ブースデザインの舞台裏、Japan IT Week 春編
5月に、他の場所で公開していた記事なんですが、諸事情によりそこを閉鎖することになったので、こちらにコンテンツを移動しました。
そして、ブースのデザインをテーマとした記事としては今回で2回目の記事。過去の記事はこちらです。
マーケティング・テクノロジーフェア、ブースデザインの舞台裏
ゴールデンウィーク明け直後の5月9日(水)から11日(金)までの3日間、FORCASは東京ビッグサイトで開催された「JAPAN IT Week 春」に出展しました。
「JAPAN IT Week」は、年に3回開催されるIT専門展です。ビッグデータ、AI、モバイル、通販、デジタルマーケティングなどのテーマ別にエリアが分かれており、経営企画、人事、総務、マーケティング、システム開発などの部門の関係者が来場する巨大イベントです。
なんと、今回の来場者数は昨年より1万人以上増加、トータル10万人以上の方々にご来場いただいたとか。私も、前日の設営準備、初日と3日目に会場に出向きましたが、りんかい線の国際展示場駅からビックサイトへ向かう人のうねりを見て、この展示会の人気度を肌で感じたのでした。
そして、前回の「マーケティング・テクノロジーフェア、ブースデザインの舞台裏」に続いて今回も、デザイナー視点で、この展示会について振り返ってみたいと思います。
東22-47
「東22-47」。これは、展示会場での住所みたいなもの、小間番号です。会場案内図にもこのような感じで載っています。この写真を見ただけでは、全体の中での位置関係がわかりづらいかもしれませんが、入り口から一番遠い、会場の一番奥に位置しています。
しかも、FORCASが出展しているWeb&デジタルマーケティングエリアの端っこ、通販ソリューションエリアと隣接した場所です。申し込みが少し遅れて、ここしか場所が残っていなかった、、、という理由です。
実績の多いイベント企画の業者さんからも、「うぅーん、こんなに扱いづらい小間は、初めてですね。。。」というお言葉を。
そんなわけで、この場所に、どれだけの方に立ち寄っていただけるか、FORCASがターゲットとするB2Bマーケターにどうやったら気付いてもらえるか。そこが最大のテーマとなったのでした。
これも試練、、、いやいや、「ピンチはチャンス!」と思考を変えて、全員で知恵を絞りました。ちなみに、これは代表佐久間の口癖です。
もちろん、「マーケターやセールスが働きたいと思う空間を」というのも、引き続きのテーマです。
3つの壁
今回の壁面は、全部で3面。
場所が場所だけに、近くを通りかかったマーケターに関心を持ってもらえるような工夫が、この壁面デザインにも必要です。
そこで、まずは、下の平面図のように、Web&デジタルマーケティングエリアから流れてくる来場者に気付いてもらいやすいように、右側の壁を斜めにレイアウトしました。少しでも視界に入りやすいように、、、と。
矢印で誘導作戦
そのほかにも、思いつく限りのアイディアを実践。ひとつめは「矢印で誘導作戦!」
みなさんも、美術館や博物館に行った時、「順路→」と導かれた方向に、歩を進めませんか?
人って、どういうわけか、矢印の方向に進みたくなりますよね?
