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【友情結婚】良くも悪くも変わること

はじめに

大多数の人にとって結婚は人生でかなり大きな生活の変化になると思います。私の場合もご多分に漏れず、オフィシャルでもプライベートでも結婚前と結婚後でいろんなことが変わったなと感じます。

もちろんプラスの変化になったものもあれば、マイナス方向に変化してしまったこともあるかもしれません。そのあたり一度整理したいなと思っていたので、雑記がてら残してみます。

一応追記しておくと私はアセクシャルであり、結婚生活には恋愛感情や性的欲求を含みません。その分、シビアな損得(プラスマイナス)の感覚がでてくるので一般的にあまり共感はされないと思われます。それでも良い(寧ろ知りたい)という方はどうぞお付き合いください。


①人と暮らすことの変化


まずひとつめの大きな変化はこれです。

私たちは同居を選択し、基本的に家事や食事は同じタイミングでやることにしているので、今までひとりで自分のことだけ管理できていれば良かったことが共用のものを含めたふたり分に増えました。
とはいえどちらも家事全般はできていたので単純に馬力も倍になったし、ものすごく潔癖とか偏食とかそういったことはなかったのが幸いし、あまりぶつからずに生活できています。

ただ、やっぱり別の人間なので「どれぐらい汚れて散らかっていても許せるか」「食事の品数や量はどれぐらいが適正か」「自室にいたいのかリビングで話したいのか」等々、場面ごとにそれぞれの物差しを確認する時間が必要になっています。

気になるほうが負担を大きくするのか、その都度話し合って解決するのか、なし崩し的にズボラになっていくのか(うちはこれ)、別にどれが正解ということはないと思うので、お互いに不満を溜めないレベルの生活に落ち着くまでは試行錯誤することになるかなと。

恋愛からの結婚であれば、相手を喜ばせたい、とか労りたい、とか考えて先回りすることも考えられますが、私たちの場合はそれはありません。しいて言えば、あとでどうせ汚れが気になるのは私だろうから先にやっておくか…ぐらいの感覚です。同じくしっかりした分担も決めていません。あくまでひとり暮らしをするようにふたり分をやる、がいちばん近いスタンスです。

それらのちょっとしたストレスを除けば、食べ物をシェアできたり欲しかった家電を共用で持てたり、そんなに悪いことはない気がしています。ふたりで住むことで光熱費やらなんやらが節約できたかと言われればそうでもないですが(そもそも物価が高すぎ!)、うちの場合は新築戸建住宅を購入しており、それは流石にひとりで生きていたら経験しなかったかもと思うと結局はプラスなのかな。

心情の面では、ひとり暮らしが長すぎて人と暮らせるのか不安がありました。最初はお互いに自室を確保して基本そこで生活していても、同じ家に人の気配があることに慣れなくてソワソワしたり寝不足になったり(メイコの場合)。

ただ、運がいいことにふたりともそれなりに話すのが好きで、割と早い段階でぼちぼち打ち解けられたので家にいるのが憂鬱、帰りたくない…みたいなことはほぼありませんでした。

最終的には慣れて、同じ空間にいてお互い話さなくても気にならなくなりましたが、しばらくは気を張っていてそこまでいくのには少し時間がかかったかな、と思います。

なにか職場や実家絡みで嫌な思いをしたときに愚痴ったり、しょーもない話を共有してゲラゲラ笑ったりできるのは人と暮らす醍醐味かな。逆にそれはなくてもいい、煩わしい、と思えば別居婚のほうが向いているのかもしれませんね。


②仕事にまつわる変化


ふたつめの変化、個人的には大きかったですがほぼ変わらない人が多いかも?

私は元々、バリバリ社畜OLでした(笑)
月の労働時間、250時間は余裕で超えてたんじゃないかな?代休なんかどうせ取れないし、休日出勤申請するだけ面倒でいつからか計算なんかしてませんでした。労務管理が結構ザルだったそうで、申請すればするだけお金はもらえてたらしいので惜しかったなとは思いますが、当時は仕事ぐらいしかやることがなかったので趣味に時間を費やしたということにしておきます。チッ。

結婚を機に、流石にその生活だともたないなと感じはじめました。仕事でくたくたになって帰っても他人がいるから本当の意味で安らがない。これは友情結婚ならではの感覚かもしれません。ストレスが溜まると人に当たり散らすタイプという自覚があるので、本格的に迷惑かける前に転職することにしました。

転職を急いだ理由はふたつあります。ひとつは結婚後そこまで間を置かずに妊活を始めたかったから。基本的には1年以上在籍していればもらえる手当などもあるし、そもそも入社してすぐの産休、育休となるとやはりいい顔はされないかな…という懸念がありました。(逆の立場ならびっくりすると思う)

もうひとつは若ければ若いほど採用される可能性が高まるから。私が唯一できそうな仕事、特別なスキルが必要ない事務職は常に希望者が殺到する狭き門で、恐らく大抵の企業は長く働ける若い人から順に採用していくのが容易に分かります。

もし10代20代の自分にアドバイスできるなら、適当に楽な進路を選ばずにとりあえず手に職つけなさいと伝えたい。結婚するしないに関わらず、やっぱりいまだに女性がバリバリ働ける職種や立場は残念ながら限られていて、私みたいな資格も体力も胆力もない女性は需要がなく、すぐさま弾かれてしまうなと感じます。

勿論、資格云々がすべての原因ではなく私自身の人間的な魅力みたいなものが足りていないことも大いにあります。結局は正社員での転職は一旦諦めて、契約社員(正社員登用予定)を選びました。

