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Glass Intaglio/インタリオ

Glass Intaglio/インタリオ

インタリオとは、沈み彫りという技法のことで、対象だけを彫るような古代エジプトから続く工法。(反対の技法はレリーフ・カメオなどです。)古くは石または宝石に施した、くぼんだまたは押し込んだ彫刻または彫り物で成る彫刻芸術。アクセサリーパーツでは、ガラスの裏面を彫ることで、表から見た時に対象が浮き上がって見えるアイテムが多く、その彫りにペイントを施されたものなどがあります。

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ブラックバックのインタリオやレリーフが好みで、つい何年もたくさん集めていますが、その繊細でアートな作りには、人を引き付けるような美しさがあると思います。

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が、先日・・ね?

とても大きな失敗を致しまして、お客様のお手元に渡ったところ・・一度の使用でバックのペイントが大きく剥離してしまったという。。

もう平謝りでした。

幸いお客様がとてもお優しい方で救われましたが、ペイントもののインタリオ・・ヤバい・笑

肝を冷やすとはこのこと。古いものだから同じように見えてもそれぞれに状態がまるで異なることもあるんですよね。。落ち着いて考えたらそうなるんだけれど、盲点。。

1970〜1980年代のヴィンテージのものが多いので、個人的に購入した(製品として買った)ヴィンテージアイテムでも、自身で制作したものも、使用頻度によって摩耗で少しずつ少しずつ剥離はありつつも、一気に大きく剥離したことはなかったので・・これまで特に気付けないことだったのと、まずもってパーツとして購入する場合輸入では詳細わからないことが多いし、そもそも国内では『インタリオ』ではなくヴィンテージカボションとされている場合があったりとか、カメオとされている場合があったりとか、ペイントの有無、素材としての注意・取り扱いについて確立された情報が少なすぎるって・・あるかもしれない。。

素材屋さん的おすすめのハンドメイドアクセサリーレシピなんかでも裏の処理やフレーミングなど触れられていなく、オーソドックスに貼り付けでの制作すすめられたりしているので・・自身の私物制作以外では、お客様のお手元に渡った後のことが私もそこまで想像できずにいたので、とてもありがたいご指摘となりました。

とにかく古いものなので、同じインタリオでもそれぞれに状態は異なり、そのまま使ってしまっても問題ないものもあるけれど、ペイントの状態によってはこんなに一気に剥がれてしまうようなのもあるんだ・・と・・お恥ずかしながら初めての体験。。

販売用はペイント自体を覆って保護するような背面処理やフレーミング、絶対いる!

せっかく気に入ってくださったのに、申し訳なくて。

そして私としても、一口に「ブラックバックにゴールドのインタリオ」と言ってもサイズや絵柄や色使いがバッチリと好みに合うものを探すのはいつも大変なことなので、かつ極力既に大きな剥がれがあるものなどは使わないので、せっかくの素材に対してももったいないことをしてしまってかわいそうだったなぁと、、反省しきりです。。

10mm以上のインタリオを枠止めにすると・・ブローチみたいな、カメオみたいな・・さらにデザイン自体がゴツく古い感じになってしまうので、結構気軽に枠なしの作りにしていたんですよね。。(反対に小さなルースだと少し大きめに強調するために枠留にしたりしていました。)

『二度と手に入らないかもしれないもの』に対しての取り扱いって難しい。。

例えば私物なら・・剥離防止に裏から透明のレジンやネイル塗ってから貼り付けなどを行おうかな・・と思うけれど・・販売とするならなんかそれもなぁ~。。となると、やはり枠でガッチリ覆ってしまう!?

となると、でも・・裏面を浮かせるような枠か、そうじゃなければ貼り付けになるから、また古いペイントに接着剤をそのままいくの抵抗あるかも(素材そのものに接着剤が付くのではなく、ペイントだけにつくイメージで・・それが一気に剥離の原因?)となると、、、どうしたら!?・笑

昔はペイント修復したりできたのかなぁ?

ペイントの素材にはなにが使われているんだろう・・。

(ちなみにドイツ製ヴィンテージが多いのですが、 Intaglio自体はイタリア語?のようです。)


既に状態があまりよくないようなヴィンテージをそのままの状態を長く楽しめるような作りを模索するいいきっかけになりましたが、今のところ販売可能な作りとなると思いつくの、、シンプルに枠留めだけ。

私物だとほんとに、うーん、、ネイル塗って修復しか思いつかない・笑

え、だからペイントのもの作られなくなっていったとか・・ある?

・・いや、もうペイントは避けよう。。

手元のブラックバックのインタリオやレリーフを集めて、ペイントモノとブラックのガラス自体に彫られているものと・・分けて保存してみようと思います。。

ブラックにゴールドのみのヴィンテージなものって、シックでエレガントで・・つい呼び寄せられてしまうんですよねー♡

個人的にはやめられないけれど、やめておこう・笑

とにかくお客様には大変残念な思いをさせてしまい、ご迷惑をおかけしてしまったのですが・・素敵な方でよかった・・。

古いものに興味があり、理解がありという”人”って貴重な存在。楽しんでいただきたいからそれにはもっと想像力と努力が必要だなと思いました。。