見出し画像

あれこれ、あれこれ②

1988年5月25日発売の6曲入りミニアルバム「JEALOUSY」。大好きなアルバムであるにも関わらず、なぜかこのアルバムに関する持ってる資料は少ない。ミニアルバムであるがゆえにあまり宣伝されなかったのか、はたまた筆者が見逃したものが多いのか。

LOUDNESSがこの時ミニアルバムを日本国内のみでリリースしたのは「HURRICANE EYES」の次のフルアルバムまでの「つなぎ」として、の意味合いが強かったのだろうか。「HURRICANE EYES」はプロデューサーにエディ・クレイマーを迎えて制作され満を持してリリースされたものの、所属するATCOレーベルから大きなプッシュを得ることなく、結果ビルボードアルバムチャートでは190位に登場したのみ。アルバムのプロモーションとしてのツアーもSTRYPERのスペシャルゲストとしてアメリカを1ヶ月ほど廻っただけ(プエルトリコでもやったが)という、バンドにとって不本意な状況だった。

ある意味、当時はミニアルバムをサクッと作ってツアーしよう、くらいのかんじにも見えたが、実際は曲はバラエティに富んでおり、バンド史上最もポップな曲と言われるものから超絶テクニカルなハードな曲まである、バンドの力を存分に見せつけた素晴らしい作品となった。筆者にとって学生時代ギターのコピーに明け暮れた、思い出深い大好きな作品で、嬉しいことに30周年記念盤も発売されている。勿論、予約して即購入した。

そんな作品「JEALOUSY」の魅力を伝える、現在はヤフオク等でも入手困難な発売当時(=32年前)の記事を紹介していく。これらはすべて筆者がファイルしてあったもの。書いた文章は雑談のようなものだが、お付き合いいただける方はぜひご覧いただきたい。

画像は全部で15枚、すべて自分のコレクションを撮影したもの。なつかしいなぁというかんじで見ていただければと思う。

画像12

まず最初の記事はYG誌で珍しくメンバー全員のインタビュー。いつものような高崎師匠の単独インタビューではない。しかし、この印刷のクオリティ、すごいな。

前年に「HURRICANE EYES」の日本語ヴァージョンをリリースして好評だったこともあって、ひさしぶりに日本語メインのアルバムを作ってみようかと思ったという話からスタートしている。日本語のアルバムを作ってほしい、という手紙をファンからたくさんもらったとか。

そして高崎師匠が、組織再編していたATCOの新体制が整うのは翌年の3月以降になりそうなので、それまでアメリカで身動きできない旨を説明している。

出来上がった音を流しながらのインタビューだったようで、インタビューアは「随分ポップになったな」という印象を伝えている。Long Distance Loveのことを指して、シングルヒットを狙ってるのかと訊かれると樋口さんは当然だというような返答。売れなければ大きな会場でできないし、もっとLOUDNESSは売れなければならないと。

そういえば、LOUDNESSはアルバムを日本国内で10万枚近く売るバンドになった、という記述を前作に関する記事で目にした。実際、「HURRICANE EYES」は日本でゴールドディスク(10万枚以上の売上げ)に認定されたはずだ。もうしわけない、手元に資料はないのだが、二井原さんがどっかでそんなこと喋ってた。

画像12

次の記事はGM誌でのインタビュー、だと思う。この写真のタッカン、すごくカッコいい。アーティストとして乗りに乗ってるかんじが出てるというか。

インタビューはまず、メンバー全員のソロアルバムを出そうとか、シングルを月イチで3枚連続で出そうとかいう計画もあったという話から。

「JEALOUSY」のレコーディング はリズム録りは観音崎マリンスタジオで19日間、合宿みたいなかんじで行い、あとは六本木にあったセディックスタジオでほとんどやったとか。エンジニアはもちろん、ビル・フリーシュ。アメリカからわざわざやって来て仕事してたんだな。そういえばYouTubeにマリンスタジオでの様子を伝える動画あった。レコード会社がプロモーション用に作ったもの。

Long Distance Love は当時の他のギターキッズと同様、筆者が初めてスウィープ奏法にトライするきっかけになった曲。今回スウィープが多いですねとインタビューアに言われ、タッカンはあれは初歩的なやつでキッズのために入れたと笑って答えている。

