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二項対立 by がりは(2008.6.4)

空を飛ぶ鳥を見て。
「なんで俺は鳥じゃないんだろう。」と嘆いたうつぼ野郎がミッチー。
「どうやったら俺は鳥みたいに飛べるんだろう。」と考えたうつぼ野郎がハッタリスト。
「あ、唐揚げにしたらうまそうやな。」とよだれを垂らしたのがたりき。

夜寝る時に。
「どうして俺は眠たいのだろうか。」と考えて眠れなくなった愚か者がミッチー。
「どうしたら俺は寝なくて済むのだろう。」と考えてるうちに眠ってしまった愚か者がハッタリスト。
「うへへへ。この薬を使えば三日三晩くらい寝なくても平気ざます!!」と高笑いした愚か者がMr.ピンク。

朝起きた時に。
「どうして昨日の俺と今目覚めた俺が同じ俺なのか。」と頭を抱えて、朝食を食べ損なった笑い者がミッチー。
「どうやったら昨日の俺と今目覚めた俺が同じ俺だと示せるのか。」と考え、寝ている様をずっと録画したのがハッタリスト。
その画像をマニアに高く売りつけたのがうべべ。

テレビのお笑い番組を観て。
「なぜ俺は彼らの話を聞いて笑ったのか。笑いはなぜ起こるのか。」と考えて笑いが消えてしまったのがミッチー。
「どうしたら彼ら以上に人を笑わせることができるだろうか。」と考え、一念発起しM-1GPに挑戦を決めたのがハッタリスト。
「僕はその辺厳しいで。」と何故か既に審査員気分なのがNIKE。

プロレスを観て。
「なぜ彼らは自ら好んでその身を差し出し痛めつけられるのか。」と手に汗握るのがミッチー。
「どうしたらあんなに耐えられるのか。」と体をフンフン鍛え始めたのがハッタリスト。
その二人に逆水平チョップを乱れ打つのががりは。

カラオケボックスにて。
「なぜ人の歌を聞かない人々がこんなに集っているのだ。」と苦悩するのがミッチー。
「どうしたらこいつらは俺の歌を聴くんだろう。」と机の上に乗って拡声器で歌い始めたのがハッタリスト。
「そんなのどうでもいいです。」と毛布を持ち込んでゴロゴロし始めたのがDENCH。

飲み会にて。
「なぜこの液体を飲むと俺は心持がよくなるんだろう。」と真理を探究するような心持で深酒をし、翌日眼鏡をなくすのがミッチー。
「どうしたら酒を飲んだ時と同じような高揚感、全能感を得られるのか。まずは体内で起こっていることから調査だ。」と脈を取り始めたのがハッタリスト。

空を飛ぶ鳥を見て。
「あ、飛んでる。」と思ったのがミッチー。
「うん、飛んでるね。」と思ったのがハッタリスト。

空が、青い。


※自己紹介がてら、過去の作品を少しずつ紹介していきます。

文中に出てくる「ハッタリスト」「ミッチー」「たりき」「Mr.ピンク」「うべべ」「NIKE」「がりは」「DENCH」は全て人名です。このPREMIERの世界で作家として活躍しています。おいおい作品を紹介していきます。


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