか…反省だったり感謝だったり、
母親という存在の大きさだったり、
色々な想いがこみ上げてきたことをよく覚えています。

それからこの曲は、
私にとっても少し思い入れの詰まった
とても大事な一曲となりました。

そしていつか、
この曲を演奏できるようになりたいなぁと
ずっと思っていました。

いつの日かフルVer.を
とても素敵に演奏できるようになって、
母に届けられたらいいなと思います。

音楽ってさ、
その頃の光景や感情がギュッと詰まっていて、
流れた途端その光景や思い出が
ものすごくリアルに再生されることないですか?

そのリアルさは他のどんな記憶装置も
絶対に敵わないと私は思っていて、

それは一つ、音楽の持つとても不思議で
偉大なマジックだと私は思います。
音楽×人間の脳。素敵な響きだな。

個人的なある瞬間の体験や想いが
背景になって曲が生まれ、
それがまた誰かの日々や体験と重なって、
やがて一人一人個人個人の中で
其々の世界や時の象徴になっていく。

そういうのがとても素敵だなぁと
私はずっと思っています。

そうやって、世界は見えないとこで
絶妙に重なりあい繋がっていて、
音楽を通して
そういうことを感じられるのも良いなと。

この曲の楽譜を実家から送ってもらった際、
絶対に捨てるなよ、と言われたので笑
断捨離しないよう気をつけます。