見出し画像

論理的思考力があるかチェックしてみませんか?「マンホールの蓋は何故丸いのか?」

この記事を開いた人の中には、自分には論理的思考力があるのか?と気になっている人もいると思いますので、さっそくではありますが、論理的思考力があるのかを簡単にチェックする例題を出してみたいと思います。

マンホールの蓋は何故丸いのか?

ご存じの方もいるかもしれませんが、「マンホールの蓋は何故丸いのか?を論理的に説明してほしい」と言われたら、皆さんはどう答えるでしょうか。ちょっとの間、考えてみませんか。

上記のような質問を面接などですると、以下のような答えがでてきます。

面接で多かった回答TOP5
・マンホールの蓋が落ちないから
・重いから転がせる
・デザイン的によいから
・穴が掘りやすい
・排水口に人が入りやすい

更に「他に思いつくか?」と聞くと、同じような回答か、時にはまったく根拠の無い回答などが出てきます。

多くの回答に共通なのは、「○」がよい理由を一つだけ答えるマンホールのある一つの状態にのみ注目して答える、というものです。そしてその中身は、直感で答えたもの知識から答えたもの、が多くあります。

直感、知識、経験則に頼る思考に注意

直感知識、あとは経験則に頼る思考法には注意が必要です。それらを使ってはいけない、ということではありません。それらだけに依存すると、いつも同じような考えばかりすることになり、思考が広がらず、時として判断を間違えてしまうことがあります。

論理的思考の基本概念として「MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)に考える(漏れなくダブり無く考える)というものがあります。この「漏れなく」の部分がごっそり抜け落ちている人が結構います。

「マンホールの蓋は何故丸いのか」を論理的に考えるとどうなるか

スクリーンショット 2021-04-23 15.36.41

「マンホールの蓋が何故丸いのか」を論理的に考えるとどうなるか、について記載したいと思います。一つだけお伝えすると、私自身、完璧な論理的思考はできていないので、「あ、こんな感じに考えるんだ」程度に参考としていただければ嬉しいです(スミマセン)。

「マンホールの一生」に着目
まず、マンホールがどう生まれ、どう使われるか、というマンホールの一生というか、バリューチェーンに似たようなものを考え、「思考の漏れ」を無くそうとします。これには、「作られ」「保管され」、「(設置される場所まで)運ばれ」、「工事され(穴を掘られ)」「設置され(たまに「メンテされ」)」、そして、「利用されている」、というものがありそうです。また、利用されている状態は大きく「歩道」と「車道」があるので、その二つに分けて考えます。

「携わる人」に着目
次にそれぞれのマンホールの一生に携わる人には、どういう人がいるかを考え、人視点で何が重要そうかを考え、更に「思考の漏れ」を無くそうとします。これには、マンホールを作る人、工事・設置する(穴を掘って、運んで、置く)人、我々のような利用する人、がいそうです。彼らから想像すると、「コスト」、「利便性」、「安全性」、といった項目に注目するとよさそうだ、と考えます。

「マンホールの蓋の形」に着目
そして、最後にマンホールのかたちにどんな選択肢があるか、ざっとを考えてみます。その結果「〇」、「△」、「□」、の3つの形を検討すれば良さそう、と判断します(□よりも多角形なものはよい理由が思い浮かばないとして排除)。

図解して整理
ここまできたら、下図のように、「マンホールの一生」視点を横軸に、「携わる人」視点を縦軸におき、それぞれにおいて、どの形が良いのか、どれでもいいのか、を判断していきます。

スクリーンショット 2021-04-26 16.48.04

「製造」についてマンホールの蓋を造るときは、コスト面で、「□」か「△」が良さそうです。というよりは、均一な「○」を造る、というのは「少し」難しそうなので。「少し」というくらいなので、そこまで大きな差はなさそうです、という判断をします。

「保管」について
「保管」する場合には倉庫に積み上げ保管すると思います。「□」の方が、重いマンホールの蓋同士をぴったりとくっつけ、安定して積み上げられるため、全ての面で「□」が有利と判断しました。

「運搬」について
「運搬」についても「保管」と同様に、倉庫に保管していた蓋をトラックに動かすときにも、トラックで目的地まで運ぶときにも、マンホールの蓋同士が密着出来る形の方が安定して固定できるため、事故も少なくなりそうなので、「□」を有利と判断しました。

「工事」について
マンホールの穴を深く掘る、という行為が必要になりそうです。これは機械で掘ることになると思うので、コスト面で「○」であることがかなり重要と言えそうです。

「設置/メンテ」について
重いマンホールを運ぶには、「○」の方が転がせるため楽そうです。また、向きがないので、どこからでも閉められる、というのも楽そうです。安全面に着目すると、もしマンホールの中で作業している人がいる場合、重い蓋が落ちたら大変です。「□」の蓋は構造上落ちる可能性があるので(対角線は√2の長さになるので)、危険性が高いです。つまり落ちない「○」か「△」であることが重要と言えそうです。

「利用」について
「□」や「△」の場合、マンホールの蓋の角に強い力が集中してしまうと、浮いてしまう危険があります。それと比較して「〇」の場合、どこか一点に力がかかっても、分散されて浮きにくい、という特徴があります。車道では、重たいトラックなどが走るので、マンホールの蓋が浮いてしまう可能性があり、マンホールの蓋が浮いたまま放置されていたらとても危険なので、「〇」が良いという強い理由があります。

以上をまとめてみると、「○」であるべき理由はいくつもありますが、「□」、「△」であるべき、且つ「○」ではだめ、という理由はありません。というところから総合して「○」が良い、という結論を出すことが論理的に考えている、といえると思います。

終わりに

いかがでしたでしょうか。もし論理的思考力を強化したいかも、勉強したいかも、という方がいましたら、ページの一番下に私が好きな書籍を5つ載せてみましたので参考にしてみてください。

論理的思考とは何か、という知識の他に、私の様なコンサル企業に属してもなく、なんなら右脳の方が強かった人間が、どうやって論理的知識を強化していったのか?ということを共有することは、ここを読んでいる人たちにとっても少しは有益な部分がありそうなので、そのうちにNOTEに書きたいと思います。

最後に、今更ですが、論理的思考はビジネスにおいて、とても素晴らしい武器です。が、とても難しく、そこそこ分かる様になるまでも結構な時間が必要だと思っています。逆に出来る様になると、アウトプットの質は格段に高くなりますし、他の人との差別化にもなる(強みになる)、というものだと思うので、是非習得に向けて、チャレンジしてほしいと思っています!(私もまだまだ頑張っていくつもりです!)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?