今後、結婚や出産を考える方は、会社の制度やキャリア形成が自分の人生設計に沿うかをよく吟味してみてほしいです。特に出産前後はそれまでの働き方が可能かどうか、正直その時になってみないとわからない部分が大きいので、どうしても手放したくないキャリアがある場合は葛藤することになるかもしれません。

私は転職をしたことで、時間と心に余裕ができコミュニケーションが増やせたので結婚生活への影響としては悪くなかったと思いますが、やはり収入は大きく減り個人的にこの変化はマイナスでした。ただ独身のままだったとしても、元の職場で身体を壊さずにいつまで続けられたかは分かりませんし、転職という選択は間違っていなかったんじゃないかなと思っています。


③人間関係の変化


結婚すると大多数のパターンでは家系図が一気に倍になるイメージで「親族」と呼ばれる人間関係が増えます。
私たちの場合は今のところ、両親と祖母ときょうだい以外は特に交流はありませんが、いずれ冠婚葬祭で呼び出しがあれば揃って応じるつもりではいます。

私が結婚と出産を決めた思惑どおり、主に母からの執拗な圧力はほとんどなくなりました。今は孫にメロメロでそれはそれで鬱陶しい部分もありますが、昔ほどのぶつかり合いは今後ないんじゃないかなと思えるぐらいお互いに丸くなりました。

ただ、いざというときの介護や相続についてはまだ話を切り出せていません。本人たちも特に大きな病気をしている訳ではなく、なんとなく先のことだと思ってしまっていますが予測はできないことだし、お互いに決して若いとはいえない年齢。

ちなみに現状では実家に帰って介護という形は難しいと感じています。近県ですが行き来するのは厳しい距離だし、仕事や子どものことを放って長期間滞在するのは現実的でなさそう。
私にも世話する家族がいるからあなたがたの介護はできないよ、と言うための結婚出産だったので、いくら昔より関係が良くはなったといえど進んで介護します!という方向にはならないなというのが正直な気持ちです。

今なら間違いなく両親は自分たちの介護より子どもやこちらの家族を優先しなさいと言うと思います。元々はいつか帰ってきて家を継ぎなさいと言っていたことを思えば、そこは大きな変化ですね。

カイト氏には勿論こちらの親の介護を頼むつもりはなく、逆も然りとさらっと話した気がしますが、いざとなったら頼りにされる可能性がゼロではない限りもう一度しっかり話し合うべき内容だなと思います。

オフィシャルな面での見られ方も変わったことを感じます。転職先で結婚していることを伝えると、こちらが思っている以上に興味をもっていろいろと聞いてくる人が多いんだなと感心しました。
今はコンプライアンスの指導などもだいぶ進んできているので、仮に独身でも結婚しないの?なんて聞かれて嫌な思いをすることは少なくなってきているかもしれません。

ただ一方で、「それなりの年齢で独身=触れてはいけないなにかがある人」という視線は少なからず感じていました(自意識過剰かもしれないけど)。そんな視線から逃れられること、既婚者だと先に伝えておくことで避けられる変なアプローチや冷やかしが減る効果などを考えると、結婚したメリットはあったかなと思います。

その他では、やはり友人たちとの関係が微妙に変わったことを感じています。学生時代からの大人数グループなので未婚、既婚、子あり、子なし、いろんな立場の友人がいますが、やはりそれぞれのステージごとに話す内容が偏ったり、共感できたりできなかったりしてしまうのが顕著になってきました。

独身時代はなんとなく既婚の子たちの話に置いていかれているなと感じる部分があったりして、気にしないようにしていたけど実はそこそこ寂しく思っていたんだな、と既婚側で話してみて分かったりしました。

幸運なのは、私たちがもう15年来の友人であり、思い出や共通の知り合いの話が山ほどできることです。変わっていく部分はそれぞれ受け入れて、たまには今のステージを忘れて過去の話で盛り上がれる関係を続けていきたいです。


④名前が変わった


そういえばいちばん分かりやすく変わったことを忘れてましたね。一応の話し合いの結果、メイコ側が合わせることになり苗字を変えました。親の干渉が面倒くさくて結婚を考えたぐらいなので、正直ルーツや苗字への愛着みたいなものはあんまり感じていないどころか、これで戸籍からも外れるし名実ともに独立した感があって個人的には気分が良かったです。新しい苗字のほうが字面も響きも良かったし。(笑)

結婚を機に転職しているので、仕事上で困ることがなかったのも躊躇わなかった理由のひとつです。名刺やらシステムやら変えるのは面倒だし、いちいち変わったことに突っ込まれて説明するのも嫌ですよね。これは友情結婚ならではの感覚で、本来は聞かれて嬉しいことなのかもしれませんが。


おわりに

以上、私が結婚してみて感じた変化についてでした。子ども関係の変化についてはさらに多くてなかなかまとめきれないので、また余裕ができたときにぼちぼち残していけたらなと思います。

まとめると、私はレズビアンとして誰かと・もしくはアセクシャルとしてひとりで生きていく勇気はなく、特別な資格やキャリアもなく、上昇志向でもなく、都会にでて親と実家を完全に捨て去ることもできず(戻りたくはないけど)、子どもは絶対いらないと言い切ることもできない、全てが中途半端である意味ありふれた人間だったので、結果として従来の婚姻制度という方法がいちばん合っていたんだろうなと感じています。

どの道を選んだところで生きるのは大変なことに変わりはなく、人生いつどうなるかわからない。それならば今の自分が納得して、いちばん上手いこと面倒をかわして過ごせる方法を選ぶべきだなというのが個人的な考えです。ずるいけど。多少ずるくないと悠々と生きれないこの国もおかしいけど。

いちセクシャルマイノリティの雑記でした。
なにかの一助になれば幸いです。

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