そんなふうに勝手に心理分析して、自然とB2Bマーケターにブースの中に入って来てもらえることを期待して、「B2B Marketing of Tomorrow」というFORCASのキーメッセージとともに、大きな矢印を壁に描いてみることにしました。
それがこちらの写真です。
矢印の先には、資料をギャラリー風にディスプレイ。予算の関係で断念しましたが、この矢印と文字部分は平面グラフィックではなく、立体にするつもりでした。文字が浮き出ることで、そこに生じる影を楽しめたら、、、と思って。しかし、予算オーバーでいち早くカットされたのでした。
透明アクリルでキラキラ作戦
ふたつめのアイディアは「透明アクリルでキラキラ作戦」。
前回のマーケティング・テクノロジーフェアでも、ユーザベースグループのサービスを紹介するグラフィックを作りましたが、今回も同じコンテンツを。やはり、まだまだFORCASの知名度は低いので、ユーザベースグループであることを伝えるのは大事なことなんです。
前回とコンテンツは同じ、、、ですが、今回は、これを透明アクリルの大きなプレートに描いてもらいました。照明が当たってキラキラ反射することと、展示ブースではあまり見かけない透明感を期待して。こうやって、素人ながらも照明を意識したデザインを考えていると、猛烈に空間デザインを勉強したい気持ちになったのでした。平面と違って、より妄想力が養われそうですよね。
しかし、ここで事件発生。
前日の会場設営時の出来事。なんかこのアクリルが曇っているように見える。。。すりガラスのような不透明さ、汚れのようにも見える斑らさが、とっても気になりました。
これは保護シートかな? きっと、この後に透明になるよね?と、少し不安になって見守っていると、「ちょっと手違いがあったみたいです。」・・・と。
えっ、えーーっ!! ・・・という心の声。
数十分後。FORCASの頼れるマーケターの指示で、作り直してもらうことに。
イベント前日、、、その夜に、もう一度作ってもらって、当日の朝に再設置、、、となったのでした。
そして、できあがったのがこちらです。
前日でも「作り直してください」と主張できる我らがマーケター、それに応えてっくださった業者さん。あのとき、作り直してもらっていなかったら、3日間、曇ったアクリルを残念な気持ちで見続けていたんだろうなあ、、、と思うと、本当に感謝感謝です。
ギャラリー風にディスプレイ
今回、もう一つの新しいチャレンジとして、take freeのパンフレットや導入事例の置き場所を、それらがより魅力的に見える場所へと変えました。ただ、無機質なラックが並んでいるなんて、FORCASらしくないな、、、と思って。
ついつい手にとってみたくなる、アートギャラリーのように。きれいなポストカードが並ぶ雑貨屋さんのように、、、を目指しました。
ギャラリー風にしたのだから、そこに飾るパンフレットもがんばってリニューアルしました。そのパンフレットの表紙が薄いグレー、2種類の導入事例は黒がメインカラー。これらが交互に並ぶように配置しました。まるで千鳥格子のように。
ただ、最終日には、準備していた数のパンフレットはすべて使い果たし、歯抜け状態になってしまいましたが。。。
うれしい誤算、通路 東22
今回のブースの打ち合わせが始まってからずっと、小間の位置がハンデだ!と嘆いていましたが、前日の設営日にブースに行ってみると、嬉しい誤算が。
FORCASのブースに向かう通路の幅が、札幌の大通りのごとく、広かったんです。図面上では、どの通路も同じ幅のように見えますが、実のところは幅に差があり、FORCASの目の前は広く開かれていました。
他の通路はというと、幅はとても狭く、例えるなら裏路地のよう。でも、この通路はこのようにどーんと開けていているので開放感があり、一番奥のFORCASも視界に入りました。
写真、撮ってもいいですか?
おかげさまで、ブースデザインはFORCASメンバーに好評でした。メンバーが、このブースで3日間続けて接客するので、そのモチベーションはとっても大事。高いモチベーションは絶対に良い接客につながると信じているので。
そして、カメラを向けてブースの写真を撮ってくれる来場者もたくさんいた、、、とか。中には丁寧に「写真撮ってもいいですか?」と、聞いてくださる方も。そのとき、声をかけられた女性メンバーは、「えっ、私ですか?」と、早とちりしたみたいですが。。。笑
正直、最初は前回のブースデザインを少しバージョンアップすれば大丈夫かな、、、と軽く考えていましたが、そう簡単にはいかず、自分の甘さを反省する場面もしばしば。
そのときそのときの課題があって、そのときそのときの「こんなのやってみたい!」というアイディアがある。同じじゃないから、こんなにも楽しいんだなあ、、、と改めて思いました。初めてのことにドキドキするのも新鮮で良いですね。
3日間にわたる今回のイベント、ブースのデザインや来場者のUXなどなど、まだまだ改善の余地はありますが、無事に乗り切れた今はとてもホッとしています。そして、本当に多くの方にご来場いただきましたこと、この場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました!
そして、次の展示会「販促EXPO」の準備も、もう始まっています。また新たな課題があり、みんなでアイディアを出し合っているところです。
そんなわけで、展示会のUXの追求は、まだまだ続きそうですね。
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