画像2

あと有名な話だが、Jealousyは「HURRICANE EYES」に入れたかったけど、エディ・クレイマーに落とされた曲だとかいう話も。

最近インスパイアされるものはあるかとの問いに対しロバート・フリップと答えていたり。

各曲の解説も簡単に。譜例も付いている。

画像4

次はアルバムとツアーに関する簡単な紹介といった記事。

そうそう、Long Distance Love はCDシングルとして出たし12インチシングルとしても出たロングヴァージョンがあった。なぜか30周年記念盤には収録されなかったが。当時としてはかなりオシャレなアレンジになっててタッカンもディスコヒットを狙ったと言うほどだった。筆者は大好きだったが、古参ファンというか諸先輩方には不評だったのかな。ああいう曲で新たなファンを獲得するのは非常に大事だと思うのだが。

ファンとしては異端になるかもしれないが、筆者は今もってLet It Go, Rock N' Roll Gypsyといった曲が大好き。実際、学園祭でやったらめっちゃウケた。普段LOUDNESSなんか聴かないような人たちがノッてくれてるのを見るのは嬉しかった。

画像5

その次は、何かその後を暗示するような記事だった。別々にインタビューを受けてるのだが、話していることからもやっぱりそうか、みたいなかんじ。まぁ、結果を知ってるからそう取ってしまうのか。

Heavier Than Hell と Jealousy は「LIGHTNING STRIKES」の頃からあった曲だと二井原さんが言ってる。「DISILLUSION」は6, 7万枚売れた、とかの話も。それ以上日本では上に行けないんじゃないか、と思って海外へ進出したと。でも改めて日本語で歌ってみてその良さを感じ、クサいと思われてもいい歌ならいいじゃないか、みたいな。

高崎師匠は他のインタビューと同様、ATCOのプロモーション状況のことを語り、依然アメリカでの活動に強い意欲を持ってることが伝わってくるような内容。

画像6

画像12

こちらのインタビューはけっこうレコーディング の時の詳細な話が出ている。

3月16日から観音崎マリンスタジオでレコーディング が始まり、リズム録りとギターソロの一部の他はトラックダウン含め東京のセディックスタジオでやり、トータルで26日間かけて行われたと。

Long Distance Love の12インチ・シングルヴァージョンの始めのほうのサンプリング音は樋口さんのエフェクトラックで出したもので、メンバー全員で音を入れたらしい。あとキーボードに笹路正徳さんが2曲ほど入り、Heavier Than Hell のコーラスにフランク・ディミノとポール・レイモンドが入った。

画像15

この時すでに次のアルバムの話をしてて、高崎師匠はプロデューサーとしてボブ・クリアマウンテンがいいなと語ってたり。二井原さんはDOKKENを手がけたニール・カーノンがいいと言っており、のちに報道されるような"もともと脱退が決まってた"みたいな様子はない。編集部注として、次作はニール・カーノンとアンディ・ジョンズになるらしい、というようなちょっと驚くようなことまで書いてあったりする。

樋口さんは翌年の海外ツアーの予定に加えて、国内ツアーは年2回やった方がいいかもしれないと発言している。シングルヒットがほしい、大きな会場でやりたいとも。

画像13

雑誌に付いてたポスター。この二井原さんカッコいい、

画像15

5月30日の東京PIT公演から始まったツアーの模様を伝える記事。姫路城フリーコンサートでの市長との写真や二井原さんが弾き語りで「男が女を愛する時」を披露したという写真も。

Loudness / This Lonely Heart / Shadows Of War / Jealousy / Long Distance Love / Piano Solo / Die Of Hunger / Guitar Solo 〜 Drums Solo / Crazy Nights / Heavier Than Hell / S.D.I. <ENCORE> Crazy Doctor / Dreamer And Screamer / Speed といったセットリストだったようだ。

画像9

7月号のYG誌の表紙を飾り。これまたカッコいい。6月10日発売だからアルバムが発売されたあと。このキラーのカラーはショッキングレッドと呼んでたかな、一時期所有してたことがある。

画像10

インタビューと奏法解説。

ファンが、タッカンが最近ヘタになってると言ってたというとんでもない話をESPの店員さんから聞いたとか。

六本木のディスコでRATTのウォーレン・デ・マルティーニと会った時、高崎晃奏法が載ってるYG誌を差し出されサインを求められたという話も。「コレでアキラさんのプレイを勉強します。」と言われたとか。

画像11

本人による奏法解説の写真。スウィープや両手が交差するタッピングなど。

画像14

コンサートのリポートと併せて機材に関する記事も。この頃使ってたナチュラルフィニッシュのキラーがカッコいい。

画像15

京都の公演でアンプがトラブルに見舞われた件とかをタッカンがコメントしている。「入場料返したいくらい」不本意なコンサートだったとか。


パッと棚から取り出した「JEALOUSY」に関するものは以上だが、また他の所から何か見つかり次第、ここにアップしたい。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?