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自分なりの教育の目的意識を持つことのすゝめ

この10年で変化が見られたことですが、中学受験を視野に入れた幼児や低学年の教育をしているご家庭が増えたように感じています。
私もそういう中のひとりだと思います。


過熱する幼児期の受験対策について、エポックメイキングは『中学受験は親が9割』や『灘→東大理Ⅲ」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方』著書あたりではないかと推察しています。
どちらの本も2014年に初版が出版されています。
最近では、最新版が出ていたり文庫化したりしていることに時代の流れを感じます。


さらに、SNSで個人が情報を発信できるようになったことも、幼児期の家庭学習に熱心にする要因のひとつではないかと思います。

中には公文をやらないと難関中学には入れない、受験算数の先取りをしないと塾でトップのクラスにはなれないなどという論調の方もいます。
書き手がそういう論説を発信するのも自由ですし、信じるかどうかも読み手の自由です。

公文をかなり先まで進ませていても、中学受験塾に入っても偏差値50以下になってしまったというお子さんもいますし、そのままトップレベルの成績を維持しているというお子さんもいます。
中学受験算数を先取りもしたからといって上手くいく子とそうでない子がいます。
それらの取り組みが、必ずしも有利かどうかは正直わからないと思います。
それだけが成績や結果を決定する要素ではないので検証さえも難しいのかもしれません。


ここからは私の個人的な感想です。
最近では、何かがが良いという情報皆さんそちらに向かっていきます。
フットワークが素晴らしいですが、ご自分の中で教育ビジョンはしっかりとお持ちかどうかということが心配になります。
先ほどの公文の例でも、同じ取り組みをしても、効果は人によって違うということ。
その原因が何かというと、突き詰めていうとこれなのではないかと思い当たりました。

公文も算数の先取りも否定しませんし、似たような取り組みを私も家庭ではやっていました。
でも、入会しませんでしたし、先取り塾に通うこともありませんでした。
中学受験を目前にして、算数や国語の学習で困ったかと言われれば、現状では全く困ってはいません。

この位の時期までにこれが身についていて欲しいと言う自分なりのロードマップがあり、それを達成するために、何をやるかを考えながらこれまで家庭学習に取り組んできました。
公文をしなかった理由は、教室に行かなくても似たようなドリルが市販でもありますので、家庭でできるよねという判断でした。
何もかも外注してしまうと、教育費がどこまでもかかってしまうので、困ってしまいます。
お金の掛どころも考えないと大変なことになってしまいます。

良いと言われれば、わが子にも是非やらせてあげたいと考えるのは当然なことだと思います。
これをさせてあげずに後々苦労するかもしれないと一生懸命になる気持ちもわかります。

昨今の教育産業は、本当に痒いところに手が届くようなサービスがたくさんあります。
未就学の幼児のための教室もたくさんあります。
確かにその取り組みはやらないよりはやった方が良いだろうなと思うこともあります。
幼い頃から知育教育をすれば、かなりの効果が上がるかもしれません。
でも、それって親が家でできればもっと効果的なような気が……と感じたことがすくなくありません。
もちろん、そのノウハウがなく、何をしたら良いかわからないという方が、プロがどのように取り組みを行い、どのような声の掛け方をするのかなどを知りたいという目的で通うならば、良いと思います。
単純にその教室に通えば賢くなるという考えならばちょっと違うのではないかと感じます。

情報をたくさんとって、あれもこれもと外注してしまうのは違うかなと正直思っています。
通信講座もタブレット学習も教室に通うことも、オススメの問題集も、全て効果的な良い教材なのだと思います。
でも、その教材を使うことで、何を学ばせたいのかとそれは自分ではできないことなのかを特にお子さんが小さなことには考えることをして欲しいなと思います。

やはり幼児期は、接する機会が多い親が子どもに一番影響を与えることができると考えています。
どんなに素晴らしい方でも週に一度しか会わない大人の教育効果は限定的であるということです。

忙しい方もいらっしゃると思いますが、できるだけ自分でプランを練り実行していくことが、長い目で見れば良い結果につながることになるかと思います。
その上で、これは外注サービスの方が良いと判断できる部分で上手く使っていくことが大切です。

中学受験も家庭学習だけで上手く志望校である難関校に合格できる家庭もあります。
それはちょっとできないなと感じる場合には通塾するという選択があるのです。
あくまで、教育の主体になるのは、塾でなく親であると思います。
塾は親が利用するものだと思います。
こういう接し方の方が、上手く塾のサービスを最大限に利用し尽くすことができると実感しています。

さて、もし効果的な方法があるとしても、それは唯一無二にはなり得ません。
良いやり方が世間に行き渡り、みんな同じ方法をとったならば、そこではもう差がつかなくなってしまうかもしれません。

まさに、佐藤ママの子育てについてはお子さんが幼児だった頃はそこまで熱心にサポートしているご家庭が少なく、全国100名しか入学できない東京大学理科Ⅲ類に4人全てのお子さんが進学できたかもしれません。

本当にわが子のために上手いやり方を探し実践することができたならば、まだ結果が出ていないうちは、誰にもそのやり方を教えようとは思わないでしょう。
下手に教えて、わが子のライバルを増やして、足を引っ張るというバカなことはしないと思います。

わが子にカスタマイズしたオリジナルな方法が、やはり教育としては最強であるように思えます。
他人のやり方をそのまま実践しようとしても上手くいくものではありません。


家庭学習のやり方については、ある程度時代が変わらずに共通した王道が存在しているようです。
このことは別に目新しいことがない教育方法です。
親が子どもの様子から、何を感じ何を理解し何ができていないのかをよく観察して、その都度適切なものを与え続けるということです。

言うは安く、実践しようとすると様々な問題に当たってしまいます。
問題ごとに子どもにあった工夫をすることが必要になりますが、なかなか上手くいかずに、苦労や悩みが絶えません。
でも、そこでやめてしまったり、楽をしてしまうと決して上手くいくとことはないと思われます。

子どもが良く考えることができる子に育って欲しいと考えるならば、親も良く考える親にならないと難しいと思います。
子どもに努力する子に育って欲しいと考えるならば自分も努力をする親にならなければなりません。

子どもと親は根っこが繋がっています。
遺伝よりも一緒に生活することで与える影響は本当に大きいです。


流行の教育法は、今までもこれからもきっと変わっていくのだと思います。
情報量が多くなってしまった現在においては、それを取捨選択するために自分なりの選択の基準を持つことがますます大切になるのではないかと感じています。
進化についていくために、軌道修正がいつでもできることも必要ですが、自分なりの教育の目的をしっかりと持つことができれば、余計なストレスは軽減されるかなと思います。


ご注意:
この記事は、私の体験したことをもとに書いています。
必ずしも、全ての方に当てはまるわけではないと思いますし、かなり主観が含まれていますので、時間経過によって、あるいは一般的な観点からは、正確性に欠ける部分もあるかも知れません。
こんな話もあるんだなという程度に読んで頂ければ助かります。
何かの決定に際しては、こちらで書かれた情報は参考程度に考えていただき、自己判断でお願いいたします。
また、お勧めした書籍やグッズを使用する場合は効果についての責任を負えませんのでご容赦ください。
ご質問がある方は、コメントやメッセージをいただけたらと思います。

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