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畜産で薬が使いにくくなるということ

体調が悪くなるとどのようにしているだろうか?

すぐに病院に駆け込む人もいれば、
市販薬を飲む人もいる。

病院で処方されたり、市販薬を飲んだとして、
対処できるのは、細菌であってウィルスではない。

風邪の場合、原因がウィルスであった場合、
いくら抗生物質などの薬を飲んだところで、効果はない。


では、病院でもらう薬が全く効果がないのかというと、
そうではないのです。

端的に言えば、
《用法用量を守って正しくお使いください》
ということなのだ。

細菌性の病気として、肺炎球菌による肺炎になったのであれば、
抗生物質などの薬は、肺炎球菌に対して有効に作用するとして、
使用されることになるだろう。


では、市販されている総合風邪薬が効果がないのか、
というとそうではない。

市販薬に入っているものは、
症状の緩和をするものが多く、対処療法であり、
自身の免疫作用で体調がよくなるまでの時間を稼ぐ
ということが主な目的になる。

市販薬に使われている成分
(アセトアミノフェン)
https://www.ssp.co.jp/dictionary/acetaminophen/
(ショウキョウ末)
https://www.ssp.co.jp/dictionary/powdered-ginger/

なので、風邪をひいたから、病院で抗生物質などの薬をもらって、
治そうというのは、《用法用量を守った使用ではない》ということになる。


人間が生きるために、作り上げてきた薬を、
必要・不必要関わらず、使いすぎた結果、
薬に耐性を持った菌が数多く出てきた。

https://amr.ncgm.go.jp/general/1-3-1.html
(耐性菌出現の歴史)

これに対して、世界的に対応しているのが、
薬物耐性対策(AMR対策)なのだ。

だからこそ、日本では
・農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/koukinzai.html
・厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html

などが、様々な取り組みをしている。

じゃあ、畜産は?

畜産でも同じ
獣医師によって処方される薬やワクチンによって、
体調を崩しても持ち直そうとしたり、そもそもならないようにする。

こと畜産においては、抗菌性物質を
 飼料中の栄養成分の有効利用により、家畜の健全な発育を促す
ことを目的として、飼料添加物として与えており、

抗菌性物質は、飼料中の栄養成分の有効利用により、
家畜の健全な発育を促すため
に、
牛、豚、鶏等の家畜の飼料に限定的に加える場合があります。

ということで、農林水産省の規則の元、使用をしている。

だがしかし、畜産において多用され、そこで薬物耐性菌が発生し、その薬物耐性菌が人間に感染することで、薬の効かない菌による、感染拡大を懸念しているのだ。


畜産の薬物耐性対策(AMR対策)については、
またの機会に…
(抗生物質が使えなくなったことで、
 新しい取り組みを行ったり、コストアップしたり…)


薬は、用法用量を守って、正しくお使いください。
混ぜ屋からのお願いでした